毎朝届く大量のお屋敷への郵便物。ご主人様へのお手紙が大半だがたまにお嬢様へのお便りも入っている。 

「………?」 

これは…めずらしいな。何も宛先が書いていない。ただの真っさらな封筒だ。 
よくこちらに届いたなと思いながら封を切り、手紙を取り出した 
「これは…?」 

¨執事さんへ。 

明日私たち鬼ごっこするんだけど執事さん鬼やって。 

全員捕まえたらご褒美あげる。でも私たちが勝ったら…… 
それは来てから説明するね。待ってるから¨ 

…鬼ごっこ?僕が鬼になりなさいって? 
どこからの手紙かすぐにはわからなかったが、端の方にB館よりと書いてあるのを見つけた。 

またずいぶんと唐突ですね。有無を言わさないという感じです 

1 見なかったことにする。嫌な予感だ 
2 明日行ってみるとしよう 
3 そんな事より愛理お嬢様のお世話をしなければ 



「執事さんおはよう」 

「愛理お嬢様!おはようございま……」 
って愛理お嬢様!ふ、普通にお立ちになってる!壁に手をついていたが、ちゃんと… 
「あ、足は大丈夫なのですか?!」 
「う、うん、今日はちょっと足が調子いいみた…あっ」 

急によろけたので慌ててお嬢様を支えた。 
「無理はなさらないでください。大丈夫ですか?」 
「ごめん、いけるって思ってたけど」 
照れ臭そうにぺろっと舌を出して笑うその仕草が可愛らしかった 
「ねえねえ聞いて、さっきはね、結構歩けたんだよ!」 

うれしそうにお話をするそのお顔に心を奪われそうになりながら、真剣に耳を傾けた。 
「いつか執事さんと一緒に自分で歩いてお散歩できたらいいなぁ…」 

1 僕も心よりお待ち申しております 
2 あまり無理はなさらないでください、少しづつ歩きましょう 
3 今からお散歩いたしましょうか?お嬢様 



「今からお散歩いたしましょうか?お嬢様」 
「……うん」 

あの日以来、愛理お嬢様との距離が近くなった。 
なんだか仕草や表情も以前より、こう、素敵に感じるというか…どきどきしてしまいます。 

「あつーい」 
「もうすぐ夏ですね」 
「うん……」 

車椅子を押してのんびりお散歩 
日差しは結構強くて夏の訪れを予感させる。 

いつもは髪をうしろでとめていらっしゃる事が多いのですが今日はまっさらなストレート。 
日差しに照らされたその黒い髪が美しく光っていました。 

「…執事さん」 
「はい、なんでしょうか?」 
「………あの…」 

顔を赤くしている。いったいなんだろう? 
「き、キス、していい?」 
「ええっ?!」 
「い、いやなの?」 

1 ご、ごめんなさい… 
2 は、はい、あの…優しくお願いします 
3 …か、カッパの話をしてごまかす 



「は、はい、あの…優しくお願いします」 
「…しゃがんで」 

そっと愛理お嬢様の前にしゃがんだ。…顔、真っ赤ですよ、お嬢様。 
「ねえ…」 
「…は、はい、なんでしょうか?」 
「………目、閉じて。見つめられると恥ずかしい」 
「ごめんなさい!」 

…愛理お嬢様のお願いで目を閉じた。 
いよいよだな、いよいよ、愛理お嬢様と口付けを…いや、もうしていたな。 
だけどお嬢様からははじめてだった。あの愛理お嬢様から僕に口付けとは 

「いくよ、執事さん」 

ああ、来る、口付けが 


……んんっ 
やはり愛理お嬢様の唇はやわらか… 


……あれ?思ったより…なんというか、変な感触だな。 

1 目を開ける 
2 このまま目を閉じる 
3 し、舌を入れてしまおう 



なんだかおかしい、唇に伝わる感触が… 
思わず目を開けると、僕の唇についていたのは愛理お嬢様の… 

「だめだよすぐ開けたら〜」 

…指だ。何か固い部分があると思ったら爪だったんですか。 
「お、お嬢様…?これはいったい」 
「ちょっとイタズラしちゃった。執事さんの顔かわいかったよ」 
「もうっ、からかわないでください!」 
「怒ってる?ごめん、やってみたくて」 

結構イタズラがお好きなのでしょうか。 
イタズラといってもとても可愛らしいですね。あの方のそれとはまるで違います。 
「もっとお散歩しよう」 

「暑くない?執事さん」 
「いいえ。愛理お嬢様は大丈夫ですか?」 
「私は大丈夫。執事さん汗かいてるよ、無理しないで」 

ハンカチを取り出し僕の顔を拭こうとなさるお嬢様。 
「いえ、お嬢様、大丈夫ですよ。まだ本格的な夏ではありませんから」 
「……もうすぐ、来るね夏」 

そっと耳に手を当てるお嬢様。 
「聞こえてくる気がしない?ほら、きいてみて」 
「…何の音ですか」 
「………蝉の声。聞こえてきたら、もう夏だよ」 

愛理お嬢様は近くにある木に向かって耳を傾けている。 
…もう目の前まで来ているんだな、暑い季節が。 

梅雨を越えたらやってくる。 

お嬢様と一緒に耳を向けていると、蝉時雨が聞こえてきそうだった。 


从*゚ー゚从<執事さん独占 从´∇`)<阻止 ノノl∂_∂'ル<許可 Σ从;´∇`)<あい?! 州*´・ v ・)<執事さんは私の… リ ・一・リ<執事さん最近愛理ちゃんへの顔つきが違う リ ・一・リ<・・・ リ*・一・リ<青春だよね リl|*´∀`l|<執事さんに振り向いてほしいから車椅子に乗るんだよ リ ・一・リ<でもまさかあの愛理とあの執事さんが、なんてあるわけ・・・ リ ・一・リ<・・・ リ;・一・リ<・・・あるの? そのまさかなんだよ千聖 リ;・一・リ<へ、へぇ〜…愛理と執事さんが、ねぇ… リ;・一・リ<ってことは手ーつないだりいっしょにお買い物行ったりするんだ リ*・一・リ<ほかにも抱きしめたりチューしたりお弁当とかあーんって食べさせたり…ハワワワ リ*・一・リ<………愛理ってオトナだなぁ