・・・静かな夜だ。 

なんだか目が冴えて眠れない。 
夜と言えば、えりかお嬢様の¨よばい¨・・・ 
最近はおとなしくなったかと思えば今度は舞お嬢様がそれを引き継いでしまい・・ 
いえ引き継いだところか昨夜もまたえりかお嬢様に襲われました。多少はおとなしくなられたと思ったのに・・・ 

だけど今夜は静かだ。 

さすがに毎晩は無茶はできませんよね。 

¨コン・・・コン¨ 

ノックが聞こえて心臓が口から飛び出そうになりました。まずい!油断していた! 
・・・いえ、あのお二人はわざわざノックせずに鍵をこじ開けてくるはず 

だとしたら他のお嬢様か? 

1 いや、おそらくえりかお嬢様か舞お嬢様にちがいない。 
2 どなたかなのかお声をかけて確認してみよう 
3 窓から逃げ出す 



わりと控え目なノックでした。 
ひょっとしたらあのお二人では無いのかも・・・ 

「はい、どなたでしょうか?」 
「・・・よかった、まだ起きてたんだね」 

このお声は・・・栞菜お嬢様? 
あの方が僕の部屋に訪ねてくるとは珍しい。 
警戒を解いてドアを開けると、そこには栞菜お嬢様がいました。 

「ごめんねこんな時間に」 
「いえ。どうなさいました?」 
「・・・寂しいから、ここにいてもいい?」 

その見上げる瞳にどきっとしてしまいました。 
「か・・・栞菜お嬢様がよろしいのでしたら、どうぞ」 
「ありがと。お邪魔します」 

い・・・いったいどうなさったのだろう? 
あの栞菜お嬢様がこんなお願いをなさるとは 

栞菜お嬢様は足早にベッドまで駆け寄り、そのまま腰をかけた。 

・・・こういう状況・・・ま、まさか・・・ 
何を考えてる?!そんなはずはないじゃないか! 

1 と、隣には座れない。机に座りましょう 
2 いったいどうなさったのですか・・・? 
3 栞菜お嬢様がベッドにごろんと・・・う、嘘でしょ 


と・・・隣には座れません。机の椅子に・・・ 
「ごめんね、いきなり押し掛けちゃって」 
「いっいえとんでもない。あの・・・それよりどうなさったのですか?」 

すると、栞菜お嬢様はうつむいてしまった。いけない、聞いてはまずかったのか。 

「ごめんね。あの・・・怖い夢見ちゃったの、それで、一人じゃ眠れなくなって」 
・・・思ったよりは深刻ではなさそうだ。しかし、お一人で眠れない程の怖い夢とはいったい 

「私がお屋敷からいなくなる夢を見たの」 
「え・・・・・・?」 

栞菜お嬢様が震えている。怖さを押さえきれない様な震えた声 

「理由もいきさつもわからない、ただ、私が・・・お屋敷から出て歩いていくの。誰も見送ってくれなくて、ひ、一人で・・・」 

栞菜お嬢様の美しい瞳から一筋の涙が流れ落ちた。 

1 そっとその涙を拭って差し上げる 
2 たまらずに栞菜お嬢様を抱き締める 
3 何か優しい言葉をかけてあげなくては 



これ以上しゃべらなくてもいいのです、貴女の悲しむ理由がわかりました。 
「し、執事さん?」 
「・・・栞菜お嬢様・・・」 

僕は何をしたらいいのかわからなかったけれど、そっとその涙を拭って差し上げました。 
「怖い夢でしたね。でも・・・それは本当の事ではありません。夢です、ですから安心なさってください」 
この言葉が果たして優しいかどうかはわかりません、それでも言わずにはいられませんでした。 
「で、でも、怖い・・・怖いよ執事さん・・・」 

顔を両手でおさえ啜り泣く栞菜お嬢様。 
・・・深刻ではなさそうだ、と先ほど思ったけれど、いったいどこがそうなのか。 

「栞菜お嬢様・・・・・・」 

「う・・・ぐす、嫌だよ執事さん、み、みんなと、バラバラになるのは嫌・・・」 

1 そっと抱き締めて差し上げよう 
2 ・・・まだ怖いですか?ときいてみる 
3 ここにいても悲しむのではないだろうか。お外にいけば少し気が紛れるかも 



こうするしか他に思いつきません。栞菜お嬢様・・・失礼します 

「・・・っ」 

そっと抱き締めると栞菜お嬢様が僕を見上げてきました。 
「しつ・・・さん・・・」 

でも、涙は止まることなくあふれてきます。 
「僕がここにいますから心配はいりません」 
「あ、ありがと・・・でも、私ぃ・・・やっぱり怖いの・・・」 

・・・抱き締めるだけでは止められないのか? 
さっきも優しい言葉をかけて差し上げたりしたけど栞菜お嬢様は悲しんだままだ。 

どうしよう 
たった一人のお嬢様ですら、悲しみを癒せないのか・・・? 

