楽しかった文化祭も無事に終わった。 
そして翌日はその後片付け 

盛大にやったので片付けにも時間がかかりそうだ。だから今日は1日費やすだろうな 

「くそ、こんな深く画ビョウ刺して・・・抜けないじゃないか」 
画ビョウひとつ外すのも手間がかかるな、こりゃあ。 
「いったよ〜えりかちゃーん」 
「よーし!ここでこのえりか様がアタックなんだよ!」 

ったく、徳永に梅田のやつさっきから遊んでるな。 
「えりかアターック!」 
「ぐあっ?!」 
「あ、先生いたの?」 
「教室でバレーをするな!どこからボールを持ってきた?!」 

ふざけすぎだろおまえら。 
「早く教室の飾りを剥がせ」 
「そーいうのはオトコの仕事だよね」 
「そうそう、うちら女の子はか弱いんだから」 
「か弱いくせにいいアタックだったぞ。見てみろこの顔、真っ赤になった」 

まったく・・・ 

1 無理矢理手伝わせる 
2 そうだ、嗣永はどこだ? 
3 次はゴミの整理をするか 



あいつらはほっとこう。次はゴミの整理をするか。 
「先生早く手伝って〜」 
もうすでに何人か整理をしていた。大きめの段ボールがいくつも置いてあり、みんな満杯になっている。 
「こりゃ大変だな」 
「来年も使えそうなのは取っといてください」 
男子と女子がまじってゴミの整理をしている。 
「なんだよこれ、こんなのどこにあったんだ?」 
「お化け屋敷の前に飾ってあったらしいぜ」 
真っ赤に塗られたでかいてるてる坊主・・・こりゃゴミだな。 
「あっ、これ捨てちゃだめじゃん!」 
すると嗣永がゴミの中からかつらを見つけた。 
「なんだそりゃ嗣永」 
「これ、ミスコンで使ったやつですよぉ。来年も使い回します」 
み、ミスコンか・・・そういややってたみたいだな。今年は誰に決まったんだろう。 
「あ〜〜、衣裳もこの中に入ってる!」 
「これとか可愛いね」 
「メイド服まであるよ!うっわ〜どこで買ったの」 
いつの間にか梅田や徳永も整理をしている。というか漁っている 
「せんせぇ、これ着てみませんかぁ?」 
「・・・あ?」 
「絶対似合いますって!」 

1 お前が着れば? 
2 嗣永もゴミ箱に入る? 
3 するとまわりの生徒ものってきて・・・ 



こんなものを俺に着ろと?そんな馬鹿馬鹿しいことを。 
「嗣永、それよりさっさと片付けるんだ」 
「みんなも見たいよね?せんせぇのメイドさん!」 
「いらっしゃいませご主人様って言って先生」 
「早く早く、見たい!」 
う、梅田、徳永、なんでのってるんだよ? 
「お、俺も・・・見たいかも」 
「オマエそういう趣味が・・・!」 
なんで男子も見たがってるやつがいるんだ。 
「ほらせんせぇ、覚悟決めなよ。もう収拾つかないよ?」 
「おまえらが勝手に騒いでるだけじゃねえか」 
「みんなー!今から先生がメイドさんになりまーす!」 

・・・は、な、なんだその歓声は?! 
お、ブーイングも聞こえる。でも小さいぞ・・・ 
考え直せ。こんなしけたオトコのメイドなんか見てなにが楽しいんだ。 
「さあもう引きかえせないよせんせぇ」 
「ちゃんとメイク道具もあるから安心してね」 
「先生を女の子にしてあげる」 

1 いい加減にしろ!!まじめに片付けろ!! 
2 俺一人は嫌だね、誰かやるなら考えてもいいよ 
3 ・・・よし、俺も男だ。やってやろうじゃないか 



こんなメイド服、うわ、なんだこのスカート!うっかりしゃがめないじゃないか 
まるみえだぜこの短さ! 

