「ま〜〜だかな〜〜?」 

来いと言っといたからもうすぐ来るはずなんだけど・・・ 
いやいやしかし人間珍しく何かしようとすると思わぬところに出くわしちゃうね。 

さっきの・・・あれ・・・ 

いったい先生は誰を抱き締めてたんだろー? 
運悪く私におしりを向けてる体勢だったから手くらいしか見えなかったなぁ。 

いやそれよりもあの態度、明らかにおかしいっつーの。 
普段からあんな言葉なんか使ったことないのに、図書室から出るっす!なーんて・・・ 
りぃちゃんかなと思ったけどもう私は先生との仲を知ってるからわざわざ追い出したりしないはず 

じゃあいったい抱き締めていたあの子は・・・ 
あぁ、ちぃわくわくしてきたぞ!必ず突き止めてやるんだから 

¨キィ・・・バタン・・・¨ 
お?あ、きたきた!先生! 

「徳永・・・」 
「よ。まぁ座って」 
「いいよこのままで。お前、話ってのは・・・あれだろ」 

さて、いきなり聞き出そうとしても先生は警戒してるだろうし・・・ 
どうしましょう? 

1 誰を抱いてたの?とはっきり聞いちゃえ! 
2 男の子?女の子?と聞いてみる 
3 ここは中等部の子とか適当言ってみよう、あたりっこないし 



「あのな、お前何か誤解してるみたいだがな・・・」 
「誰なの?ぎゅーってハグハグしてたコは」 
「俺の話を聞け。あのな」 
「わかった、中等部のコでしょ?背が低かったから」 

中等部のコ、背が低かった、どっちも思い付きの言葉。 
ちょっと適当すぎたかな。さすがに当たるわけないし・・・ 

「・・・ち、違う」 
「あん?なんでつまったんすか先生」 
「ちゅちゅ中等部でもないし背も低いわけじゃないぞ」 
どっちも当たり?うっそー、今日はなんか変な日。 
「ふーん、そうかそうなのかーふーん」 
「なに笑ってんだよ!違うぞ、決して変な事はしてないからな」 
「変な事ってなに?たとえばぁ・・・ちゅ、とか?」 
「おまっ、おまえ、ばか!なな何を」 

・・・まじ、っすか? 
先生まさか中等部の誰かをハグしてちゅ、なんかしてたの?! 
このあわて方間違いないよ。うっわー 

こうなったら相手も聞き出さなくちゃいけないなー 

1 さあ、ちぃの目をじっと見なさい。そして答えなさい 
2 そうだ、まだ男の子か女の子か聞いてなかった 
3 ・・・まさか・・・りぃちゃんと・・・?! 



「さあ・・・被告人、ちぃの目をじっと見るのです」 
「と、徳永、やめろ。近寄るな!うあああ・・・あああ」 
逃がさないわよ。追い詰めてやるんだからっ 
「来るな!来るなって、おい、こら!」 
じりじりと詰め寄るたびに距離を離していくけど、とうとう逃げ場がなくなった。 
後ろは金網、もう逃げられないからね! 

「さあ・・・目を見なさい。じーっと・・・」 
「く、くそう・・・たれ目のくせに、たれ目のくせに・・・やめろ・・・」 
「抱いていたのは・・・だぁれですかぁ?」 
「いやいや何も知らないから俺は」 
なんでそうやって目を逸らすのかしらこの人。絶対にやましい事をしたのよ! 
「さあ言いなさい。抱いていたのは誰だ!」 
「・・・・・・・・・」 
「言わないなら当ててあげる。りぃちゃんでしょ!」 

・・・あ、あら?なんできょとんとしてんの? 

1 とぼけたってだめよ、くらえっ妹のかたき!と金的 
2 じゃあ別のコ・・・?ますます知りたい! 
3 ん・・・なんかミシミシいって、って金網が・・・! 



