…カァー カァー 今日はやけに朝からカラスが多くないかな・・・? 何やら不吉な事が起こりそうな予感がいたします。 B館の皆様に鬼ごっこにご招待されたのですが、どうもさっきから胸騒ぎが静まりません。 「何も悪い事が起きなければいいのだけど・・・」 お手紙の内容だとどうやら僕が鬼になるのが前提の様です。 ・・・不安です。あのとてつもない身体能力のお嬢様達に果たして太刀打ちできるのでしょうか? しかし、それが執事の勤めとあらば遣り遂げてみせましょう。 「あっ!来た、おーい!こっちこっちー」 なんと、全員お揃いで僕を出迎えていただいて・・・ 「今日はよろしくね。いっぱい遊ぼうね」 佐紀お嬢様が最初にご挨拶をなさり、それに続く様に皆様もしてくれた。 「それじゃルールを説明するから」 「9時になったら私達はいっせいに逃げだすからね」 「森の外には出ないから安心してね♪ウフフフフ」 「夕方5時になるまでに、私達のしてるハチマキを全員の分取れたら執事さんの勝ちだよ」 「でも、一人でも残ったら私達の勝ちですよぉ♪」 ハチマキ… 佐紀お嬢様は黄色、桃子お嬢様は白 千奈美お嬢様は桃色、茉麻お嬢様は赤、雅お嬢様は橙色、 友理奈お嬢様は緑、そして梨沙子お嬢様は青ですか。 「あっ、もう9時だ。じゃあいくよ・・・」 えっ?!もう開始の時刻なのですか、お待ちください! 「せーの」 「スタートぉ!!」 ま、まって、速い!皆様なんですかその俊足は?! 嘘でしょう?!も・・・もう影も形も見えませんよ! しかし走っていく方向は見えました。全員ではないですが・・・さてどこから行きましょうか 1 左の獣道です 2 薄暗い方に行きましょう 3 え、と、この先は・・・滝? 4 あっちは・・・やけに眩しいですね 見えましたよ。こっちの薄暗い方に走っていったのは・・・ 「きゃぁああ?!追い付かれちゃったよぉ〜」 友理奈お嬢様です。見つけましたよ。なんとか追い付けました。 「あうっ!」 あっ、転んだ!大丈夫ですか?!お怪我はありませんか。膝をすりむいたのでは 「ひぃいいん・・・こないでぇ、執事さぁあん」 ・・・なぜまたスカートなのですか。み、見えてますよ。目のやり場に困ります・・・ 「お嬢様、ハチマキをください。そうすれば貴女に何もいたしません」 「・・・やだ。負けたくないもん!」 涙目ではあったけど急に目付きが強くなった。手強いかもしれません 1 貴女を恐がらせたくない、ですからハチマキをください 2 し、しばらくその水玉さんを拝見・・・目の保養です 3 なんだ?友理奈お嬢様が口笛を・・・ ・・・なんだ?友理奈お嬢様が口笛を吹いているぞ。この状況でなぜ …………ガサッ いま、藪のなかが揺れた様な。気のせいですよね? 「ガルルルルルル・・・」 う・・・嘘だ・・・そんなばかな事が。 「まあさ〜!助けて〜!」 「バウ!!」 うわああああああ、く、熊さん。なんて大きさなんだ。いつもより大きいんじゃないか?! 「ガルルルルルル・・・!!」 友理奈お嬢様をお守りするかの様に僕の前に立ちはだかる熊さん 冗談でしょう・・・?なぜ鬼ごっこで熊さんと戦わなければならないのですか。 1 なだめてみよう。敵意は無いと伝えたい 2 熊さんにハチマキを取ってくるようにおねがいしてみる 3 命が危ない、友理奈お嬢様は後回し 僕は敵意はない。友理奈お嬢様を傷つけるなど、とんでもない話だ。 「聞いてくれ、僕は友理奈お嬢様に何かするつもりはないんだ」 「・・・ガルルル・・・」 「鬼ごっこに来ただけなんだ、わかるかい?」 「・・・・・・バウ?」 本当に? そう聞かれている気がしたのでうなずいた。 「バウバウ、バウ」 「へ?何まあさ、執事さんが好きだって?」 