桃の節句・・・雛祭りより数日後、本日は桃子お嬢様のお誕生日です。 ・・・雛祭りでは雛人形を飾り盛大にお祝いしたのですが、お嬢様方が僕をはじめ執事達にひなあられを撒き散らし、それはもう大変でした。 ほぼ節分の時と同じ様な流れでしたので早くも悪夢がよみがえってしまいまして・・・ ようやく痣がひいてきましたがまだ体が痛みます。本当にお嬢様方は何をなさるにしても全力ですよね。 楽しむ時も、お食事の時も、入浴の時も、そしておやすみになられる直前までも。 残念ながら勉強に関して熱心なお嬢様はあまりいらっしゃらない様ですが・・・ それでも物事に対して真剣に取り組むというのは喜ばしい事だと思います。 もしかしたら僕はお嬢様方から元気を頂いているから毎日が充実しているのかもしれません。 「・・・いけない、つい考え事をしてしまった」 ふと我に帰った。ここは・・・学校の校門の前です。 あるお嬢様よりお迎えの連絡を受けてこちらに参ったのですが・・・ 「こ、この格好・・・やっぱり少し気恥ずかしいな」 ・・・い、いつものスーツではなく、ブレザータイプの学生服です。 下校する生徒達とすれ違うたびにもどかしくなります・・・変な目で見られてはいないだろうかと 1 あ、あのお嬢様は・・・! 2 恥ずかしいので少し校舎から離れましょう 3 なんだか急にもよおしてきました。御手洗はどこだろう せっかくお呼び頂いたあのお嬢様には失礼ですか、ちょっと校舎から離れましょう。 現役の学生達と少し歳が離れていますから、ちょっといづらいといいますか・・・ かろうじて校門が確認できる場所まで来ました。ここならさっきよりは下校してくる生徒が少ないはずです。 「あっいた!お〜〜〜い!」 こ、このお声はあのお嬢様ですね。ふう・・・ようやくお会いする事が出来ましたよ。 「なんでこんなところにいるの?校門で待ってるって思ったのに・・・」 「ごめんなさい。この格好では少々気恥ずかしいといいますか、その・・・」 僕の制服姿を拝見なさり、うふふふと笑顔になるそのお嬢様。 「似合ってるよ執事さん!まだまだいけてるんじゃない?」 「おやめください・・・桃子お嬢様////」 恥ずかしいと言ってもこの姿でお迎えにあがる約束です。きちんと守らなくてはなりません。 「ねえねえ、もぉの制服似合う?自分で言うのもなんだけど可愛いと思うな〜♪」 た・・・確かに・・・桃子お嬢様の制服姿、とても良くお似合いですよ。 普段のお姿とは違うのでなんだか新鮮です。 1 はい、とても良くお似合いです! 2 お褒めしたいのだがうまくしゃべれない・・・//// 3 桃子お嬢様がご自分の腕を僕の腕に絡めて・・・ はい、とても良くお似合いですよ・・・ この言葉がなぜか口から出す事ができませんでした。難しい言葉ではないのになぜだろう? 「どう執事さん。もぉの制服姿カワイイでしょ?」 「あ・・・あの・・・その・・・えっと」 「も〜〜。執事さんてば照れ屋さんだね。これが愛理だったらはっきり言うんでしょ?」 「ちっ違います!その様なつもりなどありません!!」 痛いところを突かれてしまい思わずあわててしまいました。 まさかここで桃子お嬢様の口から愛理お嬢様のお名前が出るだなんて 「まったく執事さんは愛理ばっかり見てるんだから」 「・・・・・・・・・」 「でも今日はそうはさせないもん。もぉが独占しちゃうからね」 桃子お嬢様はそうおっしゃるとご自分の腕を僕の腕に絡めて・・・! 「さ、デートしよう執事さん。もぉはそのつもりで呼んだんだからね♪」 1 ゆっくり街を歩きましょうか 2 桃子お嬢様の行きたい場所をお聞きしよう 3 ル*’ー’リ<ねえ、名前で呼んでもいい? お嬢様の制服姿というのは新鮮ですね。お屋敷でのお姿を見慣れているからでしょうか。 