俺が学校から帰ってくると、またしてもユリナとサキちゃんがいなくなっていた。
またいないから買い物かと思ったら、親父に呼び出されたとかで出ていると書き置きをみつけた。
定期的にメンテナンスが必要だと言っていたし、二人に蓄積されたデータを基に新型機の稼働実験もするようだ。
なので、今日は遅くなるからミヤビと二人で仲良くしろと書いてある。
あのツンとしたミヤビが仲良くしたいと言ってくるなら仲良くしてもいいが、そうじゃないならこっちからは願い下げだ。
あいつ、来てからだいぶ経つのにちっとも仲良くなろうって気がないみたいだ。
気が重い中、部屋にカバンを置こうとドアを開けると、ベッドの上で寝転がりマンガを読むミヤビを発見した。

『あっ、おかえり。暇だったからマンガ読んでたんだ。どうしたの?座れば』
「うん」
『そうそう、今日二人だけだからって変なことしないでよね。あんたスケベそうだし気をつけなきゃ』
「はいはい。言われなくてもそんなことしませんよぉ〜だ」

うわっ〜何だ、こいつ感じ悪いな。
どうせなら欠陥っぽいミヤビをメンテナンスしてほしいくらいだ。
人のことをスケベ呼ばわりしておいて、自分はパンツみえそうな体勢でいるくせにさ。

1 気になるな、とチラチラパンツを覗く
2 気を落ち着けよう。そうだ、ギターでも弾こうか
3 何で俺がロボット相手に気を遣わなきゃならないんだ。ベッドからどけという 



ミヤビ編キテタカ
何となく2で 


1www 



誘っているとしか思えないミヤビの体勢だが、そこで釣られて見てしまうようではこの先が大変だ。
何を言われるかわかったもんじゃないからな。
仕方ないから、ここは気を落ち着けるためにもギターを弾くことにしよう。
俺は立てかけてあったギターを取り、軽く音を鳴らしてみる。
うん、相変わらずいい音を奏でるな。

俺がギターを始めたのにはこれといった理由なんかなかった。
始めた理由を強いて言うなら、親父に負けない何かが欲しかったからだろうか。
親父はロボットを作る技術だけは世界でも有数の腕を持つ人間と言われている。
それに引き替え、俺ときたらどんなに勉強したところで理系がちっとも出来ない。
それなら俺に何が出来るかなと思い、たまたま目にしたギターを弾いてみよう、ただそれだけだ。
でも、今ではそんなことを忘れて夢中にしてくれるものになった。

『へぇ〜あんたギター弾けるんだ。カッコいいじゃん』
「うぉ・・・なんだよ、びっくりするな」
『そんな特技あったとは知らなかったな。ねぇねぇどんな曲弾けるの?』
「色々弾けるぜ。言ってくれれば、即興で応えられるだけの技術はまぁあるつもり」

嫌味とかでなく、自信があった俺は自然とそんなことを言っていた。
それに対し、無理な要求して困らせてやろうかと思ったのかミヤビはほくそ笑んだ。

『じゃあねぇ〜これ弾いて』とミヤビがリクエストしてきたのは

1 胸騒ぎがどうとかって歌
2 付き合ってるのに片思い中の歌
3 抱きしめてって歌詞のはじめから激しい歌 



どれも見たいが3かな
後のミヤビの行動に関係が 


3で…
話が進につれ、徐々にDモードになっていく雅ロボ 



『Berryz工房が唄ってるこの曲ね。抱きしめて抱きしめて♪』
「わかった。ちょっと待って。一度聴いて耳でコピーしてみるから」

歌詞がいくじのない男にもっと男らしくなってと女の子が言っている。
サビの最後には一人にしないでとも言っていたりと、どうも自分が言われるみたいな気分になってくる。

「よし、じゃあ弾くからな。そうだ、どうせならミヤビは唄ってくれよ。いいだろ?」
『や、やだよ。何で私が唄わなきゃならないわけ?』
「いいだろう。リクエストしたってことは曲知ってるんだろうし」
『ま、まぁどうしてもって言うなら唄ってあげてもいいですけど』

文句をぶつくさと言いながらも、ミヤビは俺がギターを弾きはじめると唄い出した。
ミヤビが唄い出してすぐに俺はその歌声の綺麗さに驚いてしまった。

『どうしたっていうの?こっちが唄ってるんだから、あんたはちゃんとギター弾きなさいよ』
「あ、あぁ。ごめん」
『抱きしめて抱きしめて〜♪』

ロボットでも、最近は初音ミクってボーカロイドが開発されて歌を歌ってくれるが、これはそんなレベルじゃないぞ。
歌詞の意味を理解した上で情感をのせて唄っている。
ミヤビ、こんなにも歌うまかったのかよ。
うちには歌が好きなロボットことユリナがいるが、ユリナが楽しそうに唄うのは好きだが、あれはまぁ何というか言葉にできない・・・

「ミヤビ、すげぇ歌うまいんだな。俺びっくりしちゃったよ」
『そう?ありがとう。まぁ唄うのは好きだしね。褒められると嬉しいかな』
「それにしてもどうしてあの曲を選んだんだ?」
『あぁ〜それは・・・』

