友理奈お嬢様は僕が小さくなったことを大変喜んでいるようです。 「執事さん、弟みたぁ〜い。じゃあ、私がお姉ちゃんね」 「友理奈お嬢様がそう仰られるなら、小さい間はそれで構いませんけど…」 トホホ、ちょっとした好奇心から手にしたキノコでこんなことになるとは、自分としたことが情けない。 執事失格です。 こんな姿を愛理お嬢様には特にみられたくありません。 愛理お嬢様にはやはりきちんとした身なりでお会いしたいです。 「執事さん、弟になってくれたんだし名前が必要だね。何がいいかな〜」 「名前は執事のままでいいのでは?」 「いいじゃん。弟を執事さんて呼んだら変だもん」 友理奈お嬢様の提案は面白いですが、僕はあくまで執事であって弟ではありません。 僕はこんな姿になろうとも執事の責任を果たさなければならないのです。 「じゃあ、かっこよくミントは?」 な、何ですか、そのネーミングは…外国の方のお名前、いえ、呼び方からしてまるでペットを呼ばれているような… 1 ミントで構いません 2 普通の名前でお願いします 3 リl|*´∀`l|<執事さ〜ん、昼からエッチしよ〜 さすがにミントでは僕も呼ばれる際、少々困ります。 ここは思いきって普通の名前にして頂きましょう。 「友理奈お嬢様、ミントの他に案はないのでしょうか?」 「うぅ〜ん、最高にかっこいい名前なのにな〜」 友理奈お嬢様はミントが気に入られているのか、なかなか新しい名前を言ってくれません。 「ミントがいいと思うな〜」 何ですか、僕を圧迫する強烈な視線は… 友理奈お嬢様はミントを譲るつもりはないようです。 「わかりました。ミントで…」 「やった〜決まりね〜ミント。はい、お返事は?」 「は、はい…」 すごく嫌ですが、友理奈お嬢様に泣かれるよりいいでしょう。 この間、コックさんが間違えて嫌いなトマトを入れて夕飯を出したときの泣きっぷりといったら凄まじかったですから。 「ではお散歩にいこう。ミント」 「え、この姿でですか?」 「うん」とあっさり頷かれる友理奈お嬢様に迷いはありませんね。 仕方ありませんが、この小さい姿でお屋敷の中をみつからないようお散歩するしかないです。 「最初は〜 1 C館の中を 2 建て直し中のB館を 3 森の中を C館の中をみて回ろうね」 友理奈お嬢様は僕の手をしっかりと握り、何かあったら私が助けるから、と早くもお姉ちゃんになっています。 お嬢様の成長の助けるになるのなら、僕がこうして小さくなるのも悪くはないかもしれませんね。 「はい。行きましょう」 「敬語は禁止。弟なんだからお姉ちゃんに甘えていいんだよ?」 「いえ、それだけはお許し下さい。敬語だけは崩して話すのは苦手なんです」 「ダメダメ。弟が敬語はおかしいよ。ため口ね」 友理奈お嬢様の頑固さには敵いません。 僕はため口を無理やり話してみますが、これがなかなか苦労させられるばかりです… 「お、お姉ちゃん、C館のお嬢様が見えたら逃げま、逃げようね」 「何で?執事さんてバレないから平気だよ。逃げる必要ないって」 「ですが、それでは僕をどう紹介するのです?」 「ん〜私の弟でいいじゃん。ミント君だよ、って」 はぁ〜ミント君ですめばいいですが、お嬢様によっては今の僕をみて疑うのではないでしょうか。 「私は弟が出来たんだ〜嬉しいな〜」 鼻歌まじりにお散歩されるお姿はまるで子供のようで微笑ましく、それでいて体は大人なので奇妙な感じです。 「執事さぁ〜ん」、と一階のどこかから僕を呼ぶ声がしてきます。