夏休みも近いので生徒達は早く帰るが先生はそうもいかない。 

やる事はうなる程あって目が回りそうだぜ。 
特にこの校舎内の見回りは意外と重要な仕事。必ず先生の目を盗んで中で残って遊んでる生徒がいるから… 

もう夕方だっていうのによく遊べるな。小学生じゃないのに 
学校が好きだっていうのは感心するが遊ぶのとは別の話だ。 

……さて、どこから見て回るとしようか 

1 音楽室 
2 体育館 
3 俺の教室 



まずは俺の教室から見ていくとしよう。たぶん誰もいないとは思うが念のためだ。 

 「ごぁ〜〜〜〜〜」 

ドアを開けるとなにやら地響きのような音がした。いったいなんだ?!地震か! 
…と思ったがすぐにその音の正体がわかった。教室のど真ん中で机を並べてベッドにして… 
「おい、何やってるんだ。起きろ」 
「ごぁ〜〜〜〜〜、ごぁ〜〜〜〜」 

……梅田ぁあああ 

何してんだお前は。こんな蒸し暑いとこでよく鼾かいてられるな 
いやそうじゃない。なんでこんな時間に教室で寝てるんだ 

1 ひっぱたいて起こす 
2 簡単に起きないなこいつ。後回しにしよう 
3 これはいかんな、身体検査をしてやる。まずはスカートの中身からだ 



「梅田起きろ」 
「やだ。ごぁ〜〜〜〜」 
「返事したな?起きてるだろ」 
「寝てるんだYO」 

ふ、ふ……ふざけやがって! 
こいつっ!先生をバカにするんじゃないよ! 

「梅田、もう一度言うぞ。起きるんだ」 

…俺の言葉を煩わしそうに聞いて寝返りをうつ。 
「先生暑い。クーラーつけて 

わかった。お前の言いたいことは理解できたぞ。本当にお前は怖いものを知らないな。 
ならば俺がわからせてやる。お前のようなゆとりはこうだ。 

「いい加減にしろ!!」 

顔に傷をつけるのは嫌だった。けど、お前がしている事が過ちだと気付かせてやらないのはもっと嫌だった。 
いくぞ、歯を食い縛れ。痛くて泣いても仕方ないな! 

「ごぁ〜〜〜」 

な、なに?!よけた?! 
また寝返りをうって俺の平手打ちをかわした。 
「早くクーラーつけて〜」 

なめやがって………このやろぉぉぉ〜〜 

1 こうなりゃ武器を使うか。なに、多少痛くても関係ない 
2 …カッとなりやすいのが悪いとこだ、落ち着いて 
3 なんだ?誰か入ってきたぞ 



いけない。こうやってすぐカッとなるから生徒にあしらわれるんだよな。 
落ち着け。冷静になれ、生徒一人を説き伏せるくらいはそんなに難しくはないはずだ…… 

さてどうやって梅田に説教しようかな。 
しかしこいつもなかなかいい度胸してるよな、先生の目の前で居眠りしてるとか… 
まあ俺も先生になってから時間は経ってないし、まだ生徒だった時期の方が長いんだけど。 
俺もこんな生意気な奴だったなぁ、なんだか少し前の俺を見てるみたいだ。 
さすがにこういうような真似なんかしなかったはずだけど 

1 お、じょうろがある。これで涼しくしてやるか 
2 やっぱり腹立ってきた。ひっぱたいてやる 
3 もう知らん、無駄な汗はかきたくない。次は体育館にいくか 



暑いのか。なら涼しくしてやるぞ梅田。 
いいもの見つけた。これに水を満タンに入れて顔にひっかけてやるんだよ。 

「先生まだぁ〜〜〜?」 
「お待たせ。涼しくなるぞ」 

しゃべれない様にその顔にじょうろの水を注ぎ込む。 
ほらどうだ梅田、涼しいだろ?汗なんかこの水といっしょに流れていくだろ。 

「ん、んんっ、んぐ」 

………なに?水を飲んでるのか?! 
てっきり咳き込みながら起き上がると思ったのに。お前、ただのゆとりじゃないな… 
だがいつまで頑張れるかな。そろそろ息苦しくなってきたはずだぞ。 
「ん、ん、んっ」 

頑張るなぁ。もうそろそろじょうろが空っぽになりそうだ。 
…あ、空っぽになった。こいつ思った以上にやるな。ぶつかりがいがありそうだな。 

「ありがと。涼しくなったんだよ」 
余裕の笑顔か。 
「先生何してんの?こんなところで」 

1 お前こそ何してるんだ 
2 何か用事があったのか?梅田 
3 生意気だからもう一度じょうろの刑 



また俺の悪いくせが出た。意地でもその余裕を打ち砕いてやりたくなったんだよ。 
「まだ暑いのか、そうかそうか。ほらもう一度横になれ」 
「先生なんで怒ってるの、わぷっ、ちょ…やだぁ〜。ごめんなさいごめんなさい」 

いまさら謝ったってもう遅いんだぞ。溺れさせてやる!! 

