毎日毎日暑い日が続く… 

けれど陽があがりきらない早朝ならば、ある程度は過ごしやすいものです。 


今日はいつもよりも早く目が覚めたので、C館の敷地内を散歩する事にしました 

あぁ…心地よい風…鳥のさえずり…木々の葉が擦れる音…自然のBGMが日々の実務に疲れた私を癒してくれます。 

これも早起きは三文の得……でしたね。 
そんな気がします 

そんな事を考えながら散歩していると… 

『しつじさーん! おはよー!!』 


後ろからタッタッタッと小気味よいリズムで走る音と声が聞こえます 


この声は…舞美お嬢様 

日課の早朝ランニングですね…いつも活発なお嬢様です 


1 敢えて気付かないフリをする 
2 振り返ってお嬢様おはようございますとあいさつ 



『舞美お嬢様おはようござ…ってうわっ!!』 

振り返った時には、既に舞美お嬢様は僕のすぐ後ろまで走ってきていました 
さっき声が聞こえた時は、まだ随分後ろの様な気がしたんですが… 

『おはよ♪ 執事さん何驚いてるの?』 

『い、いえ(汗 こんな近くまでお嬢様がこられてるとは思わなかったもので』 

『そう 驚かせてゴメン! でもこんな時間に執事さんが外歩いてるの珍しいね!』 

『今日はいつもよりも早く目が覚めたので、ちょっと外の風に当たりに来たんです』 

舞美お嬢様 結構な速さで走ってきただろうけど、もう息が整ってる 
汗を書いてもそよ風に舞う髪とお嬢様全開の笑顔が朝からとても爽やかです 

『そういや、執事さんとこうやって二人になる事もあまりないね!』 


確かに、舞美お嬢様と二人っきりになるという事は余り無かった気がしますね 


『ねぇ 執事さん・・・ 


1 『一緒にランニングしよう♪』 

2 『一緒に鬼ごっこしよう♪』 

3 『一緒に何か話をしましょう♪』 



『一緒にランニングしましょう♪』 

『ランニングですか? 舞美お嬢様の様には走れませんけど…』 

『いいよ! ゆっくり走ってあげるから!』 

そういや、最近体を動かした運動はご無沙汰だ 
ここはひとつ、舞美お嬢様と一緒に走ってみよう 



………と、ランニングはじめたのはいいものの、やはりすぐに息があがります 

足も前に進まず、息は上がり、ペースダウン 
ゆっくり走るハズの舞美お嬢様がドンドン遠くに……… 

お嬢様の姿が大分小さくなられた頃… 

『おーい!執事さーん! だいじょーぶ〜?!』 

と舞美お嬢様後ろ向きながら走ってます 

『お嬢様ー! 後ろ向きで走られるのはあぶないですよー!!』 

『だいじょーぶ…ってキャア!!』 


舞美お嬢様は足がもつれたのか倒れてしまった! 

1 ほら言わんこっちゃないじゃないですかぁ〜 とたしなめる 
2 お嬢様どうなされましたか?! と声を掛ける 
3 ドジですなぁ〜と笑う  



『お嬢様大丈夫ですか?! どうなされましたか?!』 


『う…うん 大丈夫! ちょっと足がもつれ…って痛ッ!』 

『どうしました?! どこか痛みますか?!』 

『痛くて足首に力が入らない………』 



舞美お嬢様 どうやらねんざされたみたいですね! 


1 助けを呼ぶ 
2 車を取りにいく 
3 取り敢えず応急処置 

4 お屋敷までおぶっていくしか! 



以前 愛理お嬢様がケガなされた時何も出来なかった後悔から、救急用の道具を持ち歩いていたのが幸いした 

私は包帯を舞美お嬢様の足首に巻き、一時的な応急処置をした 


『執事さん こんな事も出来るんだね!』 

『ええ 昔キャンプをやった時に 足を滑らせて自分がねんざしまして その時に巻き方を覚えたんですよ』 


よし、これでケガは大丈夫…だけどどうやって帰ろう? 
車を取りに帰るには遠いし…携帯で助けを… 


あぁ!? 電池切れ??! 

仕方ない… 

『舞美お嬢様! 僕の背中に乗って下さい!』 

『えっ?! 大丈夫大丈夫! 歩ける歩け……っ!!』 

『無理なさらないで下さい ねんざは甘くみると1ヶ月以上は掛かりますから ここは甘えて下さい』 

『…………うん……』 

舞美お嬢様は少々遠慮がちながら、私におぶさりました 

『……執事さん』 
『はい?』 
『私 重くない?』 
『いやややとんでもございません! 舞美お嬢様位なら全然ですよ!』 


舞美お嬢様は体を預けて、私にピッタリとくっついてる 


………ので、なんといいますか、舞美お嬢様の汗の香りと、背中にふにゃっと当たる柔らかい感触のせいで、若干イケナイ妄想が頭をよぎってしまいます 
太腿も適度に鍛えられたいい感じの感触で………ってダメだダメだ! 


『ねぇ 執事さん………って、いいニオイするんだね♪』 


『そ、そうですか?? きっと朝したシャンプーの匂いですよ』 


思わずドキッとしました(汗 
このドキドキが舞美お嬢様に伝わってないといいのですが……… 


『ねぇ………執事さんて 好きな人居るの?』 



1 素直にはいという 
2 居ませんと答える 
3 舞美お嬢様は? と返す 



『舞美お嬢様は好きな方はおられるのですか?』 

『わ、わたし?! わったしはね〜……好きなのかは分からないんだけど、気になる人は居るの』 

『好きな方が居られるのですか 私も舞美お嬢様位の頃は学校の女子に見とれてましたよ』 

『執事さんそのコとは付き合えたの?』 

『いえいえ…告白なんてしてませんから 他にカッコいい男子も居ましたしね 舞美お嬢様が好きな方はどんなタイプなんですか?』 
『………私より結構年上な感じで、ちょっと頼りなく見えるんだけど、とっても誠実な感じの人で、きっと誰にも優しく出来る人だと思うんだー しつじs…キャッ!』 


しまった! 手に汗を書いていたせいかお嬢様を滑らせて落としてしまった! 


『お嬢様! 申し訳ございません! お怪我は…』 

『もうしてるよ(笑)』 
『あ…そうでしたね』 
また舞美お嬢様をおんぶしてお屋敷までへの道を歩き始めました 

『…で、最後何かいいかけませんでしたか?』 

『……ううんなんでもない! 年上の人だし、私って色気ないし、多分私には興味ないと思うんだー』 

『そんな事ないですよ舞美お嬢様 私には舞美お嬢様はとてもオトナの色っぽさがあると思います』 

『ホント? ホント?! 嬉しいなーなんか私照れちゃう!』 

舞美お嬢様がホントに好きなんだという事がよく分かります 
さっきから、くっついた舞美お嬢様の胸から心臓の音がドキドキと鼓動が速くなった気がします 

正直……舞美お嬢様が惚れた方が羨ましいです 
こんな可憐で美しいお嬢様の心を… 


そんな会話をしながら、なんとか朝食までにはお屋敷に帰ってこれました 

舞美お嬢様を医務室まで連れていき、治療を受けてもらいました 

『執事さん ありがと♪』 
『いえいえ 今度までには私もちゃんと鍛えておきますから』 
『またランニングしようね!』 


私はそうやって医務室を後にすると、他のお嬢様を起こしに向かいました 





―――― きっと いつか私に振り向いて欲しいな・・・ ―――