「執事さんは読書家なんだね」 

休憩室にて本を読んでいたらえりかお嬢様がお声をかけてきた。 
「私、そうやって本なんて読んだことないから」 
「試しに読まれてみてはいかがですか」 
「ん〜〜〜〜・・・」 

それほど厚くはない本を手に取り、読みはじめるえりかお嬢様。 

「んん〜〜〜〜・・・」 

大丈夫かな?なぜ本を読むのにそんなうなっているのだろう。 

「んんんん・・・あ〜〜〜!!」「うわっ?!」 

いきなり本を放り出して叫んだので驚いてしまいました。 

「だめ。目がチカチカしてもう無理、無理!」 
「いままで本当に読書をされなかったのですか?」 
「うん。教科書見ると眠くなっちゃう」 

これは重症だな・・・このままではえりかお嬢様のためになりません 

1 特訓いたしましょうえりかお嬢様。いやだとは言わせませんよ 
2 いきなり本ではなくまず新聞からお読みになっては 
3 漫画はお読みになりますか 



「漫画はお読みになりますか」 
「あ〜読む読む。でも気が付いたら寝てる〜」 

そ、そんな・・・ 

「台詞を目で追ってるうちに眠くなるの。だから字が多いのは無理。ほら、あのノートに名前書かれた人が死んじゃうのとか」 

えりかお嬢様・・・あなたはなんという、なんというだめなお嬢様ですか!! 

「来なさい」 
「え?な、なに?ちょ、待って、どこいくの!」 

僕はえりかお嬢様をつれて自分の部屋に戻りました。 
「ええ////待ってよ、いまからおセックスしちゃうの?だめ、準備しないと私はSになれないんだってばぁ」 

まだそんな事をおっしゃって・・・ 
「違います。いまから特訓をするのです」 
僕はえりかお嬢様の前に本を山積みにした。 
「な、なにこれ、まさか読めっての?」 
「はい」 
「やだ!それよりおセックスしよう」 

・・・仕方ありませんね。 

¨あれ¨を使う時が来てしまった様です 

「何してんの執事さん?」 

机の中から厳重に封印された細長い箱を取り出す。 
「・・・その箱、なにが入ってるの?あ、わかった。細長いから・・・よ、夜のおもちゃだ////」 
「無駄な知識ばかりではなく教養も身につけていただかなくては、僕はご主人様にあわせる顔がありません」 

・・・これを使うのは初めてだけど、うまく使えるだろうか。 
父さん、母さん、見ていてください。僕は今からこの¨道具¨を解禁いたします! 

「・・・な、何それ?!」 

細長い箱から取り出したのはいわゆる¨鞭¨です。 
と言っても、そんな物騒な構造ではありません。 
鞭にしてはとても短く殺傷能力など無いも同然。ただし精神的な戒めにはなります 

「さあ読書を始めるのです。もしやめたら・・・」 
「な、なによ、執事さん、脅してるの?無理だよね。執事さんがそんな事できるわけない」 

・・・えりかお嬢様がおっしゃる通り、この様な道具を使うのは初めてだ。 
僕に・・・¨こういう¨事ができるのか? 

1 私語を謹みなさい。もう特訓は始まっているのです 
2 空気を叩いてえりかお嬢様を戒める 
3 ・・・試してみますか?と揺さ振る 



「私語を謹みなさい」 
「・・・な、なによ、そんな言い方しなくても」 
「特訓はもう始まっているのですよ」 

右手に鞭を持ち、左手を規則的に叩く仕草。 
これがこの時の基本姿勢だと教わりました。 

¨・・・優しくするばかりが本当の優しさじゃない。時に厳しくしなくてはならない。今はわからずとも、いつか分かるさ¨ 

・・・父さん。貴方の言葉、今なら少しだけ分かる気がいたします。 
このまま優しくするだけではえりかお嬢様の為になりません。 
例え心を鬼にしても、僕はいましばらくはこの鞭を持ち続けなくてはならないのです・・・ 

「・・・・・・・・・」 

渋々本を読み始めるえりかお嬢様。 
だがすぐにその本をおいてしまいました。 

「続けなさい 
自分の左手を鞭で叩き、えりかお嬢様を戒める。この音・・・いやな音だ。 
「ひっ!わ、わかったよぉ、続けるよぉ・・・」 

頑張ってくださいえりかお嬢様 
今は辛くとも、この時の経験がきっといつか貴女を支えるでしょう。 

1 やめない様に続ける 
2 難しくなくもっと読みやすい本からでもよろしいですよ 
3 ・・・えりかお嬢様・・・泣いている? 



