「・・・・・・」 

予報なんてあてにならねえな。 
雲一つない快晴だと?果たして何を見てそう予想したんだ。 
見事な雨で肌寒い。半袖で来ちまったじゃないか。 
「くしゅんっ!!」 
・・・寒い。早くあったまりたい、ぬくもりがほしい。 

部活の顧問やろうかな。 
毎日ただ放課後までしか学校にいないっていうのはよくない気がする。 
時間は無くなるだろうけどちょっと考えてみようかな・・・ 

嗣永だってバスケ部に入ってるし、梅田は最近テニス部に入ったらしい。 
「遊びに来て。見せパンくらいなら見せてあげるから」 
なんて言ってたが真面目に部活してるか心配だな。ちゃんと見てやらなくちゃ 

毎日が充実してる生徒は生き生きしてる。教師をしてるとだんだんわかる様になるよな 

「・・・・・・傘」 

さて、帰りたいが傘がない。どうしよう 

1 濡れて帰るか 
2 近くのコンビニで買う 
3 学校で借りていく 



そんなに大した距離でもない。濡れて帰ろう 

「なーんだこれくらいなら小雨だな」 
ふふ、思ったより大したことがなくて良かった。安心した。 
・・・雨って不思議だな。こういうちょっとの雨だとまわりが静かに感じるのはなんでだろう? 

ふと、時間が止まったみたいな錯覚に陥ることがある。 
そしてどこか物悲しくなる。雨は俺の気持ちを静かにさせる不思議な・・・ 

「ん?」 

道行く学校帰りの生徒たちの中に、ふと見覚えのある背中を見つけた。 
俺と同じく傘をさしてない。どうしたんだろう 

「・・・有原?」 
「わっ!せ、先生!」 
顔を見たら、文化祭でのあの保健室での出来事がフラッシュバックしかけた。だけど不謹慎なので考えるのはやめておいた 

「どうしたんだ傘もささずに」 
「先生もそうじゃん」 
「俺は予報を信じて傘持ってきてないだけ。お前もか?」 
「・・・うん、傘忘れたの」 

教師のカン、てやつか。 
有原・・・何か悩んでるな。無理して笑顔を作ってる。 

1 雨宿りしようか 
2 ・・・何かあったのか?俺に話してみなよ 
3 傘を買ってやるか 



「待ってな。傘買ってやるよ」 
「いいです」 
「遠慮すんなって。あとでかえせなんて言わないよ」 
「いいってば」 

めずらしいな。有原が嫌がるなんて。 
「いや、遠慮しなくてもいいだろ。コンビニの傘だけどそれくらいは・・・」 
急に有原が声を荒げた。 
「うるさいっ!!私にかまわないで!!」 
「お、おいっ!」 
そして走ってどこかへ行ってしまった。 
有原がああやって誰かにあんな態度をとったところは見たことがない。 

なにがあった、なにがお前をそうさせた。 

1 待てよ、なんだその口の聞き方は 
2 黙っておいかける 
3 今日はそっとしといた方が良さそうだ 



待ってくれ。いったい何があったんたんだ。 
声をかけようとしたがやめておいた。誰だってああいう気持ちの時は下手に刺激されたくないんだ 
そっと、見失わない様においかけた。 

有原、どこに行くんだろう。どこに向かってるんだ 
ここは・・・マンションか。もしかしたら有原の家なのかも。わりと学校から近いんだな。 
足、早いな。見失わない様にするのが大変だぜ。 

あれ、急に立ち止まったぞ。何か思いたった様な、そんな感じかな。 

「・・・?!」 
あ・・・目があっちゃった。まさか振り返るとは思わなかったぞ 
「せ、先生、なんでついてきたの?」 
「・・・お前をあのまま行かせちゃいけないと思ったんだ」 
「ほっといてよ!先生には関係ないでしょ!!」 

・・・荒れてる。あいつがこんなになるなんて、見ててつらいぜ。いつも明るい笑顔のあいつが 

1 その様子じゃ心配ないな、とわざと冷たくする 
2 関係なくないよ・・・何があった? 
3 おいで俺の近くに 



「関係なくない。何があったんだ?」 
「・・・・・・・・・」 

うつむいて口をつぐんでしまった。よほど言いたくないのか 
心当りはある。確証はないが、有原がこうなった原因はおそらく家族とうまくいってない事かもしれない。 
だが勝手に決め付けるのは早とちりだ。もしかしたら友達と喧嘩したのかもしれない 
ちょっと聞ける様な状態じゃなさそうだ。 
休ませた方がいいかもしれない。場合によっては無理して今日聞くのも良くないかも・・・ 

「先生・・・ごめんなさい。心配してくれたのに・・・」 
「気にするな。誰だってそういう時はあるよ」 
「・・・・・・」 

どうしよう・・・ 
ここにいても空気は重いままだ。場所を変えようか? 

