今日は月に一度の敷地内のお掃除の日です。 
あまりの広さのためとても一人ではお掃除できません。なので、エリアごとに担当を決めて行うのですが… 

「ハズレ、だな」 

僕のエリアは木が沢山ありその分落ちてくる葉もかなり多く、きれいに片付けなければならない。 
これを一人でやるのか…だから敷地内のお掃除は当たり外れがあって好きじゃないんだ。 

文句を言ってても自然に綺麗になるわけじゃないしやるしかないか。はあ… 

「あ、ひつじさん!がんばってね〜」 
「舞ちゃん!言ってるそばから散らかしてるよ」 

千聖お嬢様のご指摘の通り、舞お嬢様は僕が掃いたあとを走り回りまた葉を散らして… 
「舞お嬢様…せめてちがうエリアで…」 
よりによってこのエリアは舞お嬢様がよく遊ぶ場所。もう、どこまでハズレなんだか。 

「この木は特に葉っぱが多いなぁ」 
特に大きな木の下から次々に葉っぱが落ちてくる。 

1 面倒なので違う方から掃除する 
2 舞お嬢様!木を蹴らないでください! 
3 …なんだ?上から泣き声が聞こえるぞ 



「……くすん…ひっく…」 

なんだ。この声どこから聞こえるんだろう。 
舞お嬢様か千聖お嬢様がお怪我をなされたのかと思ったけどお二人は元気に走り回っている。 
他に人の気配はないみたいだな。じゃあ誰なんだ。 

「怖いよぉ……うわぁぁん…」 

…上から? 
はっとして見上げると、そこには… 
「降りられないよぉ〜…うわぁぁんっ」 

さ、早貴お嬢様?! 
間違いない早貴お嬢様だ。あんなに高いところに! 
「早貴お嬢様〜!」 

僕に気付いた様だ。よかった 

「いったいどうされたのですかぁ?!早貴お嬢様〜!」 
「のぼったら、降りられなくなっちゃったの」 

あんなに高いところに…もしかしたらビルの三階くらいの高さかもしれない。 

1 今すぐ登る 
2 …登ったら僕も降りられなくなる、誰か呼んでこよう 
3 飛び降りてください、僕が受けとめます! 



ちょっと怖いでしょうけど、これしか思いつきませんでした。 
「飛び降りてください」 
「…………えっ?」 
一瞬僕が何を言ったのかおわかりにならなかった様子。 
「早貴お嬢様、飛び降りてください!僕が受けとめます!」 
「無理っ!無理だよぉ、怖いんだもん、無理!!」 

僕が登るわけにはいかない。早貴お嬢様を担いでまた戻るなんて事は難しい。 
誰かを呼ぶにも近くに助けられそうな人はいない。 

なら僕が早貴お嬢様を抱き留めるしか方法はないでしょ。 
「大丈夫です。目を閉じておりれば…」 
「いや!いやっ!」 

しかし早貴お嬢様は頭をぶんぶんふって、怖がって動けない様子 

1 やっぱり誰か助けを呼ぼう 
2 …まずお嬢様を恐怖から救うのが先決。いますぐ参ります! 
3 もう一度僕がしっかりと受けとめますと叫ぶ 



やっぱり誰か助けを呼ぼう。 
「お嬢様お待ちください。いま誰か呼んできますから」 
「…飛び降りるなんて無理だよぅ…」 

泣きそうなお声でつぶやく早貴お嬢様。 
なるべく早くしないと不安になるだろうし、何より危ない。すぐそこにいる人は… 
「どしたのひつじさん?」「いま何か叫んでたみたいだけど…」 
「実は…」 
僕は事情を説明した。 

「あっ早貴ちゃん!待ってて、いますぐ助けにいくから!」 
「舞ちゃん待って!」「舞お嬢様…!」 

舞お嬢様は僕や千聖お嬢様が止める前に木に登ってしまった。それもあっという間に。 
「大丈夫?!助けにきたよ」 
「…舞ちゃん…どうやっておりるの?」 

舞お嬢様は下を見て 

「…ごめん、おりれなくなっちゃった。千聖、ひつじさん、たすけて〜」 

だ、だから止めようとしたじゃないですか… 
しかもあんなに無邪気に笑われて…もう… 

1 他の人を呼ぼう 
2 舞お嬢様なら受けとめられるかも 
3 何か使える道具はないかな 



何か使える道具があればいいのですが… 
「ねえ執事さん、これ使えないかな?」 
千聖お嬢様が手に持っているものは…ロープでしょうか? 
「ボクがこれを持って登って片方の端を枝につけるよ。もう片方を垂らすからしっかり持ってて」 
なるほど、そうすれば無事に降りられますね。 

「じゃあいくよ!待ってて舞ちゃん、早貴ちゃんっ」 

千聖お嬢様が上に登られてからしばらくしてロープが降りてきた 
地面と数メートル上の枝を結ぶ一本のロープ。 
「じゃ、最初は早貴ちゃんから…」 

早貴お嬢様はまだ怖くて降りられない様子。 
「い、いいよ、舞ちゃんや千聖が先で」 
「わかった。じゃあ先にいくねっ」 

まず舞お嬢様、続いて千聖お嬢様が降りてきた。 
あとは早貴お嬢様だけなのですが… 

「お嬢様…」 
「…が、がんばる、ロープがあるなら降りられるから」 
言葉とは裏腹になかなかすすめないみたいです… 

1 僕がいきます! 
2 早貴お嬢様が自力で降りるまで見守る 
3 やっぱり受けとめます! 