1 それでも抱き締め続ける 
2 気を落ち着かせるために子守唄を歌う 
3 ・・・おや・・・?何か青いものがひらひらと飛んでいるぞ 



それでも、僕は栞菜お嬢様をそっと抱き締め続けた。 
必ずいつか栞菜お嬢様が泣き止むと信じて・・・ 

「ひ・・・っく、えぐ、ううん、あぅ・・・っ」 
でもさっきより泣き声が大きくなっている。 
・・・だめじゃないか。栞菜お嬢様は僕に助けを求めてわざわざいらしてくれたのに 

僕が助けてあげられないなんて・・・どうしようも、ないじゃないか。 

「・・・・・・?」 

ふと、目の前に何か青いものがふわふわと飛んでいるのが見えた 
なんだこれは?不思議だ・・・光っているぞ。 

「・・・ん・・・?」 
ふと、栞菜お嬢様がその青いものを見つめて・・・ 
「・・・・・・・・・」 

不思議なことに、栞菜お嬢様の涙が止まりました。 
あれだけ泣いていらっしゃったのに・・・ 

「・・・蝶だ・・・」 

え・・・ちょ、蝶?この青いものがですか? 
言われてみればひらひらと羽ばたいている様に見えます。 

しばらくその青い蝶は栞菜お嬢様の前にいましたが、やがてどこかへと飛んでいきました。 

「・・・・・・」 
「か、栞菜お嬢様、もう大丈夫ですか?」 
「うん。落ち着いた・・・ふぁあぁああ・・・」 

そのまま栞菜お嬢様は僕の肩に頭を乗せて、寝息を立て始めたのです。 


¨やっと泣き止んでくれたわね。泣き顔は好きだけど、悲しむ顔は見たくないわ¨ 
「め、愛お嬢様?!」 

また頭の中に声が聞こえました。ああ・・・わかった、きっとあの青い蝶は・・・ 

¨まだまだね、私の方があやすのは上手なんじゃない?¨ 
「うう・・・面目ありません」 
¨次は助けないわよ。あなたが頑張ってね¨ 

やがて声は聞こえなくなった。 
・・・意外だな、あの愛お嬢様が誰かを落ち着かせるとは 

1 栞菜お嬢様をご自分のお部屋までおつれしましょう 
2 こ、今宵はこのままで・・・起こしてはいけませんし 
3 ふざけて愛お嬢様の悪口を言ってみる 



正直に言うと悔しい。 
僕では栞菜お嬢様の悲しみを癒せなかった。 
しかし愛お嬢様は簡単に栞菜お嬢様を・・・ 

うう、悔しい。負けてしまったのは事実だが認めるのは悔しい 
「・・・愛お嬢様の・・・おばか」 
おそらく魔法を使ったのではないでしょうか。並の人間である僕がかなうはずがありません。 
「愛お嬢様のエッチ。ろ、露出狂!」 

するといきなり頭の上に石が降ってきました。 
「い、痛い!」 
¨生意気ね、覚悟はできてるのかしら?¨ 
痛い痛い!痛いです愛お嬢様! 

あちこちからいろんな物がひとりでに動いては僕にぶつかってきます。 
でも・・・なにがあっても栞菜お嬢様はお守りします! 

¨朝までいじめ続けてやるんだから¨ 
「貴女には負けません!」 

栞菜お嬢様・・・安心しておやすみください。 
この手の中から絶対に貴女を離したりはしません! 


州´・ v ・)<・・・ リl|*´∀`l|<・・・・・・ 州`・ ∀ ・) リl|*`∀´l| (;執事)<悪寒がします・・・!誰かに見られている?! 州`・ ∀ ・)<がんばる執事さんに歌を贈ります リl|*´∀`l|<夢中〜で♪が〜んばる君〜に〜♪ 州`・ ∀ ・)<エールボー! (;執事)<がはっ?! 州´・ v ・)<はしたないのはいけないと思います