…僕だって人間だから、おかしければ笑う。 
腹が立てば怒る。悲しければ泣く。お腹がすけば何かを食べて欲を満たす。 

そう、欲を満たすんだ。 
今は普段の仕事から解放されたわずかな自由の時間。 
「……ずっとしてなかったなぁ。よく我慢できたよ」 

自慰。 
回数は多くないと自分では思う。人並みにはするくらいだろう 

溜まっていたからもうその部分が痛くて仕方ない。 
…えりかお嬢様は今夜は遊びには来ない様だ、ふう。 

さて、どうやって自分を慰めようか 

1 えりかお嬢様の妄想 
2 こっそり隠してあるエロ本でやる 
3 …愛理お嬢様の妄想で… 



やるなら気持ち良くやりたいものだ。あの方の妄想でいきます 

〜〜〜〜〜〜 

「執事さぁ〜ん」 

足がすっかり自由になられた愛理お嬢様が走ってくる。 
「愛理お嬢様…そんなに走ると危ないですよ」 
「だって嬉しいんだもん!大好きな執事さんと二人だから」 
僕に抱きついてくる。ああ、なんと麗しい… 
「……すき」 
「お嬢様…!」 

お嬢様はそのまま僕を押し倒してきて、そ、そしてキスを… 

んはぁ、やわらかい。 

「愛理お嬢様…」 
「…愛理、って呼んで。私も名前で呼ぶから」 

そして名前で呼び合いながら舌をからませ合う。 

あっ、あっ…!出る…! 

1 無言で出す 
2 愛理ぃぃぃぃぃ!と叫びながら発射 
3 いや、もっと妄想を続けよう 



まだ接吻しかしていない。終わらせるのは勿体ない。 

「こんなになっちゃってるよ。うふふふ、えっちなんだね」 
「愛理のせいだよ。僕をここまでさせて」 
お嬢様ぁ…ごめんなさい… 
僕だっていつもこんな不潔なことを考えてはいません。今は自由な時間ですから 
あっ、ああ、そんなに慣れた手つきでしこしこと、あっ… 
「どうしてほしいかわかるよ。こうでしょ?」 
スカートを脱いでまだ幼いその部分をあらわにするお嬢様。そ、それが、僕と、つながる 

もう今度こそだめです!!愛理お嬢様ぁあああっ!! 

1 あなたとの、あいだに、命ある形を残したい! 
2 …違う妄想でやり直そうかな 
3 リl|*´∀`l|<執事さん♪何してたのこのスケベ 



「し・つ・じ・さん♪」 

突然聞こえた別の声に驚いて目を開けると、 
「え……えりかお嬢様?!」 
血の気がサーッと引いていくのがわかった。 
…下着姿で僕の部屋に忍び込んでいたえりかお嬢様。いったいいつからそこにいらっしゃったのですか?! 

「なーにしてたの?なんかぶつぶつ言いながらそれをごしごししてたけどさぁ」 
「…ま、マッサージです」 
「ふーん。男の人ってマッサージするんだ、そこを」 
「は、はい…」 

にやにや笑ってるぞ。たぶん僕がしてた行為の意味をわかってるはず… 

「ねぇ。エッチしようか」 
「あ、あの…」 
「そんなにかっちかちじゃん。やりたいでしょう?」 

1 逃げ出す 
2 窓から飛び降りる 
3 意味は無いが放尿する 



申し訳ありません。あなたの誘惑に惑わされてはなりません 
「あっこら!待ちなさい、私の誘いが受けられないって言いたいの?!」 
「ひぃいい〜!お許しを〜!」 

なりふりかまわずそのまま部屋を飛び出してしまいました。 
「いつかあなたの大事なものを奪ってやるんだよ!待ってるんだよ♪」 
逃げ出すときに不吉な言葉を聞いてしまった。ああ…まだ安心して眠れそうにないよ 

どれくらい走ったのか、気が付けばあるお嬢様の部屋の前にいた 

って扉が開いたぞ!まずい、下半身丸出しのままだ。見つかったら最後、わぁあああ出てこないで…… 
出てきたぁあああ! 

1 千聖お嬢様?! 
2 さ…早貴お嬢様 
3 あ、ああ、愛理お嬢様… 



「わっ!びっくりした、執事さん」 
「こ、こんばんは千聖お嬢様…あはははは」 
とっさに近くにあった黒い布を巻き付けてことなきを得た。 
「何してるのこんなところで」 
「はい?!あの、えっと、じゅ、巡回ですよ。不審者がいないか見て回ってます」 
「あまり無理しないでね。ちゃんと休める時には休んだ方がいいよ」 

千聖お嬢様は御手洗いに行くところだったらしく、足早に階段を降りていった。 
ふう…危ない。まだ微妙に反応しているんだ、もし見られたら人生が終わっていただろう。 
歩きにくいので布を取ってしまった。 
早く戻りたかったがまだ僕の部屋にはえりかお嬢様がいらっしゃるかも… 

1 いないかもしれないから戻ろう 
2 着替えを探そうか 
3 うわぁまた扉が開いたぞ。あ、あなたは…! 



