いけない。森から出られなくなってしまったぞ。果たしてどうしたらいいんだ。 

¨カァー…カァー…¨ 

不気味にカラスの鳴き声がこだまする森の中。 
「だんだん暗くなってきた。日が暮れて真っ暗にならないうちに森から出なきゃ」 

焦れば焦るほど自分がどこを歩いているのか分からなくなっていく。 
あれ、ここはさっき通ったよな。じゃあこっちは…いやこっちもだ。 
あああっまずい。早く出ないと、でも出られない。 

¨ガサッ¨ 

物音がしたので振りかえるとそこには 

1 あのつんとすましたお嬢様がいた 
2 も、桃子お嬢様?! 
3 くっ熊が……終わった 



……く 


熊だ。終わった。 

じっとこっちを見てるぞ。僕は食べられてしまうのだろうか 
いやだそんなの。まだB館のお嬢様をほとんど知らないのに 

こんな時は死んだふりだ。 
本当に効果があるのかわからないがやらないよりはいい。 
「う、ああ…あ」 
苦しそうにうめくふりをしながら地面に倒れこんだ。 
こんなの子供だってだませるか疑わしいが 

「…………」 
ち、近づいてこないでくれ。僕は死んでるんだぞ。 
ああ…鼻息が顔にふごふご当たって生きた心地がしないよ 

うわぁああ爪を当てないでくれ。やめろぉぉぉ 

「バウ、バウウ」 
熊の鳴き声なんて初めて聞いたぞ。これがそうなのか。 
思ってたよりかわいらしい鳴き声なんだな。 

「誰かいたの〜?」 

すると、物陰から女の子が姿をあらわした。かなり背が高いぞ。 

1 まだ死んだふりを続ける 
2 話し掛けてみよう 
3 く、くるしい、熊が乗っかってきた 



薄目を開けて見ているのでよくわからないが、確かに女の子だ。 
また新しいお嬢様だろうか。見たところ僕より背が高い様だ。 

「あっ、人が倒れてる!大変だよぉ」 

僕のところに駆け寄ってきたぞ。…あ…心臓に手を当ててる。 
「…よくわかんない、心臓が動いてるかどうか」 
今度は耳を直に胸に当ててきた。な、なんか変な意味でどきどきしてしまう 

「……よかった。寝てるだけみたい。遭難したのかな?ここの森って初めて入る人はかならず迷うからね」 
独り言を話してるのか? 

と思ったが 
「よしよし。偉いぞ」 
「バウウ」 
「ん?この人起きてるって?そうなの。私には寝てる様に見えるよお」 

このお嬢様…熊と会話してるのか? 
ちゃんと返事を聞いてから話してるみたいだし 

1 起きる 
2 まだ様子をみよう 
3 お嬢様、スカート履いてるな。見えそうで見えない 



この熊は危害をくわえないと思う。安心して起きることができそうだ。 
「…あ、起きた。ねえねえあなた誰ぇ?」 

僕は自分の名前と身分を明かした。 

「ん〜?しつじ?しつじってなーに」 
「簡単に言うと使用人です」 
「何する人なのぉ?」 

…この方は執事という言葉を聞いたことがないのか? 
それほど耳馴染みの浅い言葉では無いと思うのですが… 

失礼だが、見かけは大柄な方なのになんだかしゃべり方なども相まって子供と話している様な感覚だな。 
「執事というのは人に尽くすお仕事をする人ですよ」 
「かっこいいねぇ。人のために頑張るんだぁ!」 
「バウ、バウ」 

く、熊さんが僕の頭を撫でてくるとは…わりと人懐っこいのでしょうか。 

そういえばこのお嬢様、先ほどこの熊さんとお話してたな。 

1 あなたは動物とお話ができるのですか? 
2 あなたはなぜそんな背が高いのですか? 
3 あなたはちょっと頭の中が大らかですね 



「あなたは動物とお話ができるのですか?」 
「そうだよ。しつじさんもできるでしょ」 
「い、いえ…できません」 
「うそ〜。だってももちゃんやちぃちゃんはできるよぉ」 

聞き慣れない名前だったが話を聞くうちに桃子お嬢様と千奈美お嬢様だとわかった。 
しかし言葉ではなく¨意思¨がわかるだけらしい。 
そして、このお嬢様のように動物に理解できる言葉は云えないらしいのだ。 

それでも十分すごいと思いますが… 

「あっ、もう戻らなきゃいけない時間だね。ばいばい、また明日ねぇ」 
「バウウ〜」 

く、熊が手をふりながら森の中に帰っていったぞ。 
どこだここは。まるで漫画かファンタジーの世界じゃないか 

「しつじさんもいっしょに帰ろう。ねっ」 
「はっはい、ちょっと」 

僕の手をつかんですたすた歩きだすお嬢様。 

「はーい着いたよ〜」 

…え、もうですか?まだ5分程しか歩いてませんが。 
確かに見えてきました、久しく見ていなかった光… 

「無事にでられました〜」 

こんな出口に近い場所をずっとうろうろしていたのか。 

¨♪〜♪♪〜♪¨ 
…電話だ。お屋敷、C館からだろうな。 
「はいもしもし」 
¨もしもしじゃないわよこのやろー。どこで遊んでるのこのむっつり執事は¨ 
「えっ、えりかお嬢様?!はい直ちに戻ります!」 
¨5分で戻りなさい。時間を過ぎたら今夜…はっはっはっ、はーっはっはっはっ!¨ 

あ、切られた。これは不吉な予感がいたします。 
「すみません、もう戻らなくてはなりません」 
「そぉなの?もうちょっと遊びたかったのに」 

残念そうな顔をするお嬢様。 
「約束して。またあそぼうっ」 
「はい」 
小指同士をかわしあう…あれ、約束って確か以前他のお嬢様ともしましたよね…まぁいいか 

「私、友理奈。熊井友理奈っていうの。よろしくねしつじさん」 

…名は体をあらわす、といったところか。熊の様に大きくてそして不思議なお嬢様だ。 

次に会える時がなんだか楽しみです 


リl|*´∀`l|<蝋燭、浣腸、ギャグボール・・・どれから使ってやろうかしら