B館のお嬢様達がこちらに来られてからはそれはもう毎日が慌ただしく・・・ 今は静かな時はこういう早朝くらいしかありません。 おやすみになる寸前まであちこちから騒ぐ声が響いてきます。 我ながら普段より早く目が覚めるなんて珍しいな・・・ 朝のご挨拶までまだ大分時間がある。もう少し眠ろうとしたが目が冴えて眠れない。 なので気晴らしにお屋敷の外へ出かけることにした。 「・・・おや?」 するとそこにいたのは 1 C館のお嬢様(希望する人を書いてください) 2 B館のお嬢様(希望する人を書いてください) 3 か、河童?! 薄暗いのでよく分からなかったけど・・・人影を発見した。 あの頭の形ちょっと変だぞ。人の姿をしてはいるけど、なんというか・・・変な感じだ。 記憶の中から該当する人物がいないか探してみたけれど誰もあのシルエットには当て嵌まらなかった。 向こうは僕に気付いていないみたいだ。いったい何をしてるんだろう。 そういえば以前愛理お嬢様からここには河童がいるとお聞きした気がする。 あの人影はまさか・・・あっ、どこかに行こうとしている。 1 追い掛けてみよう 2 危ない、襲われるかもしれない 3 急に誰かに背中を押された 追い掛けてみよう。せっかく見つけたんだ。見つからない様にそっと・・・ しかしあの人影、やっぱり見覚えが無いな。本当に河童なんだろうか? B館の方だったけど熊やあんな大きなカエルがいたから河童がいたって不思議では無いけれど。 その人影は足早に薄暗い空気の中を進んでいき、池の前で立ち止まった。 何をするつもりだろう。とにかく、立ち止まったなら近づくチャンスだ。 そっと近づくにつれて少しづつ見えてきた。思ったよりも小柄みたいだけど・・・まだよく見えないな 1 ほふく前進で近寄る 2 こっちに気付いた?!まずいです! 3 何か物を投げてみる 僕とあの人影の間を遮る物は何もありません。なので見つからない様に慎重に近づかねば・・・ 幸い、辺りは少々霧がかかった様に視界がぼやけているので向こうも簡単には気付かないはず。 ¨がさっ¨ え、き、気付かれた?! その人影は僕の方に顔を向けて警戒している様子・・・ その場から立ち去るかと思いましたが立ち尽くしたままで僕を見ています。 「・・・執事さん?」 驚いたことにその人影、いや人物は僕を知っている様でした。 どうやら河童でないことはわかりましたが、この人物が果たして何者かはわかりません。 さっきも考えたけどこういうシルエットに見覚えは・・・ やけに小柄で、髪も長いみたいです。 1 もっと近づいてお顔を拝見する 2 距離を保ったまま誰なのか尋ねる 3 身の危険を感じる、やられる前にやらなければ 惑わされてはいけない! このお屋敷には新種の生物や果ては人ではないお嬢様までいるのだ。 幸い皆さん好意的だったけど、中にはこうして人を惑わそうとする存在がいてもおかしくはない。 この人影はきっと僕を騙して襲うつもりにちがいありません。 そう簡単にはやられたりしない、やられる前にやらなければ! 無事にお屋敷まで戻るのだ。お嬢様達を悲しませてはならないのだから・・・ 「うわぁああああああ!!」 「ちょ、何するの執事さんっ?!」 襲ってやろうとしたが避けられてしまい、そのまま前にある池へと・・・ ダメだ。このままでは落ちてしまう! 「大丈夫?」 するとその人影に手をつかまれた。そのおかげで僕は落ちなくて済んだ訳で・・・ 「あ、ありがとうございます・・・」 「もう。ホント変な人」 あれっ、この声、聞き覚えがあります。まさかあなたは! 「さ・・・佐紀お嬢様?!」 そのお声、そしてかわいらしいお顔に小柄なお身体・・・確かに佐紀お嬢様です。 しかしいつもといくつか違うところがありました。 まずひとつ、髪が伸びて肩にまでかかっている事、それと色が少々青くなっている事。 そ、そして、僕の手をつかんでいらっしゃるその手に・・・指と指の間に水掻きらしき部分が。 「どうなさったのですか?!そのお姿!」 「・・・見られちゃったか。私、¨こっち¨の方が速く泳げるから時々こうなるの」 お言葉は悪いですが、まるで半魚人の様な・・・ そういえば普段から水の中でも呼吸をしていらっしゃるし、こういうお姿になっても不思議ではない様な。 「あんまり見られたくないからこうやって誰もいない時間に泳いでたんだけど・・・」 「す、すみません、見てしまいまして・・・」 「・・・いいよ。でも、この姿、私と執事さんだけの秘密にして・・・」 1 もちろんです、と指切り 2 別に隠すことではないのでは? 3 こ、心なしか膨らみも若干大きくなっている様な・・・ 「もちろんです、佐紀お嬢様」 「・・・ありがとう」 水掻きがありましたが幸い指の先まではついていなかったので、無事に約束の指切りをかわせました。 「あの、この間は失礼な真似をしてしまい申し訳ありませんでした」 「いいよ、もう怒ってないから。でも・・・うふふ、私を見て興奮しちゃったんだ」 「・・・は、はい・・・」 「正直だね。なんか自信ついちゃったかも」 ・・・自信? 「なんでもない、じゃそろそろいくね」 少し笑ってから佐紀お嬢様は池に飛び込みました。 「いつか一緒に泳ごうね!私、負けないから!」 そしてものすごい速度で川に向かって飛んでいきました。 泳ぐというより飛ぶといった方が正確かもしれません、あの速度では・・・ もしかしたら他のお嬢様も僕が知らない様な秘密を持っていらっしゃるかもしれない。 良かった、佐紀お嬢様とまた仲直りができて・・・ 一緒に泳ぐのはまだ考えさせてください。只の凡人である僕では追い付けません