部活動・・・ 
それは昼間の教室は違うもうひとつの、コミュニケーションを育むためにとても重要な場所だ。 
嗣永はバスケ部、梅田はテニス部で頑張っている。 
そしてもう一人、部活動に汗を流す生徒がいる 

「先生何してんの?のぞき?」 
汗だくになりながら走っている矢島。 
「部活の様子を見てるんだ。俺も顧問になりたくてな」 
「先生は無理だよ、体力なさそうだし。私みたいにずっと走れなきゃ!」 
「お前には勝てないよ・・・」 

矢島の身体能力はずば抜けている、とまでは言わないが並みの人間を凌ぐのは間違いない。 
「つまり暇なんだ。そうでしょ先生」 
「お前な・・・ちょっと言葉を選べよ、悪いくせだぞ。まぁ当たってるけど」 
「一緒に走ろ!ね?体力つけなきゃ!」 

またいきなり・・・ 

1 いいよ、負けないからな 
2 1人で走ってなさい 
3 話をしながら汗で透けたシャツを見る 



「いいよ、負けないからな」 
「いま勝てないよって言ってたよ。無理しない方がいいんじゃない?」 
「いいから走るぞ!先に校舎に着いた方が勝ちだ」 
「勝手に決めてずる〜い」 

長距離じゃかなうはずがないが短距離なら逃げ切れるはずだ。やってやる! 
・・・よし、矢島は追い付いてこない。このままゴールして 

「なにっ?!」 

だが甘かった。あっという間に俺を抜き去り、俺が校舎に着いたのはその数秒後だった・・・ 
「遅い。普段から走ってないでしょ」 
「あ、当たり前だ・・・」 
「私の勝ちだよ。だめだよ先生、ちゃんと運動しないと早死にしちゃうよ」 

こいつは恐ろしい事を平然と言うなぁ。 
・・・そこが矢島らしさだよな。変に気取ったりしてなくていつも自然体だから。 
「じゃ先生、私もう戻るね。そろそろ時間だから」 

1 俺も行っていいか? 
2 もう一回勝負しよう。このまま帰りたくない 
3 喉渇いてないか。おごってやるよ 



「喉渇いてないか。おごってやるよ矢島」 
「いいよ、ちゃんと飲むの持ってきてるし」 
「遠慮するな。なんでもいいよ、飲みたいのあるだろ」 
「じゃあ麦茶がいい」 

近くにあった自販機で麦茶を買い矢島に手渡した。 
「いただきまーす!」 
いまの遠慮はなんだったのか、何秒もかからずに飲み干してしまった。 
「お前っ、早すぎるぞ」 
「だって・・・喉渇いてたんだもん。でもいまのでせっかく走ったのに無駄になったかなぁ」 

・・・矢島が体重を気にするのは理由がある。それは 
「よーし部室に戻って縄跳びしなきゃ!先生ありがと、じゃあねっ」 

あっ戻るのかよ、寂しいな 

1 追い掛けていく 
2 バスケ部ものぞいてみるか 
3 心配だな、テニス部の梅田は真面目にやってるかな 



「どーしたの先生?そんなぴったりくっついてきて」 
「まだ矢島の部活はあまり見てないから、ちゃんと見ておきたいんだ」 
「生徒じゃなくて先生が部活見学かぁ、ヘンなの」 
くすくす笑いながら走る矢島。美しいフォームだ。走る姿はまるで陸上部なんだが・・・ 
矢島が入っているのは陸上部ではない、これだ。 
「戻りました!」 

ボクシング部。 
一見、矢島には似付かわしくない競技かもしれない。俺も最初はそう思った。 
しかしこうして見てみないことにはふさわしいかどうか判断できない。 
女子で入ってるのは矢島以外いないかもな・・・ 

