最近、有原が以前の様に明るくなってきた。 「先生おはよう!」 「おはよう。今朝も元気だな」 「うん!あのね、今日、お父さんとちょっとだけ話せたよ」 そうだ・・・そのまぶしい笑顔こそが有原らしさだよ。 「そっか。それがずっと続くのを祈ってるよ」 「うんっ」 すると、有原が急にかしこまって・・・ 「あの・・・先生、放課後・・・時間ある?」 「まだ分かんないな、急に予定が入るかもしれないし」 「もし時間あるなら・・・図書室に来て。私、待ってる」 なんで待っているのか聞きたかったが有原は校舎に入ってしまった。何の用事だ? 1 よし、有原のために放課後は空けておこう 2 たしか職員会議があったな・・・やれやれ 3 少し遅れるかもしれないな そういう時に限って職員会議だ。やれやれ・・・ 有原の頼みだ。聞かないわけにはいかないだろう。 決めた。途中で具合が悪いふりをして抜け出そう ・・・梅田ならうまいさぼり方を知ってるだろうがまさか聞くわけにもいくまい。 さて、その問題の職員会議の時間になった。 「相変わらずまずいコーヒーねぇ・・・」 明らかにやる気のない村田先生。まずいといいつつすでに二杯目のコーヒーをすすりながらメガネを拭いている。 抜け出すなら今しかない。 「すいません、ちょっと急用ができました」 「どこ行くの?」 「あ、いや、それは」 「妊娠したの?」 「はいそうです、それじゃ」 明らかにおかしい会話だがさっさと抜け出してしまおう。 「あれ〜 先生はどこいったんだべ?」 「妊娠したんだって」 「はあ〜?」 有原待ってろ、すぐに行ってやるからな。ちょっと遅れちゃったけどすぐに・・・だから待っていてくれ 「有原!」 いた。入ってすぐのところで座っていた。 「先生、来てくれたんだね。ありがとう」 「ごめんな。少し遅れちまったけど」 その隣に座ると、有原は体ごと俺に向かい合ってきた。 「・・・ありがとね」 「な・・・なんだよいきなり・・・?」 「先生のおかげで私、もう一回お父さんと話してみようって思えたんだよ」 やや、やめろ//// そういうの・・・はずかしいんだよ//// 1 有原が頑張ったからだよ 2 照れ隠ししてみる 3 有原が俺の手を握って「・・・家に行ってもいい?」って・・・ 「有原が頑張ったからだよ!俺は厳しくしかしてない」 「ううん、先生のおかげ。だからちゃんと話そうって思えたんだから」 ・・・いや、有原自身が頑張ったからだよ。 意外と早く問題が解決して良かった。俺が面談するつもりだったから 「いや、有原自身が頑張ろうって思えたからさ。そうじゃなきゃこうはならなかっただろ」 「・・・・・・ありがとね、先生」 有原は席から立ち上がり、俺に顔を近付け・・・ ¨・・・ちゅ¨ 「あ、有原?!」 「またしちゃった////」 いかん。何か変なことを考えてしまいそうだ。 そんなに真っ直ぐに見つめないでくれ・・・頼む・・・ 1 べ、勉強の方は頑張ってるか? 2 もう一度キスしてきた。今度は深く・・・ 3 こういう時に限って誰か来たりしないだろうか 「べ、勉強の方は頑張ってるか?」 話をそらすみたいであまりいい気分じゃなかったが、違う話をふってみた。 「・・・うん。お父さんが今度の休みに教えてくれるって」 「そうか。よかったな」 「ぜんぜん知らなかったんだけどお父さんって数学が得意なんだって」 ・・・ふと思った。俺の親父、なにが得意だったっけ? 俺は親父と結構話してたけど、そういや知らないな。勉強は好きだったけど いいな有原。父親の事を知る事ができて・・・ 「先生もっとお話しよう」 「ああ、いいよ」 「先生って・・・はじめてエッチしたのいつ?」 な なんだって ?! 「し、知りたいな////」 まさか・・・そのつもりか? まずいだろう、もう・・・一人の生徒を・・・俺は 1 いやだめだ教えない 2 それを知ってどうしたいの 3 まさかお父さんとしたいのかとからかう 「いやだめだ教えない」 「なんで?聞くぐらいだったらいいでしょ」 有原とはこの間もそれらしい事があった・・・ いつ道を踏み外してしまってもおかしくはないだろう。 「お前・・・それを知ってどうしたいんだ」 「・・・聞くだけだよ。いつ、エッチしたのかって」 本当か? 本当にそうなのか? 「言いたくないんだ」 「そうじゃない。なんでそんな事をわざわざ聞くのかって聞いてるんだよ!」 それに触れられたせいかカッとなってつい声を荒げてしまった。 「・・・ご、ごめんなさい、先生・・・」 1 いい気分じゃない、帰ろう 2 聞いていいこととよくないことがあるぞ・・・ 3 黙っている 「聞いていいこととよくないことがあるぞ」 「・・・・・・・・・」 そこは触れてほしくなかったな。今の俺はそこには過敏なんだ 「・・・何かあったの?」 心臓を鷲掴みにされたみたいになった。 「な、何も・・・無いよ」 「そんなに怒るなんておかしいもん。先生は短気だけど今みたいに怒るのはおかしいから」 普段から俺のことを見てるからわかるんだろうか 「教えて。それとも、言いたくないの?」 さっきからしつこいぞ 1 悪いがお前には関係ない 2 もう帰れよ・・・頼む 3 なんかお前興奮してないか? ・・・有原、なんだか様子がおかしいぞ。 