1 タイトル聞いてわかんないの?とツンとされる
2 この前の続きしてと抱きつかれる
3 えぇともうどうだっていいでしょ、と言って部屋を出ていく 



1→2かな。 


2で 


1→2でいぃな 



モジモジしてなかなか答えようとはしてくれないミヤビは、上目遣いに俺に視線をよこしてくる。
ちょっぴり熱っぽい視線に、俺はドキッとしてしまう。

「な、何だよ」
『タイトル聞いてわかんないの?鈍感』
「ど、鈍感とは何だ。って、あっ、抱きしめて抱きしめて・・・」

俺はタイトルを口にしてみたところ、あまりにもストレートで驚いてしまった。
これがそのままミヤビの気持ちだって言うのか?
だとしたら、ミヤビは抱きしめてほしいのか、と俺が思いを巡らせているうちに突然抱きつかれた。

「み、ミヤビ!?」
『この前の続きしてよ。この前は途中だったじゃん』
「で、でも・・・」
『ねぇいいでしょ』

こんな展開あっていいのか?
だってついさっきまでミヤビはツンとしていたじゃないか。
それが急にこんな状態になるわけないよな。

1 ダメだ、感情が昂りすぎてキスをしたくなってきた
2 ここは首の後ろのメーターをちゃんと確認してからだ
3 ミヤビは面白いものをみつけたみたいに、『だらしない顔』と言って笑ってきた 



1 


念の為に2→1で 


2→1 



ミヤビの今までの行動を考えれば、ここは慎重にいこう。
首の後ろ、うなじあたりにあるメーターを確認しておかないとな。
俺は抱きついてきたミヤビをもっと自分の方に抱きよせ、うなじあたりを確認してみた。
おっ、俺がみた中で一番Dになってる。
といっても、まだT寄りではあるけれども。
それでも今までで一番Dモードなミヤビであることには変わりない。
ここはキスいくしかないよな。

「ミヤビ、続きしようか」
『うん』
「馬鹿、そんな笑顔するなよ。惚れちゃうだろうが」
『そうなってもらいたい。だって、私だけモヤッとした気持ちなのは納得いかないもん』

もう理性で抑えられるはずなんてなかった。
俺もミヤビもお互いにはじめはソフトにキスをしはじめ、次第に激しいキスに変わっていった。
ミヤビ、俺・・・お前のことが好きになってしまいそうだ。

1 ユリナのことが頭に浮かんできてキスが出来なくなってくる
2 今はもうミヤビだけしかみえない、それでいいじゃないか
3 エッチしたいと言い出すと、その前にこっち来てとキッチンへ連れていかれる 



2→3 


イィ展開…


2→3 


同じく2→3で 



キスをしているともうミヤビしかみえなくなっていた。
今はミヤビしかみえない、それでいいんだ。
ここまでくると、ロボットが相手だなんてことはもうどうでもいい。
ミヤビっていう一人の女の子として好きなんだから。

「雅、俺、俺・・・」
『なぁに?ふふっ』
「あのさ、好きだ。だ、だから、あのぉ・・・エッチがしたい」
『え、エッチぃ?ちょ、ちょっと無理だって。で、でもぉ・・・そこまで言うなら。あっ、ちょっと待って』

ミヤビは俺を引きはがし、手を取って一階のキッチンまで連れてきた。
まさかここでエッチしようなんて言うのではないだろうな。
いやいや、それはないだろう。
AVでしか見たことがないぞ、そんな展開。

『私ね、実は料理には結構自信あるんだよ。たぶん二人よりもうまいかもね』
「手料理か。ありがとう。そうか、もう夕飯食べる時間か」
『待ってて。ちゃんと美味しいの作ってあげるからさ』

確かにミヤビが自信をもって言う通り、料理は最高に美味しかった。
こんな美味しい料理を作れて、歌もうまいとはミヤビは面白い女の子だ。
二人でみつめあいながら、テーブルにおかれた料理を口にする。
まるで恋人同士が甘い時間を過ごすように、俺とミヤビは二人の時間を過ごした。

『  さん、最近は私の料理食べてもおいしいって言ってくれないんですね。さびしいな』
「え、そうかな?そんなことないと思うよ」
『ううん、絶対そう。味の好み変わりました?』

ユリナが訝しむのもわからなくはない。
俺にはあの味がもう忘れられなくなっているから。

ユリナは三人の中で一番直球で感情を伝えてくる女の子だ。
サキちゃんは不器用ながらも頑張っているけなげな姿が可愛い女の子だ。
ミヤビはそんな二人にはもっていない魅力を秘めた女の子であることには変わりない。
二人でいる時にしか見せてくれないDモード。
そのDモードの真価が見られる日が近付いているそんな予感がする。

と、またこんなメールを親父に送ってみた。
そして、返ってきた返事は

”そいつはよかった。ミヤビがようやくDモードになってきたか。頑張れよ、  。完全なDモードが終わった後が楽しみなんだ”

今回も意味深なメールだけして、親父は大事なところはぼかしたままだ。
だけど、それも悪くない。

『  君、お茶淹れてあげたから』
「あぁ、ありがとう」
『あのね、またギター弾いてくれるかな。今度は別の歌で。二人が両想いの記念の歌ね』