この声は… 1 从*・ゥ・)とリl|*´∀`l| 2 リ ・一・リと(o・D・) 3 ノk|‘−‘)と州´・ v ・) 4 ノソ*^ o゚) 「ひつじさん、ねぇ〜お返事は?」 舞お嬢様の声に間違いありません。 ややあって、千聖お嬢様の声もしてきます。 「執事さ〜ん、宿題手伝って〜」 「ひつじさ〜ん」 友理奈お嬢様は呼んでるね、と他人行儀な言い方で楽しんでいるご様子です。 「呼ばれているのでお二人のところへ行かなくては」 「でも、小さいままだよ。どうするの?」 「そ、それは…」 そうでした、僕はまだ小さいままだからお二人に会っても誰かはわからないでしょう。 しかし、このままはよくありません。 僕は 1 キノコがまだ部屋にないか戻る 2 友理奈お嬢様に頼んで取ってきてもらう 3 小さいままでもすぐに行きます お二人に会うためにも、ここは友理奈お嬢様にキノコを取ってきてもらうしかありません。 「お姉ちゃん、お願いがあるのですが…あのぉ、キノコをまた取ってきてもらえないでしょうか?」 僕は友理奈お嬢様の服の裾を引っ張り、恥ずかしさをこらえてお願いしてみます。 お嬢様方が僕にお願いするときのように目を潤ませてです。 「うん。いいよ〜。かわいい執事さんのためなら仕方ないね」 絶対とってくるね、と頼もしい一言を言って去っていく後ろ姿に少し感動しました。 よかった、友理奈お嬢様をここでお待ちすれば、元に戻れるんだ。 僕はすっかり安心して気が抜けていました。 そうです、お嬢様はあのお二人だけではなかったのですから。 「あっ…」 背後からした小さく漏れた驚きの声に、慌てて振り向くと、 1 ノk|‘−‘)と州´・ v ・) 2 从*・ゥ・)とリl|*´∀`l| 3 从o゚ー゚从 栞菜お嬢様と愛理お嬢様が指をさしてじっとみています。 今の僕はお二人よりも小さくなっているので、自然と見上げる形になります。 お二人は僕をしばらく見下ろした後、顔を見合わせて首を傾げてしまいました。 「ねぇ、こんな男の子いたっけ?」 「いなかったはずだよ。どこから紛れ込んだんだろう」 お二人に何も言えない僕はただじっと成り行きを見守るしかないようです。 僕は執事です、と言えたらどんなに楽なことでしょう。 しかし、そんな事をいったところで信じてもらえるはずがありません。 「僕はどこからきたの?お名前は?あといくつかな?」 愛理お嬢様がしゃがみ、にっこりと微笑まれてみつめてきます。 この問いに 1 ミントです。年はだいたい12才です。出身地はと素直に答える 2 えと…としどろもどろになる 3 逃げるしかないと走り出す 「えと…」 僕はどう答えたらいいかわからず、言葉が出てきません。 挙動不審な男の子をみて、ますます怪しがるお二人。 「しゃべれないわけじゃないんでしょ?お名前だけでも教えてほしいんだけどな」 「愛理、この子を執事さんのところに連れていってみようよ」 「そうだね。そうしようか」 いけません、それだけは無理なんです。 あなた方の探している執事はここにいるのです。 「ダメです。それだけはダメです」 僕が大慌てでお二人を止めに入りますと、お二人は驚いています。 さっきまで何も話さなかった人間が突然話し出したのですから無理もないでしょう。 「この子さ、よくみると執事さんに似てない?」 「そうかな…私、毎日見てるはずなのに気付かなかった」 栞菜お嬢様が僕の顔をみつめこう言うと、愛理お嬢様はさらに顔を近づけてじっとみてきます。 「あ、あ…」 「本当だ。よく似てるかも…執事さんが子供ならこんな顔かも」 栞菜お嬢様も近づいてきて、鼻をすましてきます。 「クンカクンカ。