俺のいちばんやりたい事
 
か、どうかは分からないが、これもやりたかった事なのは間違いない。
「んん・・・」
更衣室の鏡の前で思わず微妙な顔をしてしまった。友達は、初めて制服を着た時は嬉しいなんて言ってるけど・・・
なんだか、嬉しく無くはないんだがやけに照れ臭いっつーか、まっすぐ見れねぇな。
決まった時に一応親父やお袋には電話したが、二人とも相変わらず興味なさげだった。
コンビニのバイトが決まって喜んでくれたのはユリナやサキちゃんだけだよホントに。リサコもおめでとうと言ってくれたけど、ミヤビとチナミは言わずもがな・・・
 
「お待たせ、  君。じゃあ、いこうか」
「は、はい!」
「そんな固くならなくていいぞ。まずは初日だから仕事を見て、大体の流れを掴んでほしいんだ」
店長に連れられ店内へ・・・ああ、いよいよだ。緊張するな
 
「彼女が君の先輩だ。軽く挨拶代わりの自己紹介でもしてくれ」
レジの前に立っていたのは、ちっちゃな女の子だった。
って・・・あ、あの、この子小学生じゃないですよね?ちゃんと働いていい年齢なのかな。
やけに背がちっちゃいし、本当に子供じゃないよな?だ、大丈夫かこのコンビニ
 
『初めまして。ウフフフフ、嗣永桃子っていいます。今日からしばらく君をびしびし鍛えるからね』
「は、初めまして」
・・・あれ、この声の感じ、初めて聞いた気がしない。気のせいだろうか
それに、全体的な雰囲気もなんだか不思議というか、ついさっきまで一緒にいた様な気がしてくる
『と言ってもまだ初日だからね、店長も言ったと思うけど私の仕事を見て流れ掴んでね』
嗣永、さんの言うとおりだな。まずはどんな感じなのかしっかり見なくちゃ。
と思ったらいきなり客が来た。なんか一気に緊張してきたぞ
『いらっしゃいませぇ〜♪』
嗣永さんはいきなり甘い声になり、客が出す商品を流れる様に値段を読み込んでいった。
『合計で605円になります。ありがとうございましたぁ〜♪』
おつりを、しっかり客の手を握り締めて渡して、最後に満面の笑顔・・・一瞬の出来事だった。
き、綺麗だ、なにが起きたのかよく分からなかった。
いつも自分が買う側だったのに、こっち側になったとたんにまるで別世界じゃねぇか
『どうだった?私の仕事は』
うっ、い、いきなり聞かれましても・・・
 
 
1 すっ素晴らしいお手並みでした!
2 嗣永さんてかわいい声してますね
3 正直によくわからないと言おう 



キテタ人間2人目の登場ってことか
3で 



正直に言った方がいい。第一印象が肝心だからな
「あの・・・よく、わかりませんでした」
『えっ?うそぉ〜、私の華麗でかわいい接客が分からなかったの?も〜  君は〜』
どう評価すべきかまだよく分からないのに、適当に誉めたりするのは良くない。
『じゃあまたレジはお客さんが来たら見せるから、簡単に他のこと説明するね』
それから俺は嗣永さんにいろんな説明をしてもらった。
メモを取りながらの方がいい、と友達に教わっといてよかった。これなら後で見返せるからな。
『まあざっと説明したけど、結構覚えること多いでしょ』
「そうですね。ちゃんと覚えられるかな」
『大丈夫、君ならできるよ!やる気があるなら必ずできるから』
嗣永さんは笑顔で俺を励ましてくれた。その笑顔・・・かわいいなぁ。
『なんか質問とかある?わかんないことあったら聞いてね』
わかんない事かぁ・・・じゃあ
 
 
1 もう一度軽く説明してください
2 嗣永さんっていくつなんですか?
3 嗣永さんってどこの学校なんですか? 



1かな 


新たに1でお願いします 



「すいません、もう一度軽く説明してください」
『うえっ、ちゃんと話聞いてた〜?じゃあ今度はしっかり聞いてね』
嗣永さんは、丁寧に仕事の内容を一から説明してくれた。うん、今度は理解できた、気がする。
『わかってくれた?』
「はい、大丈夫です!」
『ならもう大丈夫だね。明日から聞かなくてもわかるね』
えっ?!あ・・・あの、それは・・・ちょっと・・・!
『そんないじわるしないから安心しなさい。ウフフフフ♪』
も、もう、からかわないでくださいよ。一瞬まじで焦ったじゃないですか。
『  君はなんでコンビニで仕事したいって思ったの?』
「ぼ、僕ですか?それは・・・・・・」
まさかいきなりそんな質問がくるなんて。聞かれてもすぐには答えられないよ
えっと、必ず理由があるはずだ。俺がこれを選んだのは
 
 
1 興味があったから
2 とりあえず何かしたかったから
3 つ、嗣永さんはどうしてですか? 



ここは2かな 


1で 


3が聞きたい 



とりあえず、何かしたかったから。
「ただ夏休みを去年までみたくだらだら過ごすよりは、何かしたかったからです」
『偉いね。そういう考え方、いいと思うよ』
ほ・・・誉められた。なんかすっごい嬉しいぞ////
「つつ、嗣永さんはどうしてですか?どうしてコンビニの仕事を・・・」
『教えてあげる。もっと社会を知りたかったから』
なんだか大人の考え方みたいだな。漠然としてる俺とは違う。
『人間が暮らす世界をもっと知りたかったからだよ』
「に、人間が、ですか」
急に真剣な顔になったから戸惑ってしまった。あんなに愛嬌のある笑顔だったのに、いきなり変わるんだな。
『な〜んてね。私、人と接するの好きだから』
かと思ったらまたすぐ笑顔に戻っちゃった。ほんと、不思議な雰囲気の人だな。
 
それから俺は終わるまでしっかり仕事を観察した。
俺も早くああやって立派にできる様にならなくちゃ・・・!
 