千聖お嬢様のお部屋の隣の扉が開いた…… 

いけない。そのお部屋は。 

愛理お嬢様の、お部屋…!!車椅子に乗って出てきたぞ。 
終わった。僕は下半身が丸出しのまま。いま巻き付けた布も取ってしまったばかりだ。 

見ないでください。その曇りのない瞳が汚れてしまいます。 
「…だれ?だれかいるの」 

眠そうに目をこすっている愛理お嬢様。まさか、僕だということに気付いてないのでは 
チャンスとばかりに後ろにあわてて回り込み車椅子を押す位置に立った。 
「愛理お嬢様、この様な時間にお出かけですか?」 
「……執事さん。うん、あのね、カッパを探しにいこうって思ったの」 

カッパ、か。そういえば愛理お嬢様はよくカッパの話をなさるな 

1 先に下の着替えを身につけてから一緒にいく 
2 こんな時間に出歩くのは危険だと説得する 
3 きゅうりならここにございますよ。少々生臭いですが 



あ、愛理お嬢様はまだ寝ぼけてますよね? 
普段からおっとりとした雰囲気ですが今は寝ぼけてますよね? 

……僕の中の何かが弾けた気がした。 

「カッパの好きなきゅうりならここにございますよ。少々生臭いですが」 
「きゅうり?ああ、これ」 

愛理お嬢様が 
…あの愛理お嬢様が僕のそれに触れるぞ。ふ、触れ…… 


「…なんかあついね。それにぶつぶつしてない」 


ごめんなさいお嬢様。そして神様、僕は最低です。 
で、でもこれで、この行為を思い出すだけであと数ヶ月は自慰の種になりそうです。 

発射しそうなのを抑えながら下の着替えを探して身につけ、車椅子を押して外へ。 

きれいな月だ。こんな満月の夜はカッパが出そうなくらい不思議な空気だな。 

「執事さんあの池までおねがいしていい?」 
「はい、愛理お嬢様」 


C館の方に唯一ある池。 
愛理お嬢様がカッパがいると言うその池まで車椅子を押した。 

「…出ないね」 
「すぐには出ませんよ。もう少ししたらきっと出ます」 
「執事さんがそう言うならそうだよね」 

ふぁあああ、と眠たそうにあくびをなさるお嬢様。 
「あまり無理をなさらない方が…」 
「ん…平気…」 

…そういえば、愛理お嬢様はなぜカッパを探しているのだろうか 
あまり疑問に思ったことは無かったな。お嬢様の事は考えていたがカッパに関しては… 

1 尋ねてみようかな 
2 愛理お嬢様…あら、おやすみになられてしまったか 



「お嬢様はなぜカッパを探しているのですか?」 
気になったので尋ねてみた。 

「…私は見たんだもん。ちっちゃい時に見たんだもん」 

僕の事を見ずにじっと池を見つめて話すお嬢様。 
「だけど、また会いたいのに出てきてくれないの。カッパ」 

…そのお顔は見えなかった。声しかわからなかったけれど 
とても寂しそうな、悲しそうな声だった。 
「…もう一度会いたいよぉ。カッパに…」 


その話の真偽よりも、僕は愛理お嬢様の悲しそうな声を聞くのがつらかった。 

1 後ろからそっと肩に手を添える 
2 優しくお屋敷に戻りましょうとささやく 
3 あきらめなければきっといつか会えますよ 



お顔を見るのがつらかったのでそっとその細い肩に手を添えた。 
「執事さん…」 
「…あきらめなければきっといつか会えますよ。カッパさんに」 
「……うん…」 

それからしばらく愛理お嬢様は池を眺めていた。 
水面に映る満月は美しかった。だが、いつまでたってもカッパは出てこない。 

「…愛理お嬢様、そろそろ…」 

お屋敷に戻ろうと声をかけたがお返事がない。 
もう一度声をかけようとしたら寝息が聞こえてきた。 
「寝てしまいましたか」 

僕は愛理お嬢様を起こさないように、静かにお屋敷までお連れした。 


ベッドですやすや眠る愛理お嬢様。僕の汚らわしい妄想とは違う本物のお嬢様はとても美しかった 

「おやすみなさい」 

小さな声で言い、部屋をあとにする。 

僕も部屋に戻りベッドに入ったが、なかなか寝付けない。 

「…愛理お嬢様」 

僕があなたを自慰の種にしている事は知られたくないです。 
もし知ったらきっとあなたは僕を執事として見られなくなるに違いありません。 

欲望に任せてやってしまったとはいえ…… 

えりかお嬢様にも見られたけどあの方はおおらかというかああいう方だからまだしも。 

それでも繰り返してしまう 

「……………………」 


今宵は、眠れそうにありません