最近なんだか朝が静かに感じる。なんでだろう 

・・・きっと、あいつからの電話が無いからかもしれない。 
いつも毎朝頼んでもいないのにかかってきたあの電話。 
その電話が無くなったんだ、急に。丁度・・・あいつが俺の家に来た日の次の日から。 

こっちから電話するのもヘンだし、いまは夏休み中だから会えないし。 
・・・会えない? 

な、何意識してるんだよ。おかしいぞ俺は。 
別にあいつが、嗣永がどこで何をしようが俺には何も関係ないはずじゃないか。 

¨ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ¨ 

「うわあっ?!」 
びっくりした!急に電話かかってきたから。 
噂をすればこの番号・・・嗣永だな 

1 迷わず出よう 
2 知らないふりする 
3 そんな事してる場合じゃない、外に逃げよう 



気がつけば迷わず出ていた。 
「もしもし、嗣永か?」 
「せんせぇ!久しぶりぃ〜♪元気してたぁ?」 
相変わらずうるっさい声だなぁ。声割れしてるぞ、受話器からもれてるんじゃないか。 
「ああ。ここ最近は朝が静かでぐっすり眠れたよ」 
「寂しかったでしょお?でもまた明日からはもぉが起こしてあげるからね☆ウフフフフフ」 

うれしくない・・・またストレスがたまりそうだぜ。 

「せんせぇ今日は暇ですかぁ?暇でしょ、ねえ」 
「いや悪いが今日は親戚のとこに行かなくちゃならない」 
「じゃあ〜、お昼頃そっちにいきますから!」 
おい待て、用事があると言ってるだろうが。 
「ことわったら夏休み明けは大変ですよ?クラス中にせんせぇの家にもぉがいった事が知られてるかも・・・」 

な、なんだと・・・?!先生を脅迫するつもりか! 
「別にもぉはばれてもイメージ悪くならないし、でもせんせぇは・・・ウフフフフフ」 

こ・・・こいつ、犯罪者の素質十分じゃないか・・・ 

1 だから今日は無理、明日にしてくれ 
2 あまりふざけてると怒るぞ嗣永! 
3 仕方ない・・・親戚には謝っとくか 



仕方ないか、言い触らされたら大変、っていうかめんどい。 
あとで親戚には謝っておこう 

「わかった。暑いから気を付けろよ」 
「せんせぇだぁーいすき♪じゃあお昼にいきますねぇ〜〜」 

見事に振り回されてるな、俺。なんか悔しいなぁ・・・ 
教師っていう立場が無意識に心にブレーキをかけてるんだろうか?昔は受け身じゃなかったんだが 

・・・もうこんな時間か。嗣永が来るまであまり時間はないな。 
今日も暑いな・・・部屋の中ですら暑いのに、外なんかでたら溶けちまうんじゃないだろうか? 

嗣永、大丈夫かな。 

1 ここに来たら冷たい麦茶出してやるか 
2 途中まで迎えにいくか?心配だし 
3 そうだ、来たら脅かしてやろう。隠れて待つか 



そうだ・・・いいこと思いついたぞ。 
あいつには振り回されてばかりだ。たまには脅かしてやってもいいだろ。 

もうすぐ来るはずだ、よし。ベッドの下に隠れてやる。 
鍵はあけといたぞ、さあ来い。 

「せんせぇ〜♪おじゃましまぁーす」 

くっくっくっ、きたな嗣永。 

「あれぇ〜?いないじゃないですかぁ〜」 

見つかるはずないな。まずいきなり来てベッドの下は見ないだろうからな・・・ 

「へんだな〜。ちゃんと麦茶は出してあるのにぃ」 

俺に背を向けた。脅かしてやるなら今だ 

1 まだ出ないで待つ 
2 飛び出して嗣永に抱きつく 
3 ・・・なんだ?!もう一人来たぞ?! 