「そう、りぃちゃんじゃないんだ。近親相姦は免れたのね」 
「おまえ、どこでそういう言葉を覚えてくるんだよ・・・」 
「じゃあ誰?違うコなんだ。ますます知りたいなぁ」 

すると先生は口をつぐんでしまった。なんだよぉ、もう。 
「まさかりぃちゃんの彼氏?いや違うよね。いくらかわいくても男の子は・・・」 

あれ、先生また顔が変わった。さっきと微妙に違う、いやおんなじかわり方した。 
まさかこっちが当たり・・・?うそー!先生って・・・ 
まままさか、そっちの 

うひゃーーーー 

「徳永?さっきからコロコロ顔が変わってるがどうした?」 
待って!変な意味で抱いたんじゃないかもしれないよ。 
ほら、先生って熱いとこあるから、その彼氏を誉めようとして抱き締めたのかも 
なーーんだそうだったんだ〜〜〜〜、先生はハグが好きだったんだぁ 
「おい、なんで何回もうなずいてるんだ。お前何か変なこと考えてないか?」 

1 りぃちゃんにやきもち妬かれない様にね! 
2 そのりぃちゃんの彼氏なんて言ってたの? 
3 男の子を抱いた感触はどうでしたぁ? 



「でさ、そのりぃちゃんの彼氏なんて言ってたの?」 
「・・・あ?」 
「とぼけたってだめ〜。このちぃのスッペシャルな推理でもう犯人わかっちゃいましたぁ!」 
「・・・・・・なんも言ってないぞ」 
「またまたとぼけちゃって〜。中学生の男の子はどんな香がしたのさぁ」 

先生はちょっとの間をおいてついに白状した。 
「苦しみから解放されたあとの匂いだった」 
「ソムリエの言うことはちがいますなぁ〜、え、このこの」 

よーし、決めた。明日からお口にチャック! 
面白い相手だったらうちのクラス全員にばらそうと思ってたけど 

相手がりぃちゃんの彼氏だからなぁ。りぃちゃんが傷ついちゃうよね 
「りぃちゃんにやきもち妬かれない様にね」 
「ああ。よけーなお世話だ」 

それに考えてみたら、別に男の人が男の子にちょっと触るくらいはヘンじゃないし。 

・・・でも、その男の子にちょっとやきもち・・・ 
あら?私今何か言った?そんなはずないじゃん、せ、先生に・・・そんな 

1 先生、ちょっと寄り道してかない? 
2 なんか急に恥ずかしくなってきた、か、帰る! 
3 あ、そうだ、図書室に忘れ物があったんだ! 



「もう帰るぞ!徳永」 
「先生、ちょっと寄り道してかない?」 
「・・・どこにだ」 
「・・・・・・どこか!」 

行き先なんて決めてなかった。今、思えば・・・私は 

「勘弁してくれよ、うちのクラスはどうして俺と帰りたがるんだかなぁ」 
「嬉しいくせにぃ♪こぉんなちな脚の子と一緒に帰れるんだよぉ〜」 
「あーー長い長い、きれいだ」 
「ちゃんと見てない!」 

どこかに寄るより 
こうして、先生と一緒にいる方が大切だったのかもしれない 

なんか・・・ヘンなの 
初めて見た時は頼りないなぁなんて思ったけど・・・ 

「・・・じゃ、ここでな。気を付けて帰れよ」 
「う、うん・・・」 

もう、帰らなきゃ。でも何か言わなきゃ、えっと 

1 今度はちぃも抱き締めてねぇ〜、とかいって! 
2 先生、大好き! 
3 チャック開いてるよ! 



言わなきゃ、先生がもういっちゃうよ。がんばれ! 

「先生ぇぇっ!!」 
「うわっ?!なんだよ・・・まだ何か用か?」 
「今度はちぃも抱き締めてねぇ〜〜〜〜!」 
「こ・・・声がでかい!!」 
「先生・・・だ・・・大好き!!とかいって」 

・・・うわぁ、最後・・・照れちゃってヘンな事言っちゃったぁ//// 

「・・・徳永・・・ありがとう、な」 

な、なんて言ったの?聞こえなかった。言っちゃった・・・んで、先生もいっちゃった。 

よし。まずは告白した。 
だけどこれでやっとスタート地点。 
これからいろんな事をがんばらなきゃ! 

 「よーーっし!」 


気が付けば、私は自然に走っていた。 
図書室に行きたくなったのは勉強しようと思ったからなんだけど・・・ 

嬉しい奇跡にぶち当たりました