「縄跳びいきます!」 
すごい体力だな。走ってきてすぐ縄跳びを始めるとは。 
それにしても・・・ 

まったく、揺れないな。あんなに激しく跳んでるのに 

1 よしっ俺も縄跳びするぞ 
2 サンドバッグ叩いていい? 
3 顧問の先生に挨拶しとく 



顧問をするなら体力がなきゃ続けられないよな。よーし・・・俺だって! 
「サンドバッグ叩いていい?」 
「あ、どうぞ」 
ちょうどひとつ空いてたので隣の生徒に断り、素手のまま叩いてみた。 
「・・・?!」 
かっ、固ぇ!!なんだこりゃ!思い切り殴ったらどうなってたんだろう、俺の拳。 
「シッ!シッ!」 
隣の生徒は掛け声をだしながら規則的に殴り続けている。 
あんなに綺麗にサンドバッグが揺れてるわ。プロ(?)は違うな 
まずちゃんとグローブをつけているのが違う。これは素手で殴っちゃいけない代物らしい。 
・・・暑いな部室の中、みんなの熱気がこもってるんだな。 
「先生何してんの?それは素手でやっちゃだめだよ」 
縄跳びを終えた矢島が俺をからかう様に笑っている。 
な、なんか悔しいな 

1 だったらお前これを殴ってみろ 
2 もういい、一緒に腹筋しようぜ 
3 お前のサンドバッグも固そうだな、とふざける 



「お前のサンドバッグも固そうだな、なぁ?」 
「・・・先生、それってどういう意味?わかんない」 
矢島は笑っていたので冗談が通じなかったのかと思った。 
・・・だからまわりが凍り付いている事にも気が付かなかった。 
「わかんないなぁ〜〜〜ぜぇ〜〜んぜんわかんな〜〜い」 

おかしいぞ。生徒達の練習の手が止まっている。なぜ急に止まったんだろうか 
「先生、スパーリングの相手してほしいんだけど」 
矢島がファイティングポーズになった。 
ここでようやく俺は取り返しのつかない発言をしてしまったと気付いたが、覆水盆に還らず 

「は〜〜や〜〜〜く〜〜〜〜。構えて、当たったらごめん」 

当てるつもりだ。まままずい、このままじゃノックアウトだ 

1 矢島、ごめん。謝るから許してくれ 
2 当たらなきゃいいんだ。よけるのは自信があるぞ 
3 退却! 



・・・当たらなきゃいいんだ。やれない事はない。 
まして矢島は怒って俺を殴るんだ、意外とよけやすいにちがいない。 
めちゃくちゃな理論で無理矢理自分を納得させて矢島に挑む。 

「私のサンドバッグは固くありませんから!!」 
「わっ?!」 
矢島の右の拳が俺の鼻を狙ってきたのでとっさにかわしたが、左耳にかすった。あ、熱い! 
「うまくかわしましたね。でも次は当てますから!」 
「く、くぅっ!!」 
また次もぎりぎりかわした。今度は左の拳が来た。 
「すご、あの先生、矢島のをかわしたぞ」 
他の生徒が感嘆の声をあげた事が余計に矢島のファイティングスピリッツに火を点けてしまった・・・ 
「意地でも当てます。はぁっ!!」 
「うわ!!」 
また右か。危ないな、当たったら大ケガだぜ 
「やぁっ!!」 
「お、おい、ひっ!!」 
間髪入れずに左が襲い掛かってきた。まるであの有名なアニメを体感してる気分だぜ。 
聞こえてきそうだなおっつぁんの声が・・・ 
「先生・・・やるじゃん」 

やばい、ますます矢島の目付きが鋭くなっていく。つ、次はどんなパンチが来るか 

1 あくまで避け続ける 
2 もうやめろ矢島、落ち着け 
3 え、拍手? 



まばらに聞こえてきた音。これって・・・なんだ? 
「み、みんな何してんの?」 
これは、拍手か。きっと矢島に対してだな。凄いパンチだからな 
「先生凄い!俺、矢島のパンチよけた人初めて見た」 
ほ、誉められてる?まいったな、必死だったからばつが悪いぜ。 
よけて誉められるのも不思議な気持ちだ。 

「悔しいなぁ。一発当てたかったのに」 
「矢島、落ち着け。俺が悪かったから」 
「もう一回サンドバッグって言ったら許さないから」 

笑ってはいたが目が怖いぜ・・・今後は言わない方が正解だ。 

「でもすごいじゃないか矢島、いつもよりキレがあったぜ」 
「ありがとうございます先輩」 
「兄貴よりすごいんじゃないか?」 

・・・矢島、一瞬顔が曇ったな。そういや兄弟がいるって聞いてたが兄貴だったか。 
「先生、ちょっと走りませんか?」 
「あ、俺は」 
「・・・ちょっと外にいきましょ。ね」 

小声で言われたのが気になる 

1 わかった。行こうか 
2 今日はここらでお開きにしよう 
3 もう一ラウンドいく? 