「はい、まいりましょう桃子お嬢様」 「わぁ〜〜〜〜♪」 校舎を離れてゆっくりと街を歩きます。 ・・・決してお屋敷から出ないわけではありません。時には街に出なければならない時もあるのです。 ですが、こうして制服を着て歩くというのは初めてですね。 道行く人には僕と桃子お嬢様はどういう風に見えるのでしょうか・・・? 「わぁ〜〜あれカワイイ♪でも、もぉの方がカワイイに決まってるけどね!」 お店の大きな窓ガラスに写っているのは制服姿の男女・・・ 「・・・ねえ、名前で呼んでもいい?」 「は、はい?!あ、あの、はい、どうぞ」 「 クン。ウフフフフ、いい名前だよね」 なぜ桃子お嬢様は僕を名前でお呼びになったのでしょう? ガラスに写る僕と桃子お嬢様を見ていて少し意識がお留守になってしまいました。 「じゃあ クンも名前で呼んで。いいでしょ?」 「あっあの、それはちょっと・・・」 「う〜〜なんかぎこちないなぁ。この際だから敬語も無し!いいよね?」 も、もう、桃子お嬢様ってば強引なんですから・・・ 1 名前だけでご勘弁を・・・敬語はお許し下さい 2 わかりました。桃・・・子・・・ 3 もう、桃子はちょっとわがままだぞ 「も、もう。桃子・・・は、ちょっとわがままで・・・だぞ!」 口にしてから顔が熱くなってしまいました。いくらお嬢様のお願いとはいえこれは・・・//// 「よしよし、よく言えたね クン♪」 名前でお呼びされる事は初めてではありません。ですが、これも新鮮といいますか・・・まだ耳慣れないものですね。 「ウフフフフ、こうしてるとカップルみたいだねもぉ達」 「・・・そ、そうで・・・だね、桃子・・・////」 「 クンの制服、似合ってるね。執事の格好とぜんぜん違って・・・♪」 満面の笑顔で僕を見上げる桃子お嬢様。 最初はちょっと違和感がありましたけど・・・こうしていると気持ちが学生の頃に戻っていく様でした。 「どこか行きたいところはない?」 「連れてってくれるの?やったぁ!じゃあねぇ・・・ 1 ゲーセンいこ!いっぱい遊びたいな」 2 カラオケがいいなぁ」 3 お屋敷の森がいい!」 ゲーセンいこ!いっぱい遊びたいなぁ〜」 ゲーセン、ですか。あまり行ったことが無いもので・・・これもなんだか新鮮です。 「いいよ。じゃあ行こうか」 「うん!よ〜〜しいっぱい遊ぶぞぉ〜〜!」 駅前に立ち並ぶビルの一角にある小さなゲームセンター。学生の頃に何度かいったことがあったよな・・・ 「いっくよ〜!もぉね、力はすごいんだから!」 最初はパンチングマシーンです。懐かしいな、みんなで競って最下位になったら全員のカバンを持たされたっけ。 「モモアタックぅ!!」 ・・・サンドバッグを殴るフォームや音は良かったのですが、明らかに弱々しいパンチに見えました。果たして大丈夫でしょうか? 『出直してきな、坊や』 得点は思わしくなく、マシーンのスピーカーから屈辱的な音声が流れてきました。 「うわぁああ〜〜うそぉ?!そんなはずない、こないだは凄かったんだから!」 「は・・・はあ・・・」 「もう一回やらせて執事さん!いいでしょ?!」 興奮なさっていますね桃子お嬢様、いつもの呼び方に戻っていますよ。 ・・・桃子お嬢様はこんな負けず嫌いな御方だったのか。初めて知りました 1 落ち着いて桃子、そうだプリクラとろうか 2 今度は僕にやらせてくれないか 3 うん。桃子ならもっといいパンチが出せるよ 桃子お嬢様のお気持ちは分かりますが、ここは一旦落ち着いていただかなくては。 「今度は僕にやらせてくれないか、桃子」 「え・・・あ、あの、うん、そうだね。今度は執事さんの番だよね」 少し落ち着いていただけた様です。よし、今度は僕がいきますよ。きっといい得点が出せるはずです・・・! 『お〜よちよち、触っちゃだめでちゅよ。ケガしなかったでちゅか?』 僕の得点は・・・赤ちゃんレベルでした。 