「はあ・・・・・・」
更衣室に帰ったら、なんだか気が抜けてしまった。
大丈夫かな俺?ただ見てるだけでこんな疲れちゃって。
明日から頑張れるのかな。いや、まだまだこれからだ。始まったばかりだからな、気合い入れてかなくちゃ!!
 
店長に挨拶を済ませて、帰ろうとしたら・・・
『あ、  君。もう帰るの?私もなんだ』
この声、嗣永さんか。まさか一緒に帰ろうなんて言われちゃうかも・・・////
変な期待をしつつ振り向いて、派手に転びそうになった。
「な、なな、なんですかその格好は?!」
『ウフフフフ・・・♪』
あなたの私服を見るのは初めてのはずなのに、その服は見覚えがあります。
あるどころか・・・そ、それは・・・!
ユリナ達とお揃いのメイド服じゃないか。って事は・・・う、うそだろ
 
 
1 どういう事だ?!ロボットがなぜコンビニにいるんだ!
2 嗣永さんはコスプレが趣味なんですか
3 逃げよう・・・遠くへ 



あえて3w 


そういうことだったのかw
2→3でw 


2でお願いします 



「つ、嗣永さん、なんですかその格好は。私服にしては派手ですね」
『やだぁもう見覚えがあるくせにぃ♪ウフフフフ♪』
しゃべり方もさっきと変わってるみたいだ。お客に接する時と同じ様な・・・
「コスプレが趣味なんですか?ははは、面白いですね」
何か得体の知れない不安が胸に芽生え、大きくなってきた。逃げよう、遠くへ。
『あっ待って、ちょっとぉ!』
「さよなら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
自転車に乗り、全速力で遠くに向かって漕ぐ。なんだか知らないが捕まったら最後な気がして・・・!
 
『こらこら、待ちなさい。何も話してないでしょ』
「うわあああああ!!」
う・・・浮いてる?!飛んでるのか?!追い掛けてこないでくれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
危うく転倒してしまいそうになったが、彼女が・・・体を支えてくれた。
『もう、いきなり逃げちゃだめでしょお?人の話はちゃんと聞きなさい』
観念した方がよさそうだな・・・逃げても勝ち目は無さそうだ
 
 
1 あなたは誰ですか?
2 な、なにが目的なんだ
3 どうしてそんなちっちゃいの? 



あえて3をw 


2
浮いて追いかけてくるとかw 


同じく、あえて3をw 



なんか、初めて会った気がしないと思ったらそういうわけかよ。やれやれ・・・
うちのみんなと同じだったんだ。声の感じや体の質感が似てると感じるのも当然か。
「どうしてそんなちっちゃいの?」
つい、気になった事を聞いてしまった。サキちゃんよりちっちゃいんじゃないかな
『ちっちゃい方がかわいいでしょ?ウフフフフ』
でしょ?と言われてもな・・・どう答えていいのか。
『なんで黙ってるの。ももはかわいいでしょ?ねえねえ』
も・・・もも?自分のことをももっていうのか。名前が桃子だからか?
でもさっきは私って言ってなかったっけ。いったいどうなってるんだ。
『さあ帰りましょ』
「ど、どこにだよ!」
『  さんの家。ももも今日からお世話してあげるの♪』
や、やっぱり、新しいメイドロボだったのか・・・
でも、なんでコンビニで働いてたんだ。みんなは普通に家に来てたのに・・・
『さっき言いましたよね、人間の社会を知りたいって。ももが自主的にそうしたんですぅ♪』
もちろん、履歴書にロボとは書けないから少し偽装しましたけど・・・と、怖いことをさらっと言った。
 
かくして、もう一人我が家に家族が増える事になった。
『初めましてぇ〜〜、みんなの中で一番かわいいモモコっていいますぅ♪』
さっきのバイト中とすっかり性格変わってるぞ・・・モモコ。
どう呼ぼうか迷ったが、家にいる時はモモコでいいっていうからそうするよ。
でも、コンビニにいる時はちゃんと嗣永さんと呼びなさいって・・・はぁ
なんだか複雑だな。家ではお世話してもらって、外では先輩って・・・
 
それにしても、ずいぶん積極的なんだなモモコは。
自分から人間の社会を知りたくて働いてるなんて・・・
もうしばらくしたら家にくるつもりだったが、偶然俺がコンビニにバイトに入ったから運命だなんてはしゃいでたな。
『  さん、ももを一番かわいがってねぇ♪』
「はいはい・・・」
『でも仕事場では嗣永さんと呼ぶのよ。わかったわね』
ま、また急に切り替わった。まさかモモコにもサキちゃんやミヤビみたいなモードがあるんじゃないだろうな?
 
ついに家以外でも世話してくれる様になったのか。
大変だろうが・・・頑張らなくちゃ 


ル*’ー’リ ウフフフフ ロボ*’ー’リ<ウフフフフ ( ヽ;俺)<うう・・・ ロボ*^∇^)||<おやすみなさい  さん 州´・ v ・)<ケッケッケ ロボ*’ー’リ<朝だぞ起きろー!! ad*゚ o゚)<・・・・・・ ロボ編のなっきぃはわりとまともというか普通っぽい   AAが一番アレだなw ad*゚ o゚)<アレってなんだ