執事さんの匂いがする」 「えっ、じゃ、じゃあ」 もう終わりだ、お二人に正体がバレた。 ここは 1 逃げるしかありません 2 執事ですと素直に告白 3 さらに(o・D・)とリ ・一・リも登場 4 川*^∇^)||が从o゚ー゚从を連れて帰ってきた 「僕があなた方の探している執事です」 もうここまできたら素直に告白するしかありません。 愛理お嬢様にだけはみられたくなかったのに、嘘はもうつけない。 僕は愛理お嬢様の目をしっかりとみつめ、できるだけ誠実に伝えた。 それを聞いた愛理お嬢様はしばらく立ち止まっていたが、落ち着いてくると僕の顔を優しく手を添えてくれた。 「執事さん…なんだね…」 「はい。僕です」 「そっか、可愛くなっちゃったね。最初に気付いてあげられなくてごめん」 優しく微笑まれるその顔は何だか寂しそうな雰囲気も漂わせています。 隣の栞菜お嬢様は僕らの雰囲気に入ってこれず、僕に近寄りたいのを我慢されているような気がします。 ですが、僕は今は目の前の愛理お嬢様から離れられません。 栞菜お嬢様も大事なのに何もしてあげれないとは、僕はどうしたらいいんだ。 「事情はわからないけど、執事さんがこんな姿ってみられると大変だよ。さ、部屋に戻ろう」 「そうだね。愛理の言う通りだよ」 遠慮がちな栞菜お嬢様が気になるなんて、僕は愛理お嬢様を裏切っている。 あれだけ愛しあった仲なのに… 1 愛理お嬢様に連れられ、自分の部屋に戻る 2 栞菜お嬢様に行きましょうと手を差し出す 3 友理奈お嬢様の帰りを待つのでここにいます 寂しげにぽつんと一人でいる栞菜お嬢様をほうってはおけず、僕は栞菜お嬢様に手を差し出した。 「さぁ、行きましょう。ずっとここにいても仕方ありません」 「し、執事さん」 栞菜お嬢様のどうして私を選んだの?という驚きに満ちた顔が儚げにみえます。 愛理お嬢様に気を使っておられるのですね、こんな時も。 あなたはもっと素直になられてもいいのです。 「栞菜お嬢様、さぁ早く」 「でも…」 チラチラと愛理お嬢様に目配せして、いいの?と伺っているようです。 仕方ありません、ここは実力行使ですね。 僕は栞菜お嬢様の手を勝手に握り、一人先を歩き出す。 愛理お嬢様、この償いは近いうちにしますから今だけはお許しを。 「ちょ、ちょっと二人とも〜」 「愛理お嬢様、置いていってしまいますよ」 僕はここで体をよせ、「たまにはもっと素直に何でも仰って下さい。栞菜お嬢様の執事でもあるんですから」と付け足しておいた。 すると、「ありがとう。それは愛理のいない時にね。その時は、私と…もっとお話してね」と返してくれた。 栞菜お嬢様、あなたの寂しさを埋めるのも僕の仕事です。 次はもっと仕事をさせて下さいね。 後日、まず僕は散々色々な人から怒られた。 まず友理奈お嬢様で、みつけて帰ってきたときに僕がいなかったので心配したそうだ。 コツンと一回叩かれてしまったが、これも愛の鞭だと受け止めておいた。 次に、千聖お嬢様と舞お嬢様だ。 呼びつけたのに現れない僕に、宿題を一週間やりなさい、と申し付けられた。 呼びつけに答えられない自分のせいだ、と今回ばかりはお二人に従って宿題をすることに… 最後に愛理お嬢様で、目の前で栞菜お嬢様と大胆に手を繋いだものだからカンカンだった。 私でも嫉妬はあるんだからね、と喜んでいいのか悪いのかというお言葉を戴いた。 当然、愛理お嬢様に求められるがまま、またしてしまったのだけど… まだまだ僕の執事生活は事件がありそうです
ノk|*‘−‘)<し、し、執事・・・さん・・・ ノk|*//−//)<・・・あうぅっ