1 歩きながら話すか 
2 学校に戻る 
3 近くに雨宿りできる場所が無いかな 



「・・・出ようか、ちょっと歩こう」 
「う、うん。歩こう。実は私もそう思ってたんだ」 

マンションから出て近くのコンビニで傘を買い、相合傘。 
思わぬ形で相合傘をした。予測できなかったな・・・ 
「さっき、ね、あのマンションから出たいって思ったって言ったでしょ」 
「ああ」 
ぽつり、ぽつりと、有原はしゃべりだした。 
「あそこ私の家なんだ。さっき走ってきたら無意識に来ちゃって、帰りたくないから戻ろうとしてたの」 
そこで俺と鉢合わせしたのか。 
「・・・今朝ね、親と喧嘩しちゃったんだ」 
しぼりだす様な小さな声。 
「えへへ、お母さんとは仲良いんだけど・・・お父さんとはあんまり・・・」 

話を聞く限りでは有原は片方の親としか話せないみたいだ。 
難しいよな・・・家族の問題って。 
「雨降りそうだから傘持っていきなって言われて。ただそれだけなのになんか言い方が冷たく思っちゃって」 
「・・・そうか、うまくいってないのか」 

涙ぐんでいる。これ以上話すのはつらそうだぞ。 
「先生、私帰りたくない・・・またお父さんと喧嘩しちゃうよ」 
「・・・・・・」 
何も言えない。無責任な発言ができない、どうしたらいいんだ 

1 厳しい言い方だけど・・・逃げてたって仲直りできないよ 
2 友達の家に泊まるのもひとつの選択肢だぞ 
3 ・・・なら・・・俺のとこに来るか? 



つらい。涙ぐんでいる有原にこれを言うのが・・・ 
でも・・・言うよ。有原のためになると信じて。 
「有原・・・逃げちゃだめだ。それじゃお父さんは振り向いてくれない」 
「え・・・わ、わかって、るよ、そんなの。わかって・・・」 
「そうやって逃げても、いつまでも目を閉じてても嫌なことはなくならないんだ」 
「う、あ・・・ううっ、んん・・・うああああん!先生の意地悪、そんな言い方しなくても、いいじゃん、うわああああ」 

たまらずに泣き出した有原を抱き締めた。 
・・・また見たいな。有原の笑顔、無邪気にはしゃぐあの姿。 


しばらく泣いている有原を抱き締めたあと、ささやいた。 
「・・・でも、今だけは逃げたっていいさ」 
「え・・・?」 
「帰りたくないなら、俺のとこにこないか」 
「・・・・・・・・・先生がいいなら・・・そうする」 

できなかった。 
有原を、この冷たい雨が降る中に置き去りにする事は。 
そのまま家に帰す事もできなかった。自分の家に来させるのが教師として正しいのか分からなかったけど・・・ 


「くしゅんっ!」 
「寒いだろ、すぐ暖房つけるからな」 

電気を点けてすぐに暖房のリモコンを持った。 
「・・・ねえ先生、お風呂入っていい?」 
「えぇ?!ちょ、ちょっと、いや、まだ沸いてないが」 
「シャワー浴びたい。寒くなっちゃった」 

家に来るなり何言ってるんだよ・・・! 
でも、震えてる。寒そうだ、早くあたためてやらなきゃ 

1 いいよ、すぐにあったまらないと風邪ひくぞ 
2 コーヒー煎れてやるからちょっとだけ待て 
3 あったかい上着を着せてやらなきゃ 



「いいよ、すぐにあったまらないと風邪ひくぞ」 
「ありがと先生。じゃあすぐに浴びちゃうから」 

承諾したぞ・・・ 
有原が震えてたんだ、早くあったまらないと大変だ。 
「のぞいちゃダメだよ」 
「し、しないよ!」 

いつまでもいるわけにもいかないので部屋に戻る。 
・・・無意識に耳をかたむけてしまう。雨音にまじり、シャワーの水音が聞こえてくる。 

いまごろ有原はどこ洗ってるのかな。最初はどこから洗うのかな・・・? 
おい何を考えてんだ。それよか、あいつのためにあったかいコーヒー煎れといてやろう。 

もしかしたらこの状況、色々な意味で大事な局面か? 
何げにかなりやばい状況じゃないだろうか。 

へ、下手をしたら先生と生徒の関係が壊れるなんて事に! 