桃子お嬢様の得点は子供レベル・・・僕よりひとつ上のランクです。 そんなはずは・・・殴る場所を間違えてしまったのか?く、口惜しい・・・! 「あ、あの、 クン・・・」 おやめください、そんな目で僕を見ないでください!気まずいですよ 「ぷ、プリクラとろうか。そうしようよ」 「赤ちゃんレベル・・・」 「早くいくよ!」 まったくなんたる事だ。僕の力はそんなに弱いのか? さっさと忘れてしまいましょう。次はプリクラを・・・ 1 普通にとる 2 肩を組んでとりましょう 3 「こっち向いて」と桃子お嬢様が・・・ 普通にとるのも味気ないのでここはこうして・・・ 「きゃっ////」 「あ、ごめん。痛かった?」 桃子お嬢様の小さな肩に手を置いてポーズを取りました。 「ち、ちがう。 クンって積極的だなって・・・」 「そうかな。普通のつもりだったけど」 すると桃子お嬢様は唇を尖らせてしまいました。 「普段は受け身なくせにぃ。愛理ともこうなの?」 また愛理お嬢様のお名前を出されたので驚いてしまい・・・ 「うわ〜〜、 クンてば微妙な顔してるね。もぉもなんか機嫌悪そう」 「あははは・・・そうだね。ちょっと話しすぎたかな」 いまの顔で撮影されてしまいました・・・これでは良くないのでもう一度撮り直しました。 「今度は何しようか?」 1 次はエアホッケーで遊ぼう 2 UFOキャッチャーをしようか、桃子 3 そろそろお屋敷に戻りましょう。お誕生日をお祝いする準備があります 「次はエアーホッケーで遊ぼう」 「負けないよ!もぉはこれも強いんだから!」 ・・・本当でしょうか?疑っては失礼ですが、先ほどのパンチングマシーンもそれほど・・・ 僕が言える立場ではないな。色々な意味で・・・ 「いっくよ〜〜!それぇ!」 「うわぁあ?!」 しまった、油断してしまった。まさかその角度から・・・やられました! 「ウフフフフ、どう?なかなかやるでしょ」 「そうだね。いい汗かかせてもらってるよ」 こんなにはしゃいだのはどれくらいぶりだろう。気が付けば桃子お嬢様も額に汗の玉が浮かんでいます。 「もらったぁ〜〜!!」 「うわぁあああ・・・?!」 しまった。さっきとまったく同じ手を・・・完全にやられてしまいました。 「勝ったぁ!ふぅ〜〜、さっすがもぉ!やる時はやるんだから」 「まいったよ。桃子には完敗だね」 「 クンもなかなかやるじゃん。もぉの動きについてこれるなんて」 お互いに汗だくの顔を見て思わず笑ってしまいました。 まだまだ寒い季節なのに・・・こんなに熱くなってしまいましたよ。 それからもうちょっと街を歩きながら桃子お嬢様とのデートを楽しみました。 お屋敷に戻った頃はあともう少しで暗くなってしまう程の遅い時刻になってしまい・・・ 「ふぅ〜〜、さっきは汗かいたねぇ」 「そうですね、桃子お嬢様」 もうお屋敷の敷地に入ったので呼び方もいつもの様に・・・ 「綺麗。桃の花がいっぱい咲いてるね」 「・・・かわいらしい花ですね。綺麗ですし・・・」 春には桜でいっぱいになるお屋敷の庭を、今は桃の花が彩っています。 「・・・遅くなってしまいましたが、お誕生日おめでとうございます。桃子お嬢様」 「ありがとう。ウフフフフ♪」 僕を見上げて微笑む桃子お嬢様のお姿は まるで、桃の花を背景に撮られた一枚の写真の様でした。
ル*’ー’リ<執事さん・・・ (*執事)<桃子お嬢様・・・ ル*’ー’リ<執事さん♪ ノノl∂_∂'ル<・・・ ノノl∂_∂'ル<・・・何よ、にやにやしちゃって・・・ (*執事)<桃子お嬢様の制服姿可愛らしかったなぁ | v ・)<・・・ |v・)<・・・・・・ | o゚)<・・・・・・ |−‘)<・・・・・・ |v・)<・・・・・・>川´・_| | o゚)<・・・・・・>从o゚ー| |−‘)<・・・・・・>川*^∇|