「あ、いた執事さん」 
「うわぁああっ?!の、ノックなさってくださいよ!」 

トイレに入ったところでいきなり扉を開けてきた舞美お嬢様。 
「ねえねえお願いがあるの。聞いてくれる?」 
ズボンを下ろしてすぐには立てない僕の手をぐいぐい引っ張ってくる。 
か、勘弁してください、このまま立ち上がったら大変な姿をさらしてしまいます。 
「何やってんの早く来てよ。ほら、立って」 
「せめて下ははかせてくださいお嬢様」 
「いいから早くして」 

今日の舞美お嬢様はやけに積極的ですね… 
しかしいつも思うのですが、貴女は僕を異性として見てはいらっしゃらないのでしょうか。 
まったく恥ずかしがっている様子が見受けられません。 

ところで…舞美お嬢様のお願いとはなんでしょうか? 

1 部屋のお掃除ですか? 
2 そういえばエプロンをお召しになっておられる、ということは… 
3 熊退治ですか?嫌ですよ 



「舞美お嬢様、お願いとはいったいなんで…」 

舞美お嬢様に無理やりひっぱられながらキッチンに入った時、焦げ臭いニオイがした。 

いえ、それよりももっとまずい物を見てしまいました。 
「お嬢様いったい何をなさったのですか?!」 
「お願い。一緒に消して」 

大変だ火柱だ! 
コンロから真っ赤な火柱があがってます! 
「は、早く消火しなければその内天井に燃え移りますよ」 
「だから早くしてってば!」 

僕もよくあのコンロは使わせて頂いてるけど、コックから絶対に火力を最大にしないようにと指摘を受けたことがある。 

あれは間違いなく火力が… 

それはいい、早くなんとかしなければ。だけど、コンロの周囲が熱くてなかなか近寄れない 

1 体に水をかけて近づき火力を下げる 
2 火柱を先に消した方がいい 
3 急に舞美お嬢様が僕をどんっと… 



早く火力を下げなければ。よし…っ! 

とっさにバケツに水をくみ頭からかぶった。これなら少しは熱さが…! 

「ふう」 
思ったより早く片付いて良かったです。多少、天井がこげた程度で… 
「執事さんすごーい!ありがとね」 
「舞美お嬢様…いったい何をなさろうと」 
「料理作りたかったの。ほら、いつもコックさんに任せてるでしょ、でもたまには自分でやりたくって」 

舞美お嬢様は努力家です。 
何事に対してもまっすぐでひたむきな素晴らしい方なんです。 

ただ、少々加減を知らないと言いますか… 

「強火なら早くできると思ってさ、火力を一気に上げたの。びっくりした、いきなり目の前が真っ赤になって」 
「笑い事じゃないでしょ!お怪我が無くて何よりですけど…」 
「あははは…ねえ、執事さんて料理できるでしょ?教えてほしいな」 

1 かしこまりました 
2 舞美お嬢様はどんなお料理を作りたいのですか 
3 これ以上被害を拡大させるわけには… 



お嬢様はどんなお料理をお作りになりたいのでしょう。 
「色々作りたいんだけど…やっぱりいきなりは難しいよね。だからぁ、執事さんが教えてくれる料理にする」 
「ぼ、僕がですか?」 
「うん。まずひとつ作れるようになりたいから」 

う〜、困ったな。責任重大だぞ 
僕が選ぶものが舞美お嬢様が初めてお作りになる料理に… 

でも僕もあまり凝った物は作れないし、適当なものにするのも舞美お嬢様に失礼だ。 

いくつか考えてみたが舞美お嬢様に教えて差し上げたい料理は 

1 オムライスだ 
2 パスタはどうでしょう 
3 め、目玉焼き…いやさすがに失礼だろう 



これにしよう。僕はこれが一番好きだ。 
「オムライスはいかがでしょう?」 
「それ大好き!それなら作れそうっ」 

楽しそうにはしゃぐお嬢様。 
「まずどうするの?」 
「僕は先にチキンライスから作ります。具のネギや豚肉などを細切れにして…」 
「切るの?わかった!」 

うわあ!ま、舞美お嬢様…!いったい何をなさって 
まるでまな板に叩きつけるみたいに包丁を何度も何度も振り下ろしている。 
「そんなに大振りじゃなくても食材は切れますよ」 
「肉って固いでしょ。こうしなきゃ切れないって思って」 

ま、まな板に深く切り込みが入っている…なんという… 
以前にもお屋敷の像をお掃除された時に指を折ってしまったことがありました。 
「執事さん手つきいいね」 
舞美お嬢様の包丁捌きがとても豪快なんですよ… 