熊さんは友理奈お嬢様の頭に触れて・・・ 「あっだめぇ!ちょ、まあさ、こらぁ〜!」 なんとハチマキをほどいて僕にくれたのだ。 「え?!い、いいのかい?」 「バウッ」 「よくない!執事さん返してぇ、ひぃい〜ん」 泣いている友理奈お嬢様の頭を撫でている熊さん。 ・・・君のせいでこうなったのに、わかってないのだろうか。 「友理奈お嬢様ごめんなさい。いただいたものですから」 「もぉ〜まあさのばかぁ〜!」 「バ、バウウ・・・」 「いまさら謝っても遅いのぉ!もうっ」 無事にまず友理奈お嬢様のハチマキを回収できました。あと、6人・・・ 1 うわっ?!いま何か飛んできた、投げたのは誰ですか! 2 なんだかいい匂いがします・・・あっちからか 3 おや?あちらに見えるのは・・・スクール水着 ふと、何やらいい匂いがしてきました。なにか鼻の奥をくすぐる様な甘い匂いが・・・ その匂いに誘われさらに森を進んでいくと・・・ 突然視界が開けてだだっ広い草原の様な場所に出ました。そして 「執事さぁあ〜ん♪こっちこっちぃ〜♪」 「はっ?!」 あの顎は、いえ、あの橙色のハチマキをしているのは・・・! 「こっちおいで、いいからおいで」 雅お嬢様が手招きをなさっている。物凄く嫌な予感がいたします。何か罠がありそうな 「早くおいでってば〜」 ・・・?!おかしい、足が勝手に動くぞ。意思に反して前に進んでしまう。 「そう、そのままおいで」 あの手にお持ちなのはなんだ?よく見えないがキノコの様な。 なにやら桃色の胞子がこちらに飛んできている。匂いの正体はこれなのか? 1 鼻をふさぐ 2 だめだ、足しか動かない・・・ 3 進んではいけない、違う場所へ逃げよう 嗅いではいけない、そう思ったが手がうまく動かない・・・ 「いい子だね、そのまま私のとこに来なさい」 いやだ、いやだぁあっ。その笑顔が邪悪に見えますよ あ、ああ・・・着いてしまう、雅お嬢様のもとへ 「それっ!」 「ああっ?!」 足払いをかけられ地面に転がされてしまった。 「うふふ、動けないでしょ。さあ〜てどうしてやろっかな〜」 体に力が入らない・・・?!そんなはずは・・・しかし・・・ 「地面に磔にしてやりたいんだけど、鬼をどこかに拘束するのはルール違反だし・・・う〜ん」 そんな恐ろしい事をお考えだったのですか?! 「決めた♪こうしちゃえ」 「み、雅お嬢様?!おやめください、だめです!」 「観念しなさい♪ほーらっ」 「あ・・・アッー!」 ああ・・・いけません、お嬢様ともあろう御方が、どこの馬の骨ともわからない男にこんな 「とっちゃったもんね。ばいばーい♪」 ようやく動ける様になった。だが、この格好ではお嬢様の前には出られない。 雅お嬢様、せめて最後の¨砦¨だけは置いていって下さい・・・ 1 あの顎めすぐに追い掛けてやる 2 せめて大事な部分だけは隠さなくては。何か使えそうな物はないか 3 開き直ってこの状態のまま鬼ごっこ続行 ・・・滅多に怒る事はないつもりだけど、さすがにこれは我慢ができません。 「許さないですよ雅お嬢様・・・少々おふざけが過ぎた様ですね!」 あっちの方に逃げていきましたね。逃がしませんよ!! 「待ちなさい雅お嬢様!」 「・・・?!きゃああぁあ、来ないで〜〜〜〜!!」 僕がものすごい勢いで追い掛けてくるのに驚いているのか、或いは何も隠す衣服がない事に驚いているのか。 後者は貴女のせいですよ。もう許しません 「う、うそ、速い・・・!きゃあああああっ!!」 「待ちなさいと言ってるでしょう!」 よし、あと少しでつかま うわっ?! 「きゃ・・・!!」 なんと、足元にあった石につまづいてしまい、そのまま勢いあまって雅お嬢様に・・・ 「うわぁあああっ!」 「あ・・・ああ・・・!」 