無事にB館の森から脱出できた。この間は大変だったよ… 

それにしても不思議なお嬢様がいっぱいいたなぁ。 
初対面とはいえつんとした娘や森の中に住んでる娘、身のこなしが軽い娘、 
果ては動物と会話ができる娘までいたとは。 
その点C館のお嬢様はわりと普通の方ばかりで落ち着く。 

…と思っていたけど決してそういうわけではなさそうだった。 

「ふう…」 

休憩室で休んでいると 
¨コン、コン¨ 
…なんだ?窓ガラスから音がするぞ。振り向いてみたが誰もいない。 
¨コン、コン¨ 
まただ。さっきより早く振り向くと、窓ガラスの向こうに 

1 舞お嬢様がいた 
2 千聖お嬢様がいた 
3 えりかお嬢様がいた 



「舞お嬢様!?」 

僕に気付いたのか笑いながら手を振っている。 
…まてよ、僕がいる休憩室は確か三階。舞お嬢様は窓ガラスの向こうにいらっしゃる… 

ということは! 

「お嬢様ぁああ〜〜〜!!」 
あわてて窓を開けて舞お嬢様を抱き抱えて… 
「ひつじさんここにいたんだぁ〜♪みーつけた」 
「お嬢様、いま外からガラスを叩いていましたね」 
「うん。壁登ってたら三階まで来ちゃった。そしたらひつじさんいたから」 
「もし落ちたらどうするんですか!!お怪我が無かったとはいえ危険です!!」 
「……ご、ごめんなさい…」 

僕に怒られるとは思っていなかったらしく、しゅんとしてしまった。 
ちょっと言いすぎてしまっただろうか 

1 ご主人様にはちゃんと叱れと言われているから気にしない 
2 舞お嬢様をなぐさめる 
3 あれ?また窓ガラスたたく音がするぞ 



「すみません舞お嬢様、口がすぎました」 
「………」 

お嬢様はだまったままうつむいてしまう。 
「あの…」 
「ごめんなさい、ひつじさん」 
その声が震えている。いけない、僕は執事なんだ。なのにお嬢様を泣かせてしまうとは 
「申し訳ございませんお嬢様。僕は貴女が心配でつい…」 
「いいの、私が悪いの。あんな危ないことした私が…」 

休憩室に流れる何とも言えない嫌な空気。 

1 ミルクを入れてあげる 
2 泣き止むまでそばにいる 
3 お嬢様の顔を見る 



こんな時はあれだ。舞お嬢様が好きなミルクを… 
「お嬢様、どうぞ」 
「ありがと…」 

その白い液体が注がれたグラスを両手で持つお嬢様。 
だがなかなか口をつけようとせずうつむいている。 

「ひつじさんごめんなさい」 
「い、いえ、僕が言いすぎたんです。申し訳ございません」 
舞お嬢様はあまり叱られた事が無いらしい。 
だがらいざこうやって叱られるとどうしていいかわからないのだろう。 

「私のこときらいになった?」 
「何をおっしゃるのですか。そんなはずないでしょう」 
「…ホント?じゃあ私を抱っこして」 

え、あの、いきなり言われましても 

1 わかりました。言うとおりにしましょう 
2 それはできませんが僕は舞お嬢様を嫌いになんてなりません 
3 誰か入ってきたぞ 



「わかりました。失礼いたします」 

お嬢様の言うことには従わねばなりません。 
「なんかかたいよひつじさん。ぎこちない抱っこだね」 
「そ…そうでしょうか?」 
「もうちょっとぎゅーっとしてもいいよ」 

舞お嬢様笑ってる。良かった。お元気になられた様だ。 
「さっきはひつじさんに怒られてびっくりしちゃった」 
「出すぎた真似をしてしまい申し訳こざいません」 
「いいの。なんか…パパに怒られたみたいでちょっとうれしかったよ」 

ご主人様に…?そんな、めっそうもない。 
「時々こうやってひつじさんに抱っこしてもらいたいな。いいでしょ?」 

舞お嬢様、それはさすがに… 

「あ、いやそうな顔してる。だめだよ。ひつじさんはおじょうさまのいうことは拒否できないんでしょ?パパ言ってたよ」 

そんなぁ…ご主人様ぁ 

1 喜んで抱っこさせていただきます 
2 犯罪者にはなりたくありません 
3 おでこにキスする 



「ね〜いいでしょ?抱っこしてほしいなぁ」 

ごめんなさい舞お嬢様… 

「きゃ?!い、いまキスしたでしょ!それもおでこに!」 
「…いまの僕にはこれが精一杯です。定期的に抱っこなどと出すぎた真似はとても」 
「キスするほうがですぎたまねじゃないの?!そうでしょ!」 

舞お嬢様するどいご指摘ですね 

「でも嬉しい。おでこだけどキスしてもらったの私が最初でしょ?やったぁ」 

…かわいい。 
僕の中になにやら不思議な感覚が芽生えたかもしれない。 

妹を持つというのはきっとこういう感覚なのだろうか。 
妹がいないのでよくわからないけれど、なんだが心があたたかい 

いけない… 

お嬢様にこういう特別な感情を抱くなど。 

この想いは伝えずに胸の中にしまい込んでおくことにしよう。 


「ひつじさん顔赤いよ。私が好きになったんだ」 
「……はい。舞お嬢様が好きですよ」 
「うれしいな。えへへぇ」 

いけないと思うほど大きくなろうとする想い。 
僕は果たしてこの想いを隠し続けられるだろうか? 

お嬢様を妹として見てしまうなんていけないのに…… 

「しばらく抱っこしててほしいな」 
「かしこまりました。舞お嬢様…」 


そんなに僕を見つめないでください。 

…揺らいでしまうから 


リ ・一・リ<舞ちゃん執事さんにくっつきすぎ… リ#・一・リ