…これ以上早貴お嬢様に怖い思いをさせてはいけない。 
「ひつじさん何するの?!」「執事さん!」 

只今参ります。貴女のもとへ! 
木登りは得意なんだ、登るのは久々だけどちゃんとできるはずなんだ。 
「わぁはや〜い」「ま、舞ちゃんよりはやくない?」 

ふう、なんとか登れたぞ。さあお嬢様、すぐにいきますよ。 
「し、執事さぁあん…」 

枝の上で泣いていた早貴お嬢様は僕を見てさらに泣きだしてしまった。 
「うわぁあああんっ」 
「もう大丈夫ですよ。僕がそばにいますからね」 

僕に抱きついて離れない早貴お嬢様。よほど怖かったのだろう 
「うわぁあああんっ、執事さぁあん、執事さぁあん」 

1 早貴お嬢様をおんぶしてロープで降りよう 
2 先に飛び降りて、早貴お嬢様に飛び降りる勇気を見せる 
3 うわっ、枝が折れそう 



「しっかりつかまっていてください」 
「……うん……」 

うぷっ、さ、早貴お嬢様、そんなにしっかりと… 
背中に何かやわらかいものが…と一瞬思いましたが力を入れて腕を回してきたのでそれどころでは 
「お、落ちないよね?大丈夫だよね?」 
「はい、ご心配なく」 

この抱きつく力の強さが不安をあらわしてるんだな。 
確かに、怖いですよね。こんなに高い場所から降りるのですから 

「ひッ!!」 

ロープを伝い少し降りたところでさらにぎゅっと抱きついてくる早貴お嬢様。 
「下は見ないでください」 
「う、うん、わかった」 

こんなに震えている… 
僕は、貴女を不安から救うこともできないのか? 
「大丈夫ですよ。僕がついています」 
「……………」 

「大丈夫だった早貴ちゃんっ?!」「早貴ちゃ〜〜〜ん!」 

ようやく地面におりたところを見届け、千聖お嬢様と舞お嬢様が走ってきた。 
「う……うん…平気…」 
おぼつかない足取りで立つ早貴お嬢様を支える。 
「なんで降りられないのに登ったの」 
「…かわいいリスがいたから、追い掛けてて、気が付いたら木のうえにいたの」 
「気が付いたら木のうえとか、早貴ちゃん周り見ようよ」 

舞お嬢様…それは貴女が言う言葉では… 
「なんかいった?」 
「い、いえ」 

ともかく早貴お嬢様がご無事でなによりです。 
「大丈夫ならいいよね、いこう千聖!」 
「あっ待ってよ舞ちゃん、はやい〜!」 

もうお二人はまたどこかへ行ってしまった。 

「…執事さん」 
早貴お嬢様が何かいいたそうに僕を見つめている。 

1 お怪我はありませんか、と尋ねる 
2 ご無事でなによりですと微笑む 
3 いきなり泣き出すお嬢様 



「ご無事で何よりです」 

僕が微笑みかけると、また早貴お嬢様の瞳が潤み始めた。 
「執事さぁあ〜〜ん!!」 
そして飛び込む様な勢いで僕に抱きついてきたので、あやうく倒れそうだった。 
「う、うう、うっ」 
「…お嬢様…」 

やはり、簡単に恐怖や不安というものは消えないですよね。 
「よかった。執事さんが来てくれて」 
情けないですが僕一人では早貴お嬢様を助けられませんでしたよ 
舞お嬢様と千聖お嬢様のおかげですから… 

「怖かったよぉ…うっうっ」 

僕はどうしたら早貴お嬢様を恐怖から救えるのか分からなかった 
だから、せめてこうして差し上げるしか… 
「……っ…」 
僕がお嬢様を抱く力を強くすると、お嬢様が顔をあげて僕を見つめた。 
「…ねえ執事さん…しばらくこうしててくれる…?」 
「はい。早貴お嬢様が怖くなくなるまで」 

…間もなく日が暮れる。 
夕食は全員で摂らなければならない、それがお屋敷のルール。 

ですが、今はルールよりも早貴お嬢様を優先いたします。 
ちゃんと早貴お嬢様が笑顔でお屋敷に戻ることの方が大事ですから… 


州*‘ -‘リ<りーの出番はまだゆ?