「や〜〜〜だ〜〜、ごほっ、うぐ、ぐぐ…げほっ!」 

…な、なんか卑猥な想像をさせる表情に声だな。こういうAVってよくあるよな…… 

これはお仕置きなんだよ。いかがわしい事をしてるわけじゃないんだ。 

¨ガラッ¨ 
……今、ドアが開いたか?確かにそんな音が聞こえたぞ。 
「はぁ、はぁ、はぁ、えり、何分だった?!」 

お、お前は矢島!いったい何してたんだよ。 

「あれ?先生何してんの」 

俺?!お、俺は別にその 

1 早く育つ様に梅田に水をやってるんだが何か? 
2 う、梅田が暑いっていうからシャワーをだな… 
3 なんだお前汗だくだな。ついでにシャワーしてくか 



「お、俺はだなぁ、梅田が早く育つ様に水をやってるんだが何か?」 
「ちがう〜!げほっ、先生に汚されたの、私もうお嫁にいけないよぉ〜」 

こいつわざとらしく泣き真似して…さっきまでへらへらしてたくせに。 
「えり!それより何分だった?私のタイム」 
「……タイム?何それ」 
「計ってって言ったじゃん!!また忘れたんでしょ?!」 

…矢島の話を聞いてみたら、たった今自分で決めたコースを走ってきたらしい。 
それで梅田がそのタイムを計るっていう約束だった。だがそれを忘れてた様で… 

「先生が私にガンシャなんかするから忘れたんだもん!」 
「お前寝てたじゃないか…」 
「えり!忘れないでって言ったじゃん、許さない!」 

矢島怒ってるな。約束を破られたら怒るよな… 

1 仲裁に入る 
2 喧嘩ならよそでやれと二人を追い返す 
3 矢島、まず着替えろ。びしょびしょだぞ 



「矢島、まず着替えろ。お前ずぶ濡れだぞ」 
「うん。途中で池に落ちちゃったから」 

な、なんだと?そういうことをさらっと言うな!言われてみれば髪までずぶ濡れじゃないか。 
「お前まさかそのまま教室まで走ってきたのか」 
「うん。なんで?」 
「…………」 

呆れてモノが言えない。もう、なんでそう後先を考えないんだよ 
「パンツ濡れちゃった。先生替えの下着買ってきて、あとついでに着替えも」 
「ば、バカ言うな!」 
「いま濡れてないの先生だけじゃん。ちがう?」 

…矢島は全身、梅田も顔はずぶぬれで上半身も濡れている。 
「こんな格好で下着買いに行ったらおまわりさんにつかまっちゃうよ〜」 
「お金は渡すから。はい。よろしくね先生」 

お、おまえら、俺をなんだと思ってるんだ! 

「俺はお前達の先生」 
「風邪ひいちゃう〜早く〜」 

二人とも留年にしてやる。覚えてやがれ! 

「これでいいだろ!ほら、もうさっさと帰るんだ」 
「下着だけ?着替えは」 
「代わりにジャージ着ろ。まったく」 
「どこで買ってきたの…趣味良くないんだよ」 
「うるさいっ!すごく恥ずかしかったんだからな!!」 

もうあそこの近くは歩けない。顔から火が出るかと思ったぞ。 

「帰ろっか、えり。カラオケいく?」 
「めんどい。寝る」 
「だめ!ガーッと歌うんだから!」 
「舞美はうざいくらい全力だから疲れてる時は遊びたくないんだよ…」 

無気力な梅田を引きずりながら歩く矢島。 
あの二人は性格が正反対だな、俺をからかうのが好きなのは似てるが… 

「先生!また明日ね〜!」 
「矢島、もう池には落ちるなよ〜」 


まだ半人前だけど、いつか立派な先生になってやる。 

…せめて下着を買いに行かされることからは脱出したいよな。