嗣永をめちゃくちゃにした夢を見てからしばらく経つ。 いくら夢の中であっても酷い事をした。あんなに泣いている嗣永を無理矢理犯すだなんて・・・ 何回思い出しても気分が重くなる。 その夢を見た日に嗣永に体験の事を聞いてしまったし・・・ 顔を真っ赤にしてカバンで俺の顔を殴って、その後数日は口も聞いちゃくれなかった。 「くまいちょーまたね〜」 ・・・あ、嗣永。 遠くにいる生徒は後輩の熊井君だな。夢ではもう嗣永は熊井君としていた 比べられることに異常に反応し、逆上しちまったんだよな。 「ウフフフフフ・・・今日もまたせんせぇと一緒に帰ろうっと」 俺にはまだ気付いていない。なんだか気まずいな 1 話し掛けてみる 2 隠れる 3 あれ、なんか忘れてる様な 気まずいので身を隠そう、気付かれては面倒だ。 だがとっさに身を隠すところなんてない。ここは外に面した通路だしな・・・ 「せんせぇどこだろ?」 き、気付くな。お前と話すつもりはないぞ・・・ 「せんせぇどこ〜〜〜?」 とっさに近くの草むらに身を隠した。なんとか俺の体でも隠れられるくらいの大きさだ 「ん〜〜〜。いる予感がしたんだけどなぁ」 その根拠のない言葉はなんだ。だが実際に当たっている。こいつは侮れないぞ 「電話してみようかな」 はっ!まずい! 1 電源を切る 2 観念して出るか 3 は、蜂が、あっちいけよ しまった電話があったか、うかつだった。 ¨ブ〜〜〜〜ン¨ 「なんだ・・・?」 何か確認する前に黄色いものが浮かんでいるのを見た。 「は、蜂か!こらあっちいけ、おい!」 蜂は言うことを聞く素振りはなくそのまま俺の手を突き刺した。 「アッー!!」 「せ、せんせぇ?!」 「つ・・・嗣永、奇遇だな、あははは」 ¨ブ〜〜〜〜〜ン¨ 蜂はどこかへと飛び去っていった。 あとは二人でごゆっくり、なぜかそう言っている様に聞こえた。 「何してたんですかぁ?そんなところでぇ」 「で、電話落としちゃってな。見つかったけど蜂に刺されたよ」 「大変!すぐ保健室いきましょお!」 ・・・保健室?! その場所は忌まわしい場所だ。実際にいやな目にあった訳じゃないが、 あんな夢に出てきた場所だ。今の俺は嬉しくない。 1 平気だ・・・気にするな 2 1人でいける。お前は寄り道せずに帰るんだ 3 嗣永、おい手をひっぱるな、おいっ 「大丈夫だよ。こんな傷別にどうってこたぁない」 「だめ、命令ですぅ、早く保健室にいきますよぉ」 「お、おい、待てって。俺は行かないぞ、嗣永!」 「怪我したら保健室ですよ!早くっ」 嗣永に手をひっぱられ、しぶしぶ行くことにした。はぁ・・・行きたくないぜ。 「おじゃましまぁす」 誰もいない・・・人が怪我した時に限って。 「じゃあ手術しましょうか」 「大げさだなお前」 おほん、と咳払いをして嗣永は信じられない言葉を口にした。 「パンツを脱いでください」 な、なぜ? いつもの俺ならすぐにくだらない事はやめろと言えたはずだ。 ・・・期待してるのか?そういうふうになるのを 1 言われた通りにしてしまう 2 お前が脱げと返す 3 さーて帰るか だめだ!ここにいたら冷静な判断ができなくなる。 す、すでに嗣永を意識してる。間違いない・・・ 教室で見る普段の嗣永に対する意識と今の意識は違う。ま、まだこうやって判断できるうちに離れた方がいい。 「さーて帰るか」 出来る限り冷静なのを装った。声は上ずってないな、よし。 「大丈夫ですかぁせんせぇ?無理はよくないですよ」 すると嗣永が帰ろうとした俺を呼び止めた。 「あ?あ、うん、大丈夫、だ」 「なんかヘンですよぉ。