「わかった、行こう」 
「ありがとうございます先生。すいません先輩、ちょっと走ってきます」 

矢島に誘われるまま部室を出て校庭まで走ってきた。 
「・・・私、ずっとお兄ちゃんに守られてきたんです。ちっちゃい時は弱くて、男の子にやられてばかりで」 
ぽつりぽつりと矢島は自分の話をしてくれた。 
「それがずっと嫌で、高校生になったし、強くなりたくてボクシング始めたんです」 
矢島にそんな過去が・・・まるで知らなかったぞ 
「まあ、お兄ちゃんがずっとボクシングしてましたから、それもあるんですけど」 
兄貴が好きなんだな。守られるのは嫌みたいだけど、それとは別みたいだ。 
「遠いですね、お兄ちゃん。いくら強くなったつもりでも全然追い付けないから・・・」 

寂しそうな顔をする矢島・・・ 

1 兄貴ってどんなやつなの? 
2 何言ってるんだ。お前は強いだろ 



「何言ってるんだ。お前は強いだろ」 
「冗談でしょ?私なんかまだまだ・・・お兄ちゃんはもっと強いんです」 
あ、あれ以上なのか?矢島のパンチ、まだ音が耳に残ってるぞ。 
「じゃあ喧嘩したらかなわないな」 
「喧嘩したことないから・・・でもかなわないなきっと」 
へえ〜〜めずらしいな。兄弟なら喧嘩してもおかしくないのに。 
「全然喧嘩したことないです。むしろ過保護すぎるかな、いつも電話してくるし」 
「どれくらい過保護なんだ?」 
それを聞いたら、ちょっとうんざりした様な表情になった。 
「ちっちゃい頃からずっとですよ。お風呂だって一緒に入ろうって言うし」 

こ、高校生でかよ?!それってもはや犯罪レベルじゃないか! 
「ちょっと外出しようとしても必ず着いてきたり、誰か話し掛けたら私の代わりに話しちゃうし。やりすぎなんです」 

すごいな・・・ 
俺も妹は、梨沙子は可愛いから気持ちはわかるが・・・ 


「だから心配で。学校でもよく女の子に声かけられるのに全然相手にしなくて私ばっかりで・・・はぁ」 
それはもったいないな。俺なんか昔は全然・・・ 
「彼女作れば?って言っても私の方が大事だって言ってきかないんです。おかしいでしょ」 
「・・・・・・あえて何も言わない様にしようか」 
「さすがに学校ではやめてって言ってますけど・・・もう疲れちゃって」 

だから、強くなりたいんだって言ったのか。 
守られてばかりなのは矢島にとって苦痛なんだ。 

「あ、こんな時間!すいません、いったん部室に戻ります。今日はありがとうございました」 
ぺこっと礼儀正しくお辞儀をする矢島。 
「ああ、また明日な」 

あいつ・・・ 
明るい笑顔の下に悩みを抱えてたんだな。 

俺が力になれれば、重みはなくなるはずだ。 
なんとかしてやる、矢島、もう少し待っていてくれ 


(執事)<桃子さん…あなたは教師編のヒロインなんですよ?焦ってはなりません ル*’ー’リ<えぇ〜そうなんですかぁ?そう言われるとぉ… (執事)<真打ちは最後に出てくるものです つまりあなたの初体験は14番目ですね ル;’д’リ ションナ リl|*´∀`l|<教師編でも一番になりたいんだよ (;教師)<近寄らないでほしいんだよ リl|*´∀`l|<寝る時はテディベアを抱いてないと眠れません リl|*´∀`l|<コーヒーは苦くて飲めません リl|*´∀`l|<夜1人でトイレにいけません (;教師)<ただの子供じゃないか