思いっきり驚かせてやる。ふっふっふっ、ふっふっふっふっふっふっ。 
「ばぁ〜〜〜〜!」 

ベッドの下から飛び出して嗣永に後ろから抱きついた。 

「ッ?!きっ、きゃああああああああああああああああああああああ!!!!」 

・・・うわ、すごい声。こりゃ間違いなく隣や下にも響いたぞ。 
「せ、せせ、せんせぇ?!なにしてるの?!」 
「暇だから脅かしてみた」 
「はなしてぇええ!もぉおめっちゃ怖かったんだからぁあ!!」 

これはいい反応だな。もう泣き始めてるぞ。 
ふっふっふっ・・・ 

1 誰か来たらやばいのでまずドアを閉める 
2 いたずらで押し倒す 
3 やりすぎたな、ごめん 



通報されたらやっかいだ。まずドアはしめてしまおう。 
ふぅ、これで誰か来てもなかをのぞかれない、とりあえずは助かったな。 

「もぉ〜バカ!バカ!マジびっくりしたんだからぁ」 
「ああそうか、かわいかったぞさっきのお前は」 
「うるさい〜!」 

嗣永・・・可愛いな。いつものウザい感じとは違って 
からかわれるのは好きじゃないけどこうやって振り回すのはなかなか・・・ 
「そうだ、お前何か用事があって来たのか?」 
「ないです。ただ、あいたかっただけ」 
「なんだそりゃ」 

嗣永は俺の腕にぎゅっと抱きついて体を密着させてきた。 
う、梅田もでかいが嗣永もなかなか・・・しかも嗣永は全身がやわらかいんだよな 
・・・いけない、そういう事を考えたら・・・ 

1 腹減ったな、何か作るか 
2 外いかないか。家じゃつまらないだろ 
3 ・・・お前さ、エッチってしたことある? 



気分を変えよう。 

「どっか行かないか?ここにいてもつまんねーだろ」 
「いいですよぉ。せんせぇと一緒なら♪」 

・・・休みに教え子とどこかへ出かける。 
なんか・・・いけないことをしてるみたいだな。 
いけないか。自分の家に生徒を招いてる時点で。 

誰かに見つからないようにしなきゃな。 

「わぁ〜、デートだぁ。せんせぇと夏休みにデートぉ〜」 
「あんまりはしゃぐな」 

お、おま、そんなに胸を押しつけるな。腕にやわらかい感触がぁ・・・ 
「あ、いまなんかやらしい事考えてたでしょ」 
「ば、バカ!ガキが大人をからかうんじゃない」 
「ウフフフフフ・・・☆」 

なんか調子くるうなぁ。嗣永は 

1 近くをぶらぶら散歩してから帰るか 
2 涼しいからカラオケ行こうぜ 
3 隣町まで行ってみようか 



せっかくだから隣町まで足を伸ばしてみようか。 
こっちじゃ見つかるかもしれないが隣町ならまだ確率は低くなるだろうし 

「わぁお、ここって」 
「ひとつ隣の駅だよ、都心寄りの方な」 
「ここって来たことないんですぅ、何があるんですかぁ?」 
「いっぱいあるだろ、ざっと見回してみろ」 

俺の言った通りに、辺りを見ている嗣永。 
おしゃれな服屋もあるしカラオケもあるし、ゲーセンも・・・ 

「どこに連れてってくれるんですかぁ?」 
「そうだな・・・じゃあ」 

1 服でも見ようか 
2 暑いからまず日陰で休もう 
3 腹減ったな、ラーメン食おうぜ 



「服見ようか」 
「はぁ〜い♪ウフフフフフ、楽しみぃっ」 

嗣永にはどんなのが似合うかな。はっきり言って個性的だからな・・・こいつは。 
「わぁ〜〜♪ねえねえせんせぇっ」 
「おま、外で先生はやめろよ」 
「見て!これぇ。ウフフフフフ♪」 
嗣永がうれしそうに指差しているのは、水着。 
「見たいでしょ、見たいよね?言いなよ、叫んでよぉ」 
「・・・それが欲しいのか」 
「別に。普通の服が欲しいんですぅ」 