「せんせぇどうするの?今やるの、あとでやるの、どっち」 
「俺一人じゃいやだな。嗣永や梅田、徳永も一緒なら考えてもいいよ」 
・・・嫌だって言うよな。こんな短いスカートだ。羞恥プレイ以外のなにものでもないぜ 
「約束だよ。もぉはやるもんっ♪」 
「私も。みんなにサービスサービスぅ!」 
「じゃ私も!長〜い脚見せてあげる」 
・・・素晴らしい生徒だ。見事だな、うう・・・ 

こうしてうちのクラスだけでミスコンをやる羽目になったわけで 

「はいせんせぇ、動かないでね〜」 
「かわいく生まれ変わるのよ」 
「化粧は思い切り濃くしてあげる」 

・・・わかるぞ。いまこの世界におぞましい生き物が誕生しようとしているのを。 
「完成♪あとはメイド服に着替えてね。もぉ達も着替えるから」 
「のぞいたら大変だよ」 
「開けたらだめよ♪」 

更衣室の方に入っていく三人。 

1 迷わずついていく 
2 まず自分の顔を鏡で見てみる 
3 き、着替えてみるか・・・ 



「せんせぇはエッチだからついてきちゃだめですよぉ」 
「そうそう。先生ってむっつりっぽいし」 
「二人とも何か知ってるの?私はそう見えないけど」 
「ちぃちゃん知らないっけ、あのね〜せんせぇね〜」 
「こら嗣永。余計なことをしゃべるな」 
「あ、ごめんなさい・・・ってなんで更衣室にいるんですかぁ?!」 

・・・しまった 
こっそりついてきて気配を消してたのにしゃべっちまった。 
三人ともブラウスのボタンを外し掛けたとこなのに 
「「「出てって〜!!」」」 
三人の息の合ったキックで更衣室から追い出されてしまった。 
「つれないなぁ。ま、いいか。着替えよう」 

これ・・・どうやって着るんだ?一応説明書はあるけど。 
「サイズでかいな、男用のもあるのかな?」 
・・・パンツもある。見せる用パンツか。 
これも着替えろってことか。嗣永、覚えてろよ 
「ううぅっ、は、恥ずかしい・・・」 
スカートなんてはいたことねえぞ、なんだこの恥ずかしさ。 
大丈夫か?一人でもこんなに恥ずかしいのに教室に戻ったら 

1 か、鏡を見よう・・・ 
2 見るとトラウマになりそうだ。それよりあいつらを呼びにいこう 
3 誰だ?!ドアが開いた! 



すっかり変な方向に気分が舞い上がっていたところにドアが開いて誰か入ってきた。 
「?!」 
あ、あれは、 

「う、うわ、うわわわわわ・・・!!」 
「・・・・・・?」 

とてもあわてた背の小さな男子と、割と冷静な女子。 
あれは岡井君と萩原じゃないか。なんでこっちの方に? 
「す、すす、すいません、ガムテープってこっちに、ああありませんか??」 
「いこ千聖。この人、なんか危なそうだよ」 

二人はドアを閉めて去っていった。 
ドアを開けてから閉めるまでにわずか十秒も無かったが、とても長く感じた。 
・・・俺だと気がつかなかったのか?俺はいまどんなメイクしてるんだろう。 
いや、この状況だと気付いても指摘はしづらいよな・・・ 

1 三人を呼びにいく 
2 先に教室に戻る 
3 他に見せパンがないか探す 



もう着替えおわっただろう。よし、呼びに行くか。 
「お待たせぇ〜」 
しかしすでにこっちにむかってたみたいだ。まず嗣永、次に梅田、徳永が・・・ 

「どうですかぁ?似合いますかぁ?」 
「うっふーん。これで男子を悩殺しちゃうんだよ」 
「先生どう?かわいい?」 

梅田も徳永もめちゃ脚が長いぞ。それに、こんなスタイル良かったのかよ・・・ 
つ、嗣永、足短い。膝の位置が違いすぎる。 
「せんせぇも・・・ぷっ、くく、かわいいよ」 
「だ、だめ、さっき我慢してたのに、うひゃひゃ、ぷぷぷ」 
「あ、あのカオにメイド服・・・もうだめ、笑っちゃう!」 

まだ鏡は見てないが俺は出オチの可能性が高い。 
というか間違いなく出オチだろ。女子三人に先生じゃ 

「い、いこ、せんせぇ、ぷっ、くすくす」 
・・・おまえらあとで覚えてろよ。本当に覚えてろよ 

教室に戻った俺たちを生徒は歓声で迎えた。 
まず嗣永 
「ぶりっこしてんじゃねーよ。でも、かわいいな」 
「お、おい、あれいけるんじゃね?」 
なかなかいい反応だな 
次に梅田 
「えりかちゃんすごーい!細〜い」 
「羨ましい・・・」 
主に女子からの反応がいいみたいだな。 
続いて徳永 
「うわ、マジで徳永か?あいつあんなに・・・」 
「か、かわいい・・・」 
な、なんかみんな反応がいいじゃないか。 
だが残念だったな。次に待っているのは地獄だぞ 