えりかお嬢様・・・つらそうだ。いきなりすぎただろうか。 

いえ、ここでやらなくてはこの方はずっとおやりになりません。 
どうせ続けるのなら難しいものより読みやすい方がよろしいでしょう。 
「もう少し読みやすいものからの方がいいのではないですか?」 
「・・・そうする。これだめ、目がぐらぐらしてきた」 

えりかお嬢様はお読みになっていた本を置き、代わりに違う本を読み始めました。 
「あ、これなら読めそう!台詞多いし隙間も多いし」 

良かった。今度は大丈夫ですよね。 

「・・・・・・・・・」 
無言になるほど集中していますね・・・ 
「・・・・・・・・・ぐぅ」 

・・・おや? 

「ぐぅ〜・・・ぐぅ〜・・・」 

め、目を開けたままおやすみに・・・貴女という人は 

1 真面目にやりなさい、と机を叩く 
2 大声で起こして差し上げる 
3 普通の方法では無理だ。背中に氷を入れれば 



「真面目にやりなさい!」 

鞭を振り上げ机を叩くと、えりかお嬢様のカラダが飛び跳ねた。 
「・・・はっ!わ、私はここで何をしてるの?」 
「読書の特訓中です」 
「あーそうじゃったそうじゃった。続きを読みますか」 

・・・だめだな。あまりこたえている様には見えません。 
もう少し厳しくしないといけないかもしれませんね・・・ 
「・・・・・・」 
また黙ってしまいました。目を開けたままおやすみに・・・かと思いましたが、 
時々足を動かしたり、髪をかいたりなさっているので起きていらっしゃる様です。 

やっと真面目になりましたか。手間がかかる方だ。 
「うふふっ、この人ばかだなー。舞美みたい」 
所々で笑ったり、驚いたりなさっているので本に入り込んでいると見受けられます。 
「あーおもしろかった。なんだ、意外と楽しいじゃん」 
「でしょう?本を読むのは、まず楽しまなくてはできません」 
「栞菜にどんなのがおもしろいかあとできいてみよっと」 

まず一冊を読み終えて調子をつかんだのか、続いてもう一冊を読み始めました。 

「この子かわいいなぁ。愛理みたい」 
「愛理お嬢様ですか?」 
「身を乗り出してるね、気になる?うふふふふ」 
「えりかお嬢様!」 

僕の中のえりかお嬢様のイメージは、淫らな姿だけでした。 
しかし・・・こうして机に座り読書なさる姿もお似合いではないですか。 

勿体ない、ただの淫らな姿だけでご自分のイメージを固めてしまうというのは。 

「執事さんと向かい合って読むね」 

くる、と椅子を回してこちらを向くお嬢様・・・ 
う・・・す、スカートで、しかも足を組まれているので、な、中が見え 

1 これは罠だ!鞭の出番だ 
2 ちゃんと見てから注意しましょう 
3 えりかお嬢様、鞭がほしいのでしょうか? 



また始まりましたね。 
「いやぁ〜〜ん面白い〜♪」 
そうやってわざとらしく足を組み換えてばかり・・・ 
それに、いつも下着姿なのにいまさら下着を見せられても・・・ 

「あ。見たわね!オマエ、すけべナヒトー!」 
「えりかお嬢様。いいかげんになさってください。せっかく本を一冊読み終えたのに」 
「ほらほらウフン♪これからはよばいだけじゃなくて24時間営業なんだよ♪」 
「えりかお嬢様・・・鞭がほしいのですか?」 
「叩いて叩いて〜〜ん、ほらここ、ここの筋にそってしゃくりあげる様に」 