「なんかお前興奮してないか・・・?」 「・・・私、決めてたの。次に先生に会うときは・・・」 「ちょ・・・おい、何を・・・?!」 有原は立ち上がり、俺の体に抱きついてきた。うう・・・なんて力だ・・・ 「ま、待てよ・・・なぁ、そんなの・・・」 「そんなの・・・おかしいですか?私、先生に感謝してるよ。それだけじゃない、ずっと前から・・・憧れてたの」 俺の胸に顔を押しつけて、静かに語り始めた。 「初めてしゃべった時から優しくて、いつも真剣に話を聞いてくれて・・・私、ずっと寂しくて、だから嬉しかったんだよ」 「で、でも、もうお父さんと話せるから寂しくないだろ?」 「うん。嬉しい。・・・先生に感謝してるよ、だから・・・」 まま、待てよ、ちょっと待て! こ・・・ここで脱ぐな・・・やめろ・・・ 1 だめだぁ!と激しく拒否 2 そっと抱き締めてまだ早いとなだめよう 3 ここで有原に任せるのもいいかもしれない 胸元までブラウスのボタンを外して、さらに続けようとするのを止めさせた。 「・・・先生・・・」 そして、有原をそっと、壊さない様に抱き締める。 「まだ・・・早い。有原は自分で考えてそうしたいって思ったんだろうけど、焦っちゃダメだ」 「あ、ああ・・・」 押しつけられた有原の胸から心臓の鼓動が伝わってきた。 早い、俺の何倍も。すごく緊張してるな。 「・・・・・・」 「・・・先生の胸、あったかいよ」 「うん。有原に抱かれて緊張したから」 「ふふっ」 1 このまましばらく抱き締めてやりたい 2 有原の額にキスする 3 ばさっ、と何かが落ちる音が・・・! どれくらい抱き締めていただろうか。 ¨ばさっ、どささっ¨ 後ろで何かが落ちる音がして、一気に体が冷えていった。 ふ・・・振り向いていいのだろうか?有原も気付いたらしく、震えたまま顔をもっと押しつけてきた。 恐る恐る振り返ると、そこには・・・! 「お、おやおや、もしかしてわたくし、決定的瞬間に立ち合ってるぅ?」 と・・・徳永?!なぜお前が図書室に?! 「先生・・・その生徒はだあれ?私の位置からだと見えないんだけどぉ」 徳永の言うとおりで、あいつの方向からだと俺の背中と有原の手くらいしか見えない。 「確認してもいいっすか?それともダメっすか?」 1 なな何を勘違いしてるんだ、この子が具合悪いっていうからあっためてたんだ 2 ダメっす!悪いが、今すぐ図書室から出るのを希望っす! 3 事情をさしつかえない範囲で説明する いかん・・・!下手をしたら何もかもがおしまいだ! すまない徳永、お前を図書室に入れるわけにはいかない! 「だ、ダメっす!」 「あん?」 「今すぐ図書室から立ち退くのを希望するっす!」 「・・・なんだねその言葉使いは?先生テンパってるでしょ」 「うるさい!俺はいつだって冷静だ〜〜〜〜っっ!!!」 耳をふさぎぎながら舌をべーっと出す徳永。 「あーはいはいわかったよ、わかりました。その代わり話したい事ができたから、後で屋上まで来てね」 もし断ったら・・・明日校長に肩を叩かれるはめになる。励ましとは別の意味で 「・・・ベーネ」 「日本語で言いなさい」 「はい・・・」 黒い悪魔は去っていった。だが、まだ何も終わってはいない。 「先生・・・今の誰?」 有原が震えている。怖がらせてしまったな、すまない 1 悪い奴じゃないんだ、何も心配するな 2 怖くなかったか・・・?すまない 3 また足音がする!くそっ戻ってきたか! 「怖くなかったか・・・?」 「今も心臓が飛び出そうだよ・・・」 「心配ない、今のは俺のクラスの奴だ。あとで話はしておくからな」 「・・・うん」 今の来客のおかげかすっかりさっきのあれどころじゃなくなったみたいだ。 「ね、先生」 「なんだ・・・?」 「あ・・・あの・・・さぁ・・・」 言いにくそうにもじもじしていたが、小さな声で聞いてきた。 「こ・・・今度、は・・・私と、エッチしてくれる?」 1 ・・・ごめん。それはできないけど、相談ならしてやれるよ 2 まだ早いよ。焦っちゃだめだって言ったじゃないか 3 俺のこと好きか? 「まだ早いって言ったじゃないか。それは別として、相談ならしてやれるよ」 「・・・・・・・・・わかった。ありがとね先生」 そういうとまた有原は笑顔に戻ってくれた。 「でも、先生のおかげで大きな問題は片付いたから、するとしたら小さな相談かな」 「いつでも相談に乗るぞ。どんな小さな事でも」 もう嗣永とは越えてはならない線を越えてしまったんだ。 「先生、競争しない?」 「え?」 振り返って、にこっと笑う。 「ここから玄関まで」 「おいおい・・・普段から歩いてないんだぜ俺は」 「じゃあいくよ!よーいドン」 あっこら、自分のタイミングで・・・ずるいぞ! 「遅いよ〜あははははっ」 忘れてた、あいつは足が速いんだ。やっと玄関までたどり着いたらとっくにゴールしてた・・・ 「私の勝ち!じゃあ帰るね」 「はぁ、はぁ、き、気を付けてな」 「先生!ありがと〜〜!」 問題には自分から立ち向かうことに意味がある。 俺は有原の背中を押しただけだ、頑張ったのはお前自身だよ