「ここまではわかったな?よし、じゃあ誰かこの問題を解いてみろ」 俺のクラスでは授業はみんな真面目に聞いている。勉強が好きな生徒ばかりが集まって助かったと思ってるよ。 「Zzz・・・」 ・・・ある一部をのぞいては。 こいつ、堂々と授業中に寝てやがっていい度胸だな。 「おい、梅田。起きろ」 「・・・あ?」 汚い顔だな・・・よだれなんか垂らしやがって。ほっぺも真っ赤だぞ。 「この問題を解いてみろ」 「・・・・・・」 梅田は俺を寝呆けた目で見ていたが再び眠ってしまった。 「おい梅田。誰が寝ていいって言ったんだ」 「Zzz・・・」 な、なめやがって。 他の生徒もくすくす笑ったりしてる。 1 ふざけてるんじゃない!起きろ梅田! 2 ・・・嗣永、代わりに答えなさい 3 ほっといて授業を続けよう 4 放課後居残りだな わかった。お前がそう出るなら俺にも考えがあるぞ。 この場では放置して授業を続けるが、放課後は覚悟しとけよ。 「この問題はなー、さっき教えたこの方程式を使って」 「がぁあ〜〜、ごぁあ〜〜」 「こう当てはめるんだ。な?難しく考えることはないんだ」 「ずびびびびびび、ずごごごごごご」 許さない。放課後気が済むまで説教してやるぞ。 「・・・何か用ですかぁ?先生」 やっと放課後。居残りを俺に命じられた梅田はだるそうに頭をかいている。 「お前な、最近生活態度がひどいぞ。なんだ昼間のあれは。居眠りをするな」 「ん〜〜、やる気出なくて」 「ふざけるな。お前いつもそんなんでどうするんだ。進路の事も今から考えないと」 「めんどくさ〜〜、帰っていいですかぁ?」 こ・・・このニート予備軍。このゆとり世代。 人が真面目に説教してるのにこういう言葉を言えるこの神経、これがゆとりか。 1 歯を食い縛れ!お前の根性を叩き直してやる! 2 ・・・だめだ。これは本気で怒らないといけない 3 う、梅田?なんで近づいてくるんだよ これは本気で怒らないと梅田は間違いに気付かないだろう。 「梅田!!」 机に両手を叩きつけると乾いた音が響いた。 「なんだその言葉は。俺は真面目に言ってるんだぞ!」 「・・・・・・」 まだ不貞腐れていたのでおもわず口調が荒くなってしまう。 「そうやって人の話を真面目に聞かない奴はどこに行っても相手にしてくれないぞ!!」 「・・・・・・」 よく見ると、梅田の目がうるんでいるのに気付いた。ちょっと言い過ぎたか? 「先生、ごめんなさい」 「・・・」 「私・・・あんまり怒られたことなくて、ごめんなさい」 声が震えている。 顔も俯き気味で俺の方を見ようとしない。いや、見せられないんだろう 1 ごめん、言い過ぎた 2 わかってくれたらいいんだ。お説教は終わりだよ 3 ・・・なんだ?股間がむずむずする 「わかってくれたらいいんだ。もう終わりだから」 「ごめ・・・さい。先生、ごめ・・・さい・・・!」 おい泣くなよ。普段ならもっとヘラヘラしてるじゃないか。 「梅田・・・」 「先生・・・」 梅田はうつむいたまま俺に近づいてくる。 「うわっ・・・?!」 なんとそのまま壁に押しつけられてしまった。う、動けない?!梅田にこんな力が 「・・・・・・」 潤む瞳で見つめるその表情は高校生とは思えないほど。 ああっ、なんだ、唇が近づいてくる。だめだよ、俺とお前はそうなっちゃいけないんだ。 でも・・・ 1 だめだ!と突っぱねる 2 逆らわずに梅田を受け入れよう 3 目を閉じる 俺を求めているなら受け入れよう。例えそれが許されないことであっても・・・ 俺はそっと目を閉じた。梅田のキスを待って ¨びしっ¨ 痛っ?!なんだ、おでこに痛みが! 「なんですかその顔、なーんか期待してませんでしたか?」 「おま、俺をからかってるのか?!おい!」 「泣かされたお返しですよ。涙を他人に見られた事なんてなかったんだから」 ヘラヘラ笑っているがこいつは侮れない。 「それに先生ってからかうとすぐ怒るから面白いんだもん」 こ、こ、こいつ、バカにするんじゃないよ! 「きゃあこわーい。先生が怒ってる〜」 「逃げるんじゃない!待て梅田!」 きゃあきゃあ叫びながら廊下を走っていく梅田。 「待てぇええ!梅田ぁあああ!!」 「先生遅〜い」 ・・・まだまだ先生として一人前じゃないな。生徒に振り回されてばかりだぜ