「執事さんこっち来て〜!一緒に写真とろうよ」
「ひつじさんこっち来て!マイとあそぼ」
か、体がいくつあってももちそうにありません・・・
 
今日はお庭で盛大にお花見をしています。
この広大な敷地の中に桜が咲き誇る景色は、まさしく桜満開と言うに相応しいです。
 
・・・ですが僕達執事やメイドさんは桜をじっくり堪能できる余裕はありません。
次々に料理を運んでも瞬く間にお嬢様達の胃袋におさまってしまい、コックさん達も息つく暇もない有様です。
「きゃ〜〜〜?!なんでこんなところに落とし穴が!」
「あはははは引っ掛かった。桃子かっこわる〜〜」
こ、今度は雅お嬢様ですか。また落とし穴を・・・大丈夫でしょうか桃子お嬢様。
 
まさに嵐です。お嬢様がたえず走り回り、声が飛び交い、活気にあふれています。
「ほら早貴ちゃんおいしいでしょ?ほらほら」
「も、もう入らないよ友理奈ちゃ・・・ケホ」
ゆ、友理奈お嬢様に口いっぱいに詰め込まれてますね早貴お嬢様。お気の毒に・・・
 
「・・・・・・?」
おや・・・?
そう言えば・・・先程から梨沙子お嬢様のお姿が見えない様な。
果たしてどちらにいらっしゃるのでしょうか
 
 
1 お屋敷の中を探してみる
2 今は手が離せないので後程・・・
3 州*´・ v ・)<執事さんこっち来て



んー・・・3


無難に1



ここにいらっしゃらないとすれば、もしかしたらお屋敷の中に・・・
同僚やメイドさんには悪いけど少し席を外します。
 
 
「梨沙子お嬢様〜〜〜!」
人がいないお屋敷の中に僕の声が響きました。今更だけど改めてお屋敷の広さを認識してしまった・・・
梨沙子お嬢様からお返事はありませんでした。聞こえなかったのでしょうか?
「梨沙子お嬢様〜〜〜!」
もう一度声をあげましたが、やはりお返事はありません。もう少し探してみましょう。
 
「・・・こちらにもいらっしゃらないのか」
梨沙子お嬢様のお部屋をノックし、返事が無かったので失礼してドアを開けましたがお姿はありませんでした。
もしかして僕の見間違いだろうか。やはり先程梨沙子お嬢様はお庭に・・・
 
¨カタン・・・¨
 
微かに物音が・・・いや、気のせいだろうか?
 
¨・・・カタン・・・¨
 
聞こえた。二回も聞こえたのなら空耳ではないはずです。
僕の耳が確かなら、音がした方角は・・・
 
 
1 天井の方からです
2 厨房の方からでしょうか
3 確か裏庭の方から・・・



2かな


3で



ここから近いです。確か・・・あの部屋から聞こえました。
「うわっ!」
ドアを開けたら熱い風が噴き出してきて・・・
 
「アイヤー、執事サン、ただいまチューボーは戦争ネ!」
「下手に飛び込こんだら大ケガするヨ!」
なんという熱気でしょうか。コックさん達が鬼気迫る形相でフライパンをふるっています。
「急げ〜〜!もう大皿パスタが無くなるはずなのだ!」
「みんなペースあげて!全部の力出さないと間に合わない!」
普段は穏やかな料理長の高橋さんまで声を荒げています。
 
り、梨沙子お嬢様はこちらにいらっしゃらないのでしょうか?
「あの・・・梨沙子お嬢様をお見かけしませんでしたか?」
「ああ、梨沙子お嬢様ネ。さっきお屋敷に来てたヨ。なんか裏庭の方に行くみたいだったケド」
 
ありがとうございます、笑顔の素敵なリンリンさん。
梨沙子お嬢様は裏庭に・・・待っていてください、ただいま参ります
 
 
お花畑の広がる裏庭の方へと急ぎます。きっと梨沙子お嬢様はそちらに・・・
 
「梨沙子お嬢様!」
 
僕に気付いたらしくこちらを振り向いて・・・
「遅い」
「ご、ごめんなさい。まさかこちらにいらっしゃるとは」
梨沙子お嬢様は桜の木の下に腰をかけていました。
「来ないで」
近寄ろうとしましたが、梨沙子お嬢様に止められてしまい・・・
「な、なぜですか。梨沙子お嬢様・・・」
「ふふ、うそ。いいよ来ても」
 
良かった。今日はご機嫌がよろしいのですね・・・安心しました
梨沙子お嬢様は桜と同じ色のワンピースをお召しになられています。
僕は梨沙子お嬢様の隣に腰を下ろしました。
梨沙子お嬢様は僕を見て微笑んでいます
 
 
1 綺麗な桜ですね
2 梨沙子お嬢様が僕の肩に頭を乗せて・・・
3 なぜこちらにいらっしゃるのですか?