お気に入りのはもう選んでるみたいだな。 
「じゃあ試着しますねぇ。あのぉ、着たら声かけますから見てくださぁい」 
「いいよ」 

試着室のカーテンを閉めてから、しばらくして合図が。 

1 開けてみる 
2 わざと開けない 



なーんか嫌な予感がする。 

「早く開けてくださいよぉ〜」 

開けずにしばらく待っているといきなりカーテンが勢い良く開いた。 

「開けてってゆってるじゃないですかぁ〜〜!」 
な、なんだその格好は?!お前っバカ・・・! 

「せんせぇがカーテン開けて叫んだらもぉの勝ちだったのにィ〜〜!」 
この娘、バカじゃないかしら。わざわざ服屋にまで着てそんなもの仕込んで。 
スクール水着、ご丁寧に胸元に名前つき。 
カバンの中にしこんどいたのかこのアホは・・・ 
ていうか仮に俺から開けてもこれじゃ叫ばなかったと思うがな。 

こいつ、普通じゃ思いつかない事をするな。なかなか面白い思考回路だ。いい意味でね 

「困りますお客さん、外から持ち込まれては」 
「す、すいません・・・」 
「ごめんなさい。この人常識が無くて」 
「勝手におまえが持ってきたんだろ!」 


はぁ、なんだかどっと疲れちまったわ・・・ 

1 おまえはそれ着て帰れ 
2 また家に戻るか 
3 え、まだ何か着たいのか? 



「まだ全部着てないですよぉ」 
「わかったよ、早くしてくれないか」 
「ウフフフフフ♪」 

またしばらくして合図があった。めんどいので無視していると再びカーテンが開いて・・・ 

「だから開けてってゆってるじゃないですかぁ!」 
「うわ、お前、いつの間にビキニを?欲しくないんじゃなかったのか」 
「着てみたかったんですよぉ、似合います?」 
「・・・普通」 

見るな、ばれる。胸元を見たら見てる事がばれそうだ。 
こいつ・・・着痩せしすぎじゃないか。制服のブラウスじゃ目立たないのに 
「顔あかいですよぉ〜〜〜?えっちぃ、見たんでしょぉ??」 
「やめろ嗣永・・・また店員に怒られるぞ」 
「お客さんそういう事は家でやって下さい!」 

うわ〜あの女の店員怒ってるな。こりゃいづらいなぁ・・・ 

俺たちは適当に切り上げて帰ることにした。 

駅の改札をでたら空はかすかに夕方になっていた。結構長い時間過ごしたんだなぁ。 

「あっつ〜い」 
ぴょんっと階段を降りる嗣永。まったくガキみたいに跳ね回って・・・ 
「うふふぅ、せんせぇとデートしちゃったぁ」 
「べ、別にデートじゃないだろ・・・」 
「嬉しいくせにぃ♪せんせぇってあれでしょ、ツン・・・なんとかってやつ」 
「そんな言葉聞いたことないぞ、勝手につくるな」 
「ありますよぉ、普通にみんな使ってるしぃ」 

はぁ、なんかどっと疲れたな。 

「じゃあせんせぇ、今日は帰るね」 
「おう。気を付けてな」 
「ウフフフフフ・・・♪」 

な、なんだ?嗣永、俺の手を取って何す・・・ 

¨ぷにゅっ¨ 

な、な・・・?!え?お、俺の手が嗣永の胸を 

「これでまたデートしたくなりましたよね?じゃあね〜」 
「こっこら待て嗣永・・・!」 

は、早い、なんて逃げ足の早さだよ。 
おい、俺をまた振り回すつもりなのか? 

それはそれで悪くは 
いや悪いだろ、わ、悪いはずだ。別に嗣永なんて好きじゃない! 

す・・・好きじゃない・・・