目が回るような忙しさだ 
メイドさんが揃いも揃って体調を崩すなんて 
そんなわけで全てが自分の双肩にかかってくるのですが… 

「ああ〜〜〜もう執事さん!!なんで起こしてくれなかったの!!」 
「申し訳ございません舞美お嬢様、ですが一度お越しに参ったのですが…」 
「ひつじさ〜ん朝ごはんまだ〜」 
「早く食べないと学校遅れちゃうよ」 
「は、はい、ただい「執事さ〜ん!!私の靴下どこか知らりません?」」 
「それでしたら…えっと、たしか…」 
「まったくもって役立たずなんだよ」 
「…」 

ものすごい勢いで用意を済まされる舞美お嬢様 
朝ごはんを今か今かと待っていらっしゃる千聖お嬢様と舞お嬢様 
見つからない靴下を不機嫌そうに探す早貴お嬢様 
てんてこ舞いになる自分にダメ出しをするえりかお嬢様とそれを冷ややかな目で見つめる栞菜お嬢様 

はて、愛理お嬢様の姿が見あたらない 
どうしたものだろう? 

1、愛理お嬢様の様子を見に行く 
2、早貴お嬢様と一緒に靴下を探す 
3、朝ごはんの用意を済ませる 



起こしに行った時に車いすに乗せたはず 
まだお部屋にいらっしゃるのだろうか? 

「ねえ〜ご飯は〜?」 
「靴下どこ〜?」 
「準備はできていますので、ご自分で持ってきてくださいませ 
 それから靴下でしたら、昨日まとめて洗濯しましたので乾燥室にあると思います 
 自分は愛理お嬢様がおいでになってないようなので様子を見てきます」 
「え〜」「え〜」 

千聖お嬢様と舞お嬢様のブーイングには耳が痛い 
しかし今は愛理お嬢様の様子が気になって仕方がない 

部屋に行ってみるが姿が見えない 
どこにいらっしゃるんだろう? 

1、館内をさがしてみる 
2、池のほうにいるのかも 
3、ベランダかな 



どこに行かれたのだろう? 
車いすではそう遠くにはいかないだろうし 
とりあえず館内を探してみよう 

しばらく館内を探していると 
「ガタンッ」 
と大きな音がした 

「まさか…お嬢様!!」 
慌てて音が鳴った方向へと駆け出した 
するとそこには車いすが倒れており、愛理お嬢様が床にたたきつけられた状態だった 

「愛理お嬢様!!」 
「し、執事さ…ん 」 
不自由な体を起こそうとし、必死になっている 
「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」 
「大丈夫、特に痛いとこはないよ、急いでいてバランス崩しちゃった」 
少し恥ずかしそうに舌を出して、かわいらしい笑顔を見せてくださった 

「執事さん手伝って」 
手を差し伸べるお嬢様を担ぎあげた 
髪からは芳しい良い匂いが香ってくる 
その細く軽く、それでいてどこか女らしさを感じさせる肉つき…幸せだ 

「ねえ執事さん?」 
「はっ!!はい何でしょうか?」 
車いすに乗ったお嬢様の呼びかけで、現実に引き戻された 
まずいまずい、お嬢様に対して欲情するなんて… 

「もう行っていいよ」 
「いえいえお嬢様、朝食の時間ですし食堂へまいりましょう 
 それともどこかに用事でもございますか?」 
「んっと…そうじゃないんだけど…」 
なぜか歯切れの悪い返事、どうかなさったのだろうか? 
あれ?ここは… 

1、トイレの前 
2、浴場の前 
3、自分の部屋の前 



はて、ここはトイレの前だから…まさか… 
「愛理お嬢様?もしかしてトイレに行こうとなさってたんですか?」 
「はえっ!?」 
変な声を出されたかと思いきや、みるみるうちに顔を紅潮させていく 

普段であればこうしたことはメイドの方々に手伝ってもらっているのだが 
「参りましたね、今日はメイドが誰もいませんし、もし差し支えなければ私が 」 
「ううん違うの!!トイレ行きたいわけじゃないの!!」 
遮る様に急に大きな声で否定なさったが、顔は真っ赤な上少し涙目 
明らかにトイレに行きたいって様子に窺えるんですが… 

「ただね…そう!!河童がね館の中にいたの!!だから追いかけたら途中で倒れちゃって」 
あれ?愛理お嬢様ってこんなに早口だったっけ? 
「とにかく大丈夫だから!!」 
様子が明らかにおかしいが、こうまで言われては何も言い返せない 

「そうですか、わかりました。では河童探しは後にして、まず朝食をとりましょう」 
そう言って車いすを食堂へと押し始めた 
「あっ」 
その場から離れるとわかると、急にモジモジし始め、うつむき始めてしまった 

1、あ、あの執事さん…ホントはね… 
2、河童…ほんとにいたんだよ 
3、…(沈黙が続く) 



「あのね…ほんとに河童…ほんとにいたんだよ」 
俯いたまま、擦れるような小さな声で自分に訴えてきた 
また子供じみた事を言って、馬鹿にされるとお思いになられたのだろうか? 

「きっと河童の方も愛理お嬢様にお会いしたいと思ったのかもしれませんね? 
 そうだ!朝食を召しあがったら、一緒に探しましょうか?」 
「ホントに!!」 
先ほどの沈んだ声の主と同じとは思えない、興奮した声、嬉しさに満ちた顔で自分を見つめてきた 

「ええ、約束しますよ」 
「じゃあ早く食堂いこう!!ね、早くぅ」 
まったく困ったお嬢様だ 
「えへへへ楽しみだな〜♪ 

 執事さんありがとう、それから大 …」 
「?何かおっしゃいましたか?」 
「ううんなんでもない」 
また顔を赤くなさった愛理お嬢様は恋する乙女のようで 
こんな可憐なお嬢様の心を奪う河童に少し嫉妬したり 
…って何を考えてるんだ!! 
自分の中で愛理お嬢様が“お嬢様”で無くなってきていることに戸惑うばかりであった 
自らの意外な思いに悶々としていった 

しかし食堂の散々たる状況を目の前にし、現実へと引き戻されると 
そうした思いは頭の片隅絵と消えていったのだった 


(=(執事)<愛理お嬢様、お暑いでしょう?冷えたお茶をご用意致しましたよ。たくさんお飲みください 州´・ v ・)<? わ、わかりましたありがとうございます……? 州;´・ v ・)モソモソモジモジ (=(執事)<おや?どうなさいました愛理お嬢様?お茶を飲み過ぎて御手洗いでも行きたくなりましたか?ニヤニヤ 州;´・ v ・)<えっ!そんな…いや…その…モソモソモジモジ (=(執事)<いいんですか早く行かなくて?お漏らししても知りませんよ…ニヤニヤ 州;´・ v ・)<ひ、ひどいです執事さぁん…ウウッ ( 執事)<あっ!おい貴様何者だっ!愛理お嬢様に何を! ( マネ)<チィッあとちょっとだったのに!ではさらばっ (;執事)州;´・ v ・)<・・・ m9(マネ)<次は君たちの番だ!お嬢様の素敵なお漏らしを頼むよ! (#執事)<き、貴様、聞いた話では色々なお嬢様にちょっかいを出そうとしてるらしいじゃないか (*マネ)<あ、ばれた? (#執事)<貴様は不潔だ!ここにいてはいけない人間なんだ!! (;マネ)<うわ、カラダが変な色に光ってる! (#執事)<僕の右手が真っ赤に燃える!スケベを倒せと轟き叫ぶぅぅ!! (;マネ)<君の言葉なんかいろんなのが交ざってないか…