1→3→2


3かな



「綺麗な桜ですね」
「でしょ。お庭のも綺麗だけど、私はこっちの方が好きなんだ」
 
梨沙子お嬢様のおっしゃる通り、こちらの桜は色鮮やかで花びらも大きめで・・・
「あの・・・なぜこちらにいらっしゃるのですか?」
「・・・・・・・・・分かんないの?」
「は、はい・・・」
梨沙子お嬢様はふぅ〜〜〜と長いため息をついて・・・・・・
「今日は特別な日だから執事さんと二人になりたかったんだ」
特別な日・・・ですか
 
梨沙子お嬢様はこつん、と僕の肩に頭を乗せて・・・
「うん。一年に一回しかない特別な日だもん」
・・・梨沙子お嬢様にとって今日は特別な日・・・
「本当にわかんないの執事さん?今日は何の日か」
 
・・・わからないはずはありません。僕なら必ず思い出せるはずです。
今日はとても大事な日でした。それを忘れるはずが・・・
 
 
1 梨沙子お嬢様の女の子の日です・・・よね
2 入学式でしたっけ?
3 貴女の15回目のお誕生日ですよ、と微笑む



2でw


3にしてあげて



忘れるはずがありません。お嬢様のお誕生日を・・・
「貴女の15回目のお誕生日ですよ、梨沙子お嬢様」
「えっ!お、覚えててくれ・・・いや、それくらい当たり前だよね、執事だったら」
うふふふ・・・こんな時でも素直じゃないんですから。
 
あらあらもうお顔が赤いですよ。梨沙子お嬢様・・・
「な、何笑ってるのよ!このヘンタイ執事!」
「梨沙子お嬢様、お誕生日おめでとうございます」
「もう!ばかっ!////」
 
<Risako's Side>
 
言えない・・・
本当は言いたい事があるんだけど、言えなかった。
 
・・・みんなのいる場所じゃなくてわざわざ裏庭に来たのは、執事さんに二人だけでお祝いしてほしかったから。
私・・・いま、すごく嬉しい。
 
本当は執事さんにあとで二人になってお祝いしてって言えればいいのに・・・
うまく言えないで、逃げるみたいに1人で裏庭に来ちゃった。
 
執事さん・・・
私がいなくなったのに気付いて、探しに来てくれた。
 
それだけで嬉しい。泣きそうなのを堪えてるけど、泣いちゃいそう。
 
 
1 言いたいけど言えない・・・しばらく二人でいたい
2 思い切って素直に来てくれて嬉しいって言う
3 執事さんが私の頭を寄せて唇を・・・



2カナ


2→3
エロ執事始動w



言えない・・・喉まで出かかってるのにぃ・・・
「どうかしましたか梨沙子お嬢様」
「ぁ・・・あの・・・」
言えないよぉ。言いたいのに、言えれば楽なのに。ありがとって言えれば・・・
 
「さ、探しに来てくれてありがと。嬉しかったよ」
「・・・り、梨沙子お嬢様・・・////」
言えたぁ・・・やっと素直になれた気がする。
あ・・・やば・・・涙、出ちゃう。だめっ待って、泣きたくない、やだぁあああ〜
私の願いもむなしく目の前の執事さんがぐにゃぐにゃ歪んできて・・・
「梨沙子お嬢様・・・」
「違うもん!う、うれしくなんかないからっ!見つけるの遅い!ばか、ばか!」
ごめん、せっかく来てくれたのにこんな事言って・・・
「我慢なさらないでください。僕は貴女のそばにいます。ですから、お好きなだけ泣いてください・・・」
 
やだぁああ、ますます泣いちゃうでしょ。執事さんてばぁ・・・う・・・あっ
 
 
それから私はしばらく涙が止まらなかったけど、執事さんは隣で髪を撫でてくれてて・・・
 
「お誕生日おめでとうございます、梨沙子お嬢様」
「・・・ありがと・・・執事さん・・・」
 
 
私・・・執事さんを・・・
 
・・・誰にも渡したくないよ