1 そうやってご自分を安くお見せするのはやめなさい!! 
2 無視して本を読む様に促す 
3 お尻を叩かせていただきます 



また貴女という人は・・・そうやって! 
「ほらぁ・・・見て、もう濡れてきたんだよ」 
「えりかお嬢様!!」 

自分でも信じられない様な大きさで怒鳴ってしまった。 
「・・・・・・な、なに・・・よ・・・」 

「そうやってご自分を安くお見すせるのはやめなさい!!」 
「や・・・安くなんかないもん!わ、私は・・・執事さんが好きなんだよ。だから・・・振り向いてほしいだけなのに・・・」 
「そのお気持ちは嬉しいです。しかしそれとは別に・・・」 

するとえりかお嬢様はいまの僕よりも大きな声で叫びました。 

「いけないの?!貴方を好きになる事が、間違ってるの?!」 

1 ・・・えりかお嬢様・・・嬉しいです 
2 僕はあなたが品の無い行為をなさるのを・・・見るのがつらいのです 
3 ぱ、パンツをしまってください 



・・・嬉しい、です。 

えりかお嬢様・・・僕の事を・・・ 

「な、なに?黙ってないで何か言ってよ!!」 
「嬉しいですえりかお嬢様。僕も・・・貴女が好きです////」 
「ちょ////や、やだ、顔を赤くしないでよ////」 

そうやって照れてしまうえりかお嬢様、かわいらしいですよ。 
もしかしたら・・・そのお姿こそが貴女の本来の・・・ 

「もうなんか調子狂うなぁ!特訓してたのに!もう!」 

えりかお嬢様・・・ 
いままでの貴女ならどこか余裕で常に僕を手のひらで踊らせてきましたよね。 

いまの貴女の方が・・・好きですよ。 
なんて・・・言ったら、大変なことになりそうなので言えませんよ。 

1 ちょ、えりかお嬢様何を、アッー?! 
2 特訓は終わりです。続きはまた明日 



「私をバカにするなぁあ〜!」 
「きゃああ?!え、えりかお嬢様何を、アッー?!」 

やられた・・・ベッドに・・・押し倒されて 
しまった。こうなればもう僕は精が尽きるまで搾り取られてしまいます。 

「ばか、ばか、ばか!からかわないでってば!」 
しかしえりかお嬢様はぽかぽか僕を叩いてくるだけで、お、おセックスは・・・しませんでした。 
「ひどいんだよ執事さん!今日はいきなり本を読ませたり、こうやって告白させたり!ばか、ばか、ばか、ばか!」 

その姿はまるで怒られて泣いている子供の様でした。 

し、失礼ですけど・・・そのお姿・・・ 


かわいいです//// 
いつか、デートなさった時にもかわいらしいなと思ったのを思い出しました。 
では・・・よばいをなさる時はずっと無理をなさっていたのでしょうか? 

1 もうお止めください、痛いですよ 
2 ・・・えりか、お兄ちゃんを困らせないでくれよ 
3 あなたは子供みたいですねと笑う 



「えりか、お、お兄ちゃんを困らせないでくれ・・・よ」 
「うるさいっ!命令してないのに言うなぁあ〜〜〜〜〜!」 


なんだかもう特訓どころではなくなってしまいました。 
しかしちゃんと本を一冊読めたのはえりかお嬢様にとって大きな前進になったはずです。 
「じゃ、じゃあまた明日ね」 
「はい。無理はなさらずに続けてください」 
「お・・・おやすみなさい」 

足早にえりかお嬢様は部屋から去っていきました。 
・・・こうやって厳しくするのは思った以上に大変だ。しかし、必要になればまたこの鞭を使わなければならないだろう 


〈Erika's Side〉 

最後はちょっと変なことになっちゃったけど・・・私だってやればちゃんと本を読めるんだ。 

執事さん・・・私のために一生懸命してくれた。 

だから私もそれに応えなくちゃ。いつまでもおばかなえりかお嬢様のままじゃいけない 

・・・いつか、貴方を振り向かせてみせるから