しゃべり方がぎこちないし」 ・・・?! つ、嗣永、俺に抱きついて何をするつもりだ。 「寝た方がいいですよ。寝ましょう」 帰さないつもりか。 だめだ、いけない、俺はお前の先生で、お前は俺の・・・教え子なんだぞ。 1 嗣永を説得しなくちゃ 2 しばらくこうしてるか 3 理性が少しだけ崩れた気がした 「嗣永。俺は大丈夫だ、どうして引き止めようとする」 「え?!なな、なんでそんな事言うんですか。もぉはせんせぇが心配だから」 冷静になれ。ここで何かしたらもう取り返しはつかないんだ。 「蜂に刺されただけじゃ寝る必要はないよな」 「だ、だって、そのぉ・・・」 言葉につまっている様だ。良かった、ここで押されたらと思うと背筋が凍る思いだ。 「帰るぞ。もうここに用はないはずだ」 「・・・・・・」 嗣永は俺に抱きついたまま黙っている。 「ほら、離せ。早く」 「・・・・・・・・・」 簡単には帰れなさそうだがさてどうしよう 1 嗣永の手を払って1人で帰る 2 しばらく黙っている 3 一緒に帰ってやるか・・・ 一緒に帰ってやるか・・・その方がいいだろう。 「帰るぞ」 「・・・はぁい」 急におとなしくなったな。 「なんか欲しい物あるか」 「・・・・・・いえ」 すましていたら結構綺麗な顔立ちだな。俺のイメージだといつも満面の笑顔だから新鮮だ。 「せんせぇ、手大丈夫ですか・・・?」 「ああ。もう平気だよ」 「・・・・・・そうですか」 ・・・気まずいな。空気が少し重いぞ。 もう俺の家まで来てしまったか。やけに早かったな。 「嗣永・・・俺のとこに来るか?」 「え・・・」 自分でもなぜこんな質問をしたのかわからない。ついさっき保健室で二人きりなのを拒んだのに 嗣永はそっと口を開いた。 1 「せんせぇの・・・ばか」 2 「いいけどすぐに帰りますよ」 3 「ごめんなさい・・・」 「せんせぇの・・・ばか」 ば・・・馬鹿だって?俺が 「なによ。人にエッチがどうだとか聞いたくせに、いざしようとしたらそうやって嫌がって」 「あ、当たり前だろ。俺は・・・先生なんだぞ。生徒とそんなことしたら」 「せんせぇはかたすぎるんだもん、こないだだって抱きついたら、ガキが大人をからかうなって・・・」 嗣永はうつむいてしまった。 「本気だもん・・・!もぉはせんせぇが好きだから!」 「つ、嗣永?!」 嗣永はもう一度抱きついてきた。たぶん、もう今度こそ離れそうにない。 「せんせぇといると嬉しいんだもん。もぉがバカな事いったらいちいちむきになったりして、いつも怒ってるけど・・・好き」 嗣永の想いを初めて聞いた気がした。 今までもメールや電話で何回も好きだと聞いてきたが、この¨好き¨はいちばん心がこもっていた 1 ・・・今日はもう帰るんだ。でもしばらくこうしてよう 2 俺の家に来い 3 違うところに行こうか 「今日はもう帰るんだ嗣永。部活がない日はゆっくり休め」 「・・・うん・・・」 「でも、しばらくこうしてよう。な」 「せんせぇ・・・」 嗣永の本音が聞けた。 いや、俺がずっと気が付かなかっただけなのか。 小さいな。こうして抱くと思った以上に小さい 外が暗くなり始めたころ、俺は嗣永の体を離した。 「1人で帰れるか?」 「うん、平気。せんせぇばいばい、また明日ね」 薄暗いせいでちょっと離れただけなのにもう見えなくなってしまった。 「・・・また明日、な」 もう嗣永はただの生徒じゃない・・・ ただの先生ならば、生徒はその先生を好きだと言うだろうか? そっとアパートの鍵を開けた。 この部屋はもう生徒が何人か入っている・・・ 次は嗣永かもしれない