ボクの願い・・・それは 

うう・・・だめだ、恥ずかしくて自分の心の中でも言えないよぅ・・・//// 

こうやって遠くから執事さんを見つめるだけでもう・・・ 
「千聖〜」 
「ま、舞ちゃん。なんだよ」 
「遊ぼ!」 
「やだ。だめ、できない」 
勘弁してよ舞ちゃん、お願いだから邪魔しないでほしい。 
「こんないかにも怪しい廊下の曲がり角でつったって何やってんの?」 
Σギクッ 
「千聖はすぐ顔に出るね、なんかばれたらいけないことしてたんだ」 
「ちちちちがうもん」 

もう、舞ちゃんてば! 
普段は周りの人なんて気にしないくせに・・・ 
「ん?あ、ひつじさんがいる。丁度この曲がり角だと様子をうかがえなくもないッスね〜」 
「なななに言ってるかわかんないんだけど」 

舞ちゃん・・・これ以上じゃまするならボクにも考えがあるよ 

1 一本背負い! 
2 ハンカチで目隠し 
3 部屋に閉じ込める 



「いじらしいのね千聖。恋する人を陰ながら見守るなんて」 
「・・・・・・」 
「あんまり奥手だととられちゃうよ。ひつじさんて押しに弱いしね」 
な・・・なんでそんな事を舞ちゃんが知ってるんだよ?! 
「私ね、もうひつじさんとキスしたんだ」 

それを聞いたらボクの頭で何かが弾けたー 

「ちょ・・・千聖!だめっやめて、何すんの?!」 
舞ちゃん、ごめん。君がしばらく手を出せない様にしてしまうしかない。 
「開けて〜!ごめん千聖、謝るから、でもキスしたのは本当だからね!」 
すぐ近くの空き部屋に閉じ込めてドアの前にいくつも物を置いた。これでしばらくは出られないだろう 

そんな・・・舞ちゃんがもうキスしてたなんて。 
あ、あのエッチな漫画に描いてあった様なキスだったのかな・・・ああ、いやだ、想像したくない 

・・・そうだ。執事さんを見なきゃ。 
「あれ?」 
でもちょっと目を離したすきにいなくなってた。どこにいったんだろう? 

1 休憩室かな・・・? 
2 外に掃除しにいったかも 
3 ま、まさか愛理ちゃんの部屋とか 



もういないよ執事さん、いったいどこにいったんだろ? 
・・・心当たりがないわけじゃない。でも、そうであってほしくない。 
た、確かめるだけなら・・・一応行ってみよう。 

¨あの娘¨の部屋の前まで来た。はぁ良かった、やっぱりいなかった。 
・・・良かった?そんな悪いこと考えちゃいけないのに・・・ 

「・・・!!」 

・・・心臓が口から飛び出しそうになった。ど・・・どうして、ここにいるの。なんで・・・ 

愛理ちゃんの部屋をノックしている執事さん。だめ、入っちゃだめ、ボクの前からいなくなっちゃ 

あぁ〜〜〜どうしたらいいの、カラダが動かないよぅ。 

1 だめぇえぇえぇ!と叫ぶ 
2 思わず飛び付く 
3 涙が出て・・・ 



なんでボクはこうなんだろう。目の前に会いたい人がいるのに・・・ 
何もできないよぅ。叫べない、抱きつけもしない。ただ黙って見ているしかない 
「・・・・・・ッ」 
あ・・・涙、だめだよ、泣いてるだけじゃ何も変わらないのに。止まってくれよ、お願い。 
・・・ボクの願いに反して視界はぐにゃぐにゃ歪んでく。もういっそここからいなくなってしまいたい 

「・・・千聖お嬢様?!」 

え・・・・・・?いま、誰かボクを呼んだの? 
「お嬢様どうなされました?!お怪我はありませんか?!」 
うそ・・・ 
し、執事さんがボクの目の前にいる。 
「失礼します」 
ハンカチでボクの涙を優しく拭いてくれた。 

な・・・何か言わなきゃ・・・ 

1 どこも痛くない、急に泣きたくなっただけ 
2 執事さんに、あ、会いたかったって言いたいけど、言えない 
3 その場にいられなくなって走りだす 



「・・・あ、あい」 
あいたかったんだよ執事さんに。は、早く言わなきゃ 
「た、た・・・・・・」 
「そんなに痛むのですか。し、失礼します」 
「わぁっ?!」 

し、執事さんが、ボクを抱えあげて・・・ 
「医務室まで参ります。もうちょっとだけ我慢なさって下さい、すぐに参りますから!」 
この抱っこの仕方・・・背中と膝を抱えるやつ、なんて言ったっけ? 
たしか舞ちゃんと一緒に見たマンガであったよね、結婚式の場面で男の人が女の人を抱っこするあれ。 
お姫様抱っこ・・・そうだ!それだ! 

信じられない。ボクがお姫様抱っこしてもらえるなんて 
「執事さん」 
「どうしました千聖お嬢様」 
「あ、あの・・・・・・」 

1 医務室には行かなくていいから、もうしばらくこうしててほしい 
2 このまま外に出て・・・お願い 
3 な、なんでもない・・・ 



さっきは思った事を口に出して言えなかった。 
「千聖お嬢様・・・」 
だ・・・だから言うんだ、どうしてほしいのか。ボクが望むのは何なのか、きちんと執事さんに伝えるんだ! 

「・・・このままでいてほしいんだ。しばらく抱っこして」 
「しかし・・・おケガは大丈夫なのですか?」 
「うん。医務室には行かなくていいから・・・だから、もう少しだけボクをこうしててほしい」 
「はい。分かりました」 

これがお姫様抱っこかぁ//// 

な、なんか本当にお姫様になったみたいだよ。良かった。ちゃんとボクのしてほしい事を言えて・・・ 

執事さんの胸ってこんなにおっきくてあったかいんだ。 
・・・幸せだよぉ・・・ちょっと恥ずかしいけど 


「うひゃぁああ〜〜〜〜!」 

突然地響きと大きな音がして、向こうの部屋から舞ちゃんが飛び出してきて、ごろごろと転がりながらそのまま壁に激突して倒れた 
「ま、舞お嬢様?!」 
・・・あれだけのバリケードを突破するなんて、さすがは舞ちゃんだな。 
「ち・・・さ・・・とぉ、おぼえてろよぉ・・・うっ」 
「しっかりしてください舞お嬢様!す、すみません千聖お嬢様、失礼致します!」 
ボクをおろして、気絶した舞ちゃんを抱き抱えて医務室へ走っていった執事さん。 

・・・まだ・・・残ってるよ、ボクの体に・・・執事さんの感触 

ちゃんと言えるじゃないか。ボクの気持ち、やろうとすればできるじゃないか。 
怖がらなくてもいいんだ。次はきっと・・・もう少しうまく伝えられるはずだ。 

きっと