ど・・・どうなったんだ・・・?! やけに、その、大事な部分が生暖かい様な・・・! あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! 「・・・あ、ああ・・・」 なぜか雅お嬢様は仰向けに倒れており、お顔のすぐ近くに僕の、ぼ、僕のが・・・ 1 このすきにハチマキをいただいてしまおう。ついでに自分の服も 2 あ、腰が勝手に動いて、雅お嬢様のお顔に 3 く・・・口が開いている。これは合図ですか? 腰が勝手に動いて・・・み、みや、雅お嬢様のお顔に・・・ほ、ほっぺに・・・ 「ぁ・・・」 もっと叫ぶかと思ったけど、目に涙を浮かべ口を手で押さえている。 で、出来心だったんですだなんて言ったら大変だ。腰が動いたのはさっきのキノコの・・・じゃないよな。間違いなく そうだ。このすきにハチマキをいただいてしまいましょう。これで2人目です。 あとは服を取り返そうとしたら雅お嬢様が我に返ってしまった。 「いやあああああ!さ、最低!このケダモノ!!」 「はぐぅうっ?!」 思い切りその場所を蹴りあげられた。 い、いま、何秒か意識が無くなりましたよ。目の前に火花が 「こんなことされたの初めてぇ・・・うわぁああん、もういやだぁあ〜〜」 これ以上ここにいてはいけない気がする。下半身がまだよく動かないが早く離れなくては 1 湖に向かおう。冷やさないと大変だ 2 獣道に向かう 3 あっちは洞窟か? 4 近くに川が見える、急ごう 天の助けだろうか。近くに川があるぞ。この腫れ上がった下半身を冷やさなくては 「助かった・・・はぁ、はぁ」 まだ痛みはすぐにはひかないが取りあえず熱は無くなりそうだ。 もうすぐ夏なのに川は冷たかったが、それが幸いだった。 ・・・おや?川の底に何か人型のものが・・・ 「うわああああ!」 佐紀お嬢様?!また川の中でおやすみになってるのですか! ・・・ぴくりとも動かない。僕に気付いて起きるかと思ったがそのままだ。 チャンスだ、このままいけばわりと簡単にハチマキを取れるかもしれない 1 そっとハチマキを取る 2 なんだ?!急に足が動かなくなったぞ 3 ・・・佐紀お嬢様、なかなかいい胸してるな このままハチマキを取ってしまおうとしたら、足が動かなくなった。 「は・・・?!ば、バカな、なぜ動かない」 せっかくのチャンスなのになぜだ、頼む動いてくれ! 「動かないよ、私が押さえてるもん」 「さ、佐紀お嬢様?!」 すっかりおやすみになっていると思っていたが、水面からお顔をあげて笑っていた。 よく見ると僕の両足をしっかりと押さえている。 「さ、私と遊・・・ちょ、なっ何その格好?!いや〜〜〜!」 僕のその部分を見てきゃあきゃあ叫んでいる。 「なんでそんな格好なの、泳ぐにしても裸はないでしょ?」 「いやあいろいろと有りまして・・・」 「やだぁあっ!」 佐紀お嬢様が逃げようとしている。いけない、水の中で逃げられたらもう追い付けないかも 1 逃がさない様に抱き寄せる 2 ハチマキはしっかりといただく 3 もっとご覧になりたいですか、とそれを近付ける 泳ぎでは勝てる自信がありません。と言うか不可能でしょう。ならばせめてハチマキを 「いやああああっ!」 「ぐはぁあっ?!」 その時、勢いよく佐紀お嬢様が飛び跳ねた。まともに顔面に頭突きをもらってしまい・・・ 「さ、佐紀お嬢様ぁ、お待ちください」 「執事さんやりすぎ〜〜〜〜!!」 いちど川に入っては飛び跳ね、また入っては飛び跳ねながら逃げていきます。 その姿はまるでトビウオのようで、やはり人間にできる動きではありませんでした。 か、感心している場合ではない。ハチマキを取り損ねてしまった。不覚・・・ 「くしゅんっ!」 ・・・いつまでも川の中にいたら風邪をひいてしまうのでひとまず出るとしよう。 だがまだだ、まだチャンスはあるぞ。そう思おう。 1 早く服の代わりを探さなくちゃ、寒くなってきた 2 「あ〜〜〜〜〜あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」な、なんだこの声は? 3 やっぱり佐紀お嬢様を追い掛ける。このまま川を下るぞ 「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」 こ、この声は・・・以前に聞いたことがあるぞ。 「千奈美、いきまーす!」 「うわあっ?!」 振り向くといきなり千奈美お嬢様が迫ってきていたので、あわててしゃがんだ。 「ちっ、よくよけたね。だけど次は外さないよ〜」 最初にお会いした時と同じく、ターザンの様に・・・ 「もう一回!千奈美、いきまーっす!」 「うわぁあっ」 迷いもためらいもなく僕を狙ってきている。 普段の千奈美お嬢様は僕を見るととても恥ずかしそうになさっているのに・・・まるで別人だ。 「ターザンがきかないか、ならば直接いくからねっ」 蔦から飛び降りて僕と向かい合う千奈美お嬢様。 僕の格好に反応なさると思ったけど、その目は真剣だった。 ・・・気を抜くな、さもなくばやられるかもしれない 1 あれ、お嬢様が消えた? 2 僕には刀がありますからとそれを見せる 3 逃げよう 「執事さん、悪く思わないでね。これは勝負だから!」 千奈美お嬢様の気迫に飲み込まれてしまいそうだ。だめだ、負けるわけにはいかない! 逃げてばかりではだめだ、自分から捕まえに行かなくては! 「お嬢様これを見てください。この刀を!」 「・・・・・・」 「そう、見られれば見られるほどこの刀は強くなるのですよ」 我ながらなんと馬鹿なのだろうとは思った。だが僕はふざけてなどいません。 千奈美お嬢様が本気で来るというのなら僕も全力で応えなければ失礼です。 「・・・刀・・・」 「そうです。刀です。血がたぎる程に」 近づいてください。あなたのその桃色のハチマキを頂戴いたします。 「・・・・・・」 どうしましたお嬢様。先程から何もおっしゃらずに刀を見つめて 「・・・・・・ぷっ」 ・・・な?! な、なんですかその鼻で笑う仕草は・・・?! 「刀なの?この、鞘におさまっても中が余りそうなナイフが」 ち、ち、千奈美お嬢様の口からその様なお言葉が・・・ 1 おだまりこのたれ目!ハチマキをよこしなさい! 2 ほほう、ナイフですか。それでもあなたには勝てますよ、ほーら 3 お尻を叩いて差し上げましょう! 泣きそうになりました。実際にもう泣いているのかもしれませんが・・・ 「はっはっ、ナイフですか。そうですか」 「刀ならもっと顔につくぐらいおっきいはずだもん」 気迫で負けてはお話になりません。負けてはいけません! 「そのナイフであっても千奈美お嬢様には負けませんよ!」 「えっ・・・?!」 僕がいきなり向かってくるとお思いではなかったのでしょう。 わりとすんなりそのハチマキを奪い取れました。よし、ようやく3人目 「きゃあああ、変態!!」 「うわっ?!」 いきなり頭をおさえつけられ、なんとそのまま地面に押しつけられました。 い、息ができない・・・!顔面を地面に・・・うぷっ・・・ 「こ、このままだと執事さん負けだよ!」 ・・・はい・・・?どういう意味でしょうか? 「鬼はね、頭を地面に押しつけられて十五秒そのままだと負けになるの、残念だったね」 そんなルール知りませんよ?!なんで最初に説明してくれなかったのですか! 1 まだ半分も捕まえてないぞ。負けない!(次ページへ) 2 疲れた、このまま眠ろう・・・ 3 ち、千奈美お嬢様が助けを呼ぼうとしている