「・・・・・・・・・」 たった今掃除したばかりのお屋敷の床が、少し目を離した隙に足跡だらけになっていました。 こ、この泥の足跡は・・・またあのお嬢様方ですか! 「桃子ちゃん走り方面白〜い」「鬼さんこちら〜〜〜♪」 「千聖〜〜!舞波〜〜!待ちなさ〜〜い!」 三人とも裸足で走り回って・・・いつもお屋敷では靴を履きなさいと申し上げているのに。 注意をしようとしたらお屋敷から出てしまいました。はぁ、またやり直しだ。 「にゃ〜〜、にゃ〜〜」「だめぇ〜これ私の〜!」 ・・・こちらの床ははちみつだらけですか。泥の次に・・・はぁああ・・・ 千奈美お嬢様と友理奈お嬢様がはちみつを取り合っています。 友理奈お嬢様、はちみつをこぼさないで下さいともう何回も注意をしているというのに! こんな事が毎日続くとさすがに参ってしまいそうです。 お嬢様方は皆奔放すぎて、僕たち執事だけでは太刀打ちできません。 「無理しないで、執事さん」 するとあるお嬢様が雑巾で床をお拭きになり・・・ 「ま、茉麻お嬢様、それは僕がやります。貴女は・・・」 「これくらいやらせて。いつもお世話してもらってるからね」 貴女はなんというお優しい方なのでしょうか。 この時かぎりではなく、茉麻お嬢様には助けていただいてばかりです。 1 茉麻お嬢様、ありがとうございます 2 いきなり茉麻お嬢様が手を怪我してしまいました、早く医務室に! 3 ごめんなさい、僕が腑甲斐ないばかりに 久々に参加w 3で 茉麻お嬢様はいつもお世話をしてくださいます。それは嬉しいのですが・・・ なんだか歯痒いのです。自分の力のなさを思い知る様で、悔しくて・・・ 「あんまり嬉しくないみたいね、執事さん」 「ちっ違います!茉麻お嬢様に対してその様な!」 「ほんと?なんか執事さん、私が手伝うといつもあまり嬉しくなさそうだけど」 さすが茉麻お嬢様、鋭いです・・・正直に申すとそうなのかもしれません。 とんでもないと思いますが、茉麻お嬢様のお気遣いが辛いといいますか・・・ 「私は好きでやってるんだから気にしないで」 「は、はい・・・」 茉麻お嬢様は僕の返事を聞いて、なんだか呆れた様な顔で笑いました。 「なんかすっきりしない顔ね。執事さんらしくないわよ」 「・・・・・・・・・」 僕らしさ、か・・・僕らしさとはいったい何だろう 考えた事は何度かあったけどその度に分からなくなっていく疑問だな。 1 僕らしさって何でしょうか 2 素直に茉麻お嬢様にお礼を言いましょう 3 とりあえず掃除を続けなくては 3しながら1でしょうか とりあえず掃除を続けましょう。お勤めを中断するわけにはいかないので・・・ 不満をもらしてもこの足跡やはちみつが消えるわけではない、きちんと片さなくてはいけないんだ 「執事さん・・・疲れてるんじゃない?」 「大丈夫です。まだやるべき事は沢山ありますから、これで参るわけにはいきません」 ・・・本当は自分に言い聞かせているのかもしれない、大丈夫だって 僕らしさとはいったい何だろう。考えまいと思ったけれど、疑問というものは厄介だ。 「茉麻お嬢様・・・僕らしさとはいったい何でしょうか?」 「そうねぇ、いつも微笑んでて優しいって感じかな」 ありがとうございます、茉麻お嬢様。貴女はお優しいですね 「あと・・・・・・本当はエッチだって事」 思わずその場に転びそうになってしまいました。あ、貴女からそんな事を言われるとは・・・ 「色々やってるみたいね。別に聞きたいんじゃないけど、皆がそう言ってるわよ」 1 違います、そんなつもりでは! 2 茉麻お嬢様が体を寄せて「私には来ないのに」と・・・ 3 例えばどんな意見ですか・・・? いよいよか? 1 「違います!