「次にご飯と一緒に炒めます。途中で塩や胡椒、ケチャップを入れてください」 
「私がやっていい?執事さん、ね、やらせて!」 

僕がやります。とは言いだせない空気をお出しになるお嬢様… 

1 御覧になっていて下さい、僕がやります 
2 …はい。あの、そっとですよ 
3 消火器を用意してからおまかせしよう 



「……そっとですよ。お嬢様」 
「わかってるってば!フライパン貸して」 

つ、ついに舞美お嬢様がコンロの前にお立ちになる。見てはいられません。 
しかしちゃんと目を離さないでお嬢様を見ていなければ… 
「わ、わ、油がはねてる!わ、わっ」 

コンロの上でフライパンをふるいお米と具を泳がせている。 
おや…失礼ですが思っていたより筋がよろしいのではないでしょうか。 
「執事さん、お米がなんかぱちぱちいってるよ」 
「お上手ですよ。僕は最初焦がしちゃいましたから」 
「え〜、誉めるのうまいんだからぁ、も〜やだ〜」 

見事なフライパン捌きです。もしかしたら、お米をひっくり返すのもうまくいくかもしれません。 

1 ぜひチャレンジしていただきたい 
2 初めてなので無理はよろしくない。無難に返した方がいい 



「お嬢様、チャレンジしてみましょう。そのままお米をフライパンで引っ繰り返してみてください!」 
「えっと、見たことあるけど、やったことない!」 
「フライパンを自分の方にひいてください。斜め上から自分の方に、ちょっと落とす様にやるのがコツです」 
「やってみる…!えーいっ!」 

わぁ、舞美お嬢様、それはちょっと大振りすぎでは 


あ……お米が僕の方に飛んできて…… 
「うわぁああっ!あつい!あついぃぃぃ!!」 
「ごめん。飛んじゃった」 

半分近くが飛んできたが幸い床には落ちなかった。 
お嬢様はあとは僕におまかせしたいとおっしゃり、 
僕はすぐにお米をフライパンに戻して料理の続きを始めた。 

「あとは卵を薄く広げて焼いて、チキンライスにかぶせれば完成です」 

…顔がまだ熱いけど無事に料理が完成した。 

「わぁ〜美味しそ〜」 

舞美お嬢様の瞳がきらきらと輝いている。 

「これ、私が作ったんだよね。って言ってもチキンライスだけだけど」 
「舞美お嬢様が初めてお作りになった料理ですよ」 
「私が…これを……」 

感慨深そうに黄金色のオムライスを眺めている舞美お嬢様。 
「わ、あつっ」 
立ち上る湯気にちょっと蒸せていらっしゃるのが可愛らしかったです。 
「そうだ、あとこれ!」 

おもむろに冷蔵庫からパセリを取出し真ん中に乗せるお嬢様。 

「おめでとうございます。これでお嬢様はひとつお料理が作れる様になりましたね」 
「う、うん……」 

え…?お、お嬢様、なぜそんなに瞳を潤ませているのですか? 
「嬉しいよ〜!私でもできたんだ、ありがと執事さぁあん!」 

僕の両手を握り、感涙の涙を流しています。 
さすが舞美お嬢様…感動なさる時も全力なのですね。 
そんなに喜んで頂けるとは、僕も顔を火傷したかいがありました 

「ねぇ、これからも料理教えてくれる?」 
「はい」 

ぱあっとお顔が明るくなる舞美お嬢様。 
「約束だよ!」 

………お嬢様。 
あなたの笑顔を見るとなぜか胸が苦しいです。 
まさか僕は、無意識のうちにまた過ちを……? 


リl|*´∀`l|<今度はぜひこの梅πを味わってもらうんだよ リl|*´∀`l|<・・・いっぱいかわいがってほしいんだよ リ ・一・リ<愛理ちゃんが元気ないんだ。執事さんもなんだかいつもらしくない リ ・一・リ<・・・どうしたんだろう 从o゚ー゚从<あ、あの〜 从o゚ー゚从<。。。 从o゚ー゚从<と、十日後にわ、私と。。。 从´∇`)<ケツがでかくて便座にはまって出られないって リl|*´∀`l|<でも嘘なんだよ 从o゚ー゚从<二人ともいらっしゃい 从;´∇`)<ひぃいいい〜 リl|;´∀`l|<なぜ私まで… ノk|‘−‘)<まあさは情けなど無いから注意だかんな