・・・変なビデヲの見すぎだ。真面目に考えよう。 
有原の親と真剣に面談する必要がありそうだ、きちんと腹を割って話さなきゃ 

¨パタン¨ 

何かが閉まる音だ。シャワー・・・終わったのかな 

1 迷わず見に行く 
2 のぞくだけなら・・・ 
3 有原が来るまでちゃんと待つんだ 



見に行きたい気持ちを押さえコーヒーを煎れて待つ。 
のぞいたらダメだって言ってたし約束は守らなくちゃいけない。 

「・・・先生」 

「お、来たか有・・・」 

な・・・っ?! 

「ありがとう。シャワー借りちゃった」 
「お前!なんだその格好は」 
有原はバスタオルをまいただけの姿で部屋に戻ってきた。 
「びっくりした?うふふふ、先生顔赤いよっ」 
あの暗い顔じゃない。表情だけは戻っている。いつもと変わらない表情だった。 
おい・・・からかっているのか、俺を。 
「先生・・・」 
有原は俺の前に座った。 
「・・・エッチ、しよう」 

頭の中が弾けとんだ気がした。 
理性が切れたわけではないが、あくまで切れたつもりではないだけかもしれない 

見てもいいのか? 
バスタオルだけの姿を見てるとだんだん正常な判断ができなくなっていきそうで 

1 押し倒してバスタオルをはぎ取る 
2 どういうつもりだ、その言葉が何を意味するかわかっているのか 
3 力を入れて頬をはたく 



「どういうつもりだ、その言葉が何を意味するかわかっているのか」 
「わかるよ。だからしよう」 
「わかっちゃいない。お前は何もわかってない」 

下心なんて無かった。やらしい事を考えはしたけど、生徒をこうしてやろうなんて・・・ 
有原が何を考えてこうしようとしたのかはわからない。だが、それは良くない。 
「エッチってさ・・・あったかいんでしょ?二人でだきしめあうとすごくあったかいんだよね」 
そんなの誰から聞いたんだろう?よく読書したり、携帯で小説を読んでいると本人から聞いたが・・・ 
そこで知ったのかそういうことを。性について書かれてるのが多いが有原が見ているのは健全な内容なのが伺える様な言葉だな。 

「だから・・・ぎゅってして。エッチしてほしいんだ。だって・・・寒いんだもん、もうずっと体が寒くて・・・こごえちゃいそうなんだ」 

こんなに深い寂しさを抱えていたのか。 

1 何も言わずに抱きしめる 
2 コーヒー飲みな。先生としばらく一緒にいよう 
3 せめてキスくらいしかできないけど・・・ 



「先生・・・っ」 

痛いくらいに有原を抱き締めた。力の限り・・・ 
「はぁっ、痛いよ、ちょっと、苦しいってば」 
「熱いか?」 
「まだ寒いけど」 
「有原が熱いって言うまで離さないからな」 
「寒い・・・今日はずっと寒い・・・」 

どれくらい抱き締めていただろう。気が付くと、有原はすやすや寝息を立てていた。 
さっき、昨日は夜遅くまで悩んで寝られなかったって言ってたからな・・・ 
安心してくれたのかな。とりあえずベッドに運ぼう。 
バスタオルだけってわけにもいかない、かと言って勝手にあいつの服を着せるのも・・・ 

厚手の上着を羽織らせ、肩や足を包んでから毛布をかけた。 


・・・今日は床で寝るか。 

おやすみ、有原。 
せめて夢の中では苦しみから解放されます様に・・・ 

雨は夜の闇の中に降り続いていた。いつ止むのか、俺にはまるでわからなかった。 


(中略) 教師はどっかの執事とは違って倫理(ry (;執事)<面目ありません・・・ (マネ)<倫理観か (マネ)<りんりかん (;マネ)<りんり・・・かん (;マネ)<りん、かん・・・ (*マネ)<輪姦! ノノl;∂_∂'ル<情けない・・・こんな人の恋人なんて