「キモい!」「なにあのタラコ唇、真っ赤じゃん」「うっははは、ちょ携帯でとろうぜ!」「明日壁に画像印刷して貼りだしちゃえ!」 
男子には笑い者、女子には気持ち悪がられ・・・ 
うわ、物まで投げて、いてっ! 

「みんなはもぉのご主人様ですぅ♪」 
「一生懸命ご奉仕しちゃうんだよ♪」 
「この脚はご主人様だけのものですよ〜♪」 

き、決め台詞まで! 
俺も何か言わなきゃ、えっと 

1 月に代わっておっしおきよ〜! 
2 あなたの人生変わるわよ♪ 
3 遊びでやってんじゃないんだよーっ!! 
4 希望する台詞を書いてください 

4 
「ガヤ子が例えてあげる♪」 
→「お前らも仲間にしてやろうか!」 



「遊びでやってんじゃないんだよーっ!!」 
ホウキを手に持ち突き刺す様に前にかかげた。 
「じゃあ先生はまじめに女装してるんですか」「かっこいいですよ先生」 
「うるさいっ!!だまれっ!!!」 
みんなが見ている。きっと、この姿を見てこの先も笑い続けるだろう。 
だけどいつか気付いてほしい。たとえどんな事でもやりきる事の難しさ、すばらしさを。 
そのためなら例えいま笑われたって大丈夫なんだ。 
・・・だめだ、こう思ってもなぐさめにならない。 
「そうだ、写真撮ろう。携帯じゃなくてカメラで!」 
「じゃあ俺がカメラを」 
「だめです、先生は真ん中にいてください」 
ちっ、だめだったか。 
悪いがこの写真のデータは消すぞ、これは残しちゃいけない。 

「ハイ、チーズ!」 

「さぁカメラを渡せ嗣永」 
「だめですぅ、せんせぇデジカメのデータ消すつもりでしょ」 
「消さない。消さないから貸すんだ。いい子だから貸しなさい」 
「えりかちゃんパス!」 
「こら!梅田それを渡せ」 
「逃げちゃえ〜」 
「わぁ〜〜〜」 

逃がさないぞ。 
教室の外に逃げたって無駄だ、待てっ! 
「鬼さんこちら、手の鳴るほうへ!」 
「先生おそーい」 
「早くしないと逃げちゃうよ〜〜」 
「待ておまえら!!はあ、はあっ」 

廊下を抜けて階段をかけおり、校舎から出ようとしている。 
くそっ!逃がさないぞ、必ず学校の中で捕まえてやるからな。 
間違えても絶対に校舎からは出さないぞ! 

「もっと早く走ろう!」 

しかしあっさりと取り逃がしてしまった 

「く、くそ〜〜〜〜」 

三人は校門の前で待っていた。近寄ればすぐに逃げ出しそうだ。 
「せんせぇどうしたの?追い掛けてこないの?」 
もしこんな格好で外に出たら逮捕される。あいつらは別に大丈夫だけど・・・ 
大人ってつらいなぁ。こんな時子供が羨ましいぜ。 

いや、この際かまわない。あのデジカメは必ず奪ってやる! 
「わっ来た!みんな逃げよう」 

ついに校門から出たがすぐにおまわりさんに見つかってしまった 
「何をしてるんだ君は」 
「あ、怪しい者じゃないんです、すぐそこの学校で教師をしてまして」 
「・・・わかったからあまり顔を近付けるな。見たくない」 


そのあいだにまんまと逃げられ、翌日からしばらく壁に世にもおぞましい集合写真が貼り出されていた。 

嗣永、梅田、徳永。それにみんな・・・ 
いい思い出になっただろ?俺は生徒に素敵な思い出が増える事が嬉しいんだ。 

今夜はやけ酒だな 


| ’w’)<(みんな楽しそう・・・) | ´w`)<(いいなぁ・・・)