そんなつもりでは!」 思わずそう言ってしまったけど、それは嘘だった。もはや僕に自制心なんて無い。 茉麻お嬢様はこんな僕をきっと軽蔑なさるだろう。誰にでも構わず腰を振る様な男は・・・ 「執事さん・・・・・・」 茉麻お嬢様は僕を抱き締めて、頭を撫でてきました。 まるで子供をあやす母親の様な仕草だ。でも、なんだか安心する 「・・・さっきより顔が穏やかになったわね。落ち着いた?執事さん」 「は、はい・・・////」 少し恥ずかしいというか照れ臭かったけれど、茉麻お嬢様に抱かれてとても心地良かったです 「嬉しいな。人に喜んでもらうのって、こんなに嬉しいのね」 茉麻お嬢様がにこっと微笑みました。か、可愛い・・・//// 「でも執事さんは世話する方が好きなんでしょ?」 「え・・・い、いえ・・・」 「そうでしょ?お嬢様にお世話されるよりは、お嬢様をお世話した方が嬉しそうじゃない」 1 茉麻お嬢様・・・妬いていらっしゃるのですか、と冗談を言ってみる 2 いいんでしょうか。たまには甘えても・・・ 3 はい、その方が好きです。しかし 2で 2か 冗談をおっしゃっている様な様子でしたが、茉麻お嬢様は少し寂しげでした。 「あの、お嬢様・・・」 「なあに?坊や、とか言って」 いいのだろうか。執事でありながら、お嬢様にこの様な申し出をするのは。 「たまには甘えても・・・いいんでしょうか」 「うん。いいよ、私の前では甘えて」 気持ちに勝つ事はできなかった 茉麻お嬢様に甘えたい、体を預けたいという気持ちには・・・ あったかい、茉麻お嬢様の胸。とても安心します。 「もう、胸に顔埋めてなに笑ってるの」 「ご、ごめんなさい、なんだか嬉しくって」 「私の前では我慢しないで。強がらなくていいよ、執事さん」 失礼ですがとても年下の方とは思えませんでした。 この、包んでくれる様な優しさ、やすらぎ・・・とても安心いたします。 僕は格好つけたかったのかもしれない。お嬢様の前では弱さを見せたくないと・・・ だから、茉麻お嬢様の優しさに素直になれなかったのかもしれない。 「執事さん独占♪」 茉麻お嬢様・・・綺麗だ・・・ 1 母さん・・・と口から自然に出てしまう 2 も、もういいです、やはり甘えるわけには 3 気配がする・・・!まさか! 同じキャラにはならないようにしないといけないかな 2 「執事さん」 思わず甘えそうになり我に帰った。いけない、執事が・・・こんな事を 「ごめんなさい。やはり甘えるわけにはいきません。執事がお嬢様に甘えるなど・・・」 「・・・そう。仕方ないわね、決まりだから」 「でも・・・茉麻お嬢様の気持ち、とても嬉しいです」 「じゃあもっと甘えてよ」 うふふ、と笑う茉麻お嬢様。本当は甘えたい、でも・・・ だめだ。やっぱり甘えきれない。どうしても踏みとどまってしまうんだ。 「執事さんは甘えるのって苦手なのね」 「は・・・はい・・・」 「私もなんだけどね。甘えるのはちょっと・・・だけど」 ま、茉麻お嬢様、何を・・・?!うわあぁああ 僕のか・・・肩に頭を乗せて・・・ 「・・・甘えたい時もあるんだから。ねえ執事さん・・・私、あなたと・・・したい////」 「なな何を?!だめです、いけませんよ!」 「今日はしないわよ。だけど・・・近いうちに、ね♪」 ちゅ、と僕にその厚い唇で口付けをなさり、立ち上がる茉麻お嬢様。 「早く掃除しないと執事長さんに怒られちゃうよ」 ・・・ほ、頬が・・・熱い・・・//// 茉麻お嬢様がどこかへ行ってしまう、ま、待って・・・でも頬が・・・ ついに茉麻お嬢様から¨お誘い¨が・・・ いったいいつだ?いつ、ま、茉麻お嬢様と・・・・・・! 頬から発生した熱は、まもなく全身を駆け巡っていきそうだ