千聖お嬢様と舞お嬢様はお二人で一緒にいらっしゃる事が多い。 
特にかくれんぼをするのがお好きな様で、普段でも寝る前までばたばた走り回っている。 

舞お嬢様は千聖お嬢様を出し抜くのがお上手で、僕から見てもうなる様な場所に隠れることがあるのだ。 
それで千聖お嬢様はいつも見つけられずに困っているのが微笑ましかった。 
二人揃うとまるで嵐みたいで少々手が付けられないのだ。 


だが千聖お嬢様はお一人の時はそれほど騒がしくはない。 
そして、あまり周りを気になさらない舞お嬢様とは違い、周囲の微妙な変化に気が付く方だ。 
それだけ普段から見ているということなのだろう。 

「執事さんおつかれさま」 
「千聖お嬢様」 

よく僕の肩を叩いたりしてくださるのだが、お嬢様にその様なことをさせるわけにはいかない。 
いつも断るのだが遠慮しないでと笑顔でしてくださるのだ。 

1 すみません、それではお言葉に甘えて… 
2 僕が千聖お嬢様をマッサージいたします 
3 舞お嬢様のお話をきいてみようか 



僕が千聖お嬢様をマッサージして差し上げなければ。 
「お嬢様、僕がマッサージいたします」 
「え?いやいいよ。ボクが執事さんをマッサージするから」 

なぜか千聖お嬢様はご自分のことを¨ボク¨と言う。お嬢様なのになぜかは知らないけれど… 

「遠慮なさらずに。お疲れでしょう?」 
「……痛いからいやなんだけど、執事さんが言うならいいよ」 

素敵な笑顔だ。 
一見すると困っているようにも見えるが、これが千聖お嬢様の笑い方。 
「ん、痛いっ…」 
「こってますね。張ってますよ…」 
苦労なさっているのだろうか。まぁ、あの舞お嬢様といつも遊んでいらっしゃるからなぁ… 

1 もう少し強くもむ 
2 もっと弱くもむ 
3 あ、くしゃみが出そうだ、い、いけな…! 



いけない。強くしたらお嬢様に痛い思いをさせてしまう。 
「申し訳ございません。もう少し加減いたします」 
「あ…ありがと。ん、これなら痛くないよ」 

千聖お嬢様…小さいな。 
体つきは華奢ではないけれど大きさ自体は小さい。 
おそらく今現在はお嬢様達の中ではいちばん小柄なのではないだろうか? 
「ねえ、執事さんてさぁ」 
「はい?なんでしょうか」 
「…好きな人っている?」 

いきなり質問されて焦り、つい肩を強く握ってしまった。 
「痛いっ!…その反応だと、いるね」 

「い、いえっ、あの!」 
「誰?秘密にするから教えてよ!」 

1 いませんよ、ととぼける 
2 あ、あなたですよ。千聖お嬢様 
3 実は舞お嬢様が… 
4 とある理由でえりかお嬢様 
5 早貴お嬢様が好きです 
6 快活な舞美お嬢様 
7 栞菜お嬢様ってかわいらしいですよね 
8 僕は愛理お嬢様を愛しています 



「いませんよ」 

「ほんとぉ〜?」 
悪戯っぽい笑顔で僕を見上げてくるお嬢様。 
「本当です」 
「うそだね。ボクわかるもん。あの娘の前だと顔つきが違うし」 

な…?! 

「…いるんだね?いま顔つき変わったよ」 
「お嬢様!からかうのはおやめくださいっ」 
「うふふふ。執事さんはすぐ顔に出ちゃうな」 
…千聖お嬢様、侮れないぞ。普段の舞お嬢様と戯れている時は歳相応という感じなのに。 
人の心の機微を見抜くとはなかなかですね。 

「もう肩もみはいいよ。それよりボクと遊んでほしいな」 
「かしこまりました」 

さて、何をすればいいのか 

1 サッカー 
2 かくれんぼ 
3 …おや?いまロッカーから物音が 



千聖お嬢様はお外で遊ぶのが好きらしく、よく走り回ったりしている。 
中でもサッカーがいちばんのお気に入りなのだ。 

誰か遊ぶ相手がいなくても壁に向かってボールを蹴ったり、リフティングしたりしているから。 

「じゃあいくよ。執事さん、ボクからボールを奪ってみなよ」 
「よろしいのですか」 
「…遠慮なんていらないさ。できるならね」 

自信ありげな様子ですね。 

「あ、あれ?おかしいな、追い付けない…」 
「ははっ。執事さん全然だめじゃん。ボクについてこれないんだもん」 
なんですかあの速さは。 
それにまるでボールが足に吸い付くかのごとくお嬢様から離れてくれません。 

レベルが違いすぎます… 

「しょうがないなー。じゃあ次はキーパーやって」 
「はい」 

これならなんとかなりそうだ。シュートを止めるくらいなら 

「いっくよ〜!それぇっ!」 

きた! 

1 真ん中に来る! 
2 左だ! 
3 くっ右か 



右に来る! 

「うっ!」 
止めたぞ。うう……手がじんわりと痺れてきた。お嬢様いいシュートですね。 
「すごーい。ボクのシュート止めちゃうなんて!執事さんすごいじゃん!」 

千聖お嬢様が走ってきて僕に抱きついた。 
う、痛いですってば、そんなに力一杯… 

「すごいじゃん!すごいよ執事さん!」 
「いやあそれほどでも…」 
「よーし決めた。ボクもっと練習して今度は執事さんが止められないくらいのシュートうってやるから」 
「はぁ…」 

千聖お嬢様の瞳の炎が真っ赤に燃えている。 
「負けないよボク!よーし今からさっそく練習だぁ!」 

1 僕もお付き合いしますよ 
2 その前に宿題はお済みですか? 
3 次は何か別のことをしませんか 



いけない。千聖お嬢様は熱くなると際限なく頑張り続けるから止めなくては 
「あのお嬢様。次は何か別のことをしませんか」 
「えっ?でも…ボクまだサッカーしたいよ」 
まだサッカーに未練がある千聖お嬢様を丁寧になだめる。 
「明日も学校があります。物事はなんであってもほどほどが一番ですよ」 
「…はぁい。わかったよ、執事さんの顔をたててあげる」 
「ありがとうございます」 

かわいそうかもしれないが千聖お嬢様のためなんだ。 
「で?執事さん、かわりに何するの」 
「えーと…」 

1 手をつないでお散歩いたしましょう 
2 あの木の下で夕焼けを眺めましょう 
3 千聖お嬢様は好きな人はいますか? 



「お散歩いたしましょう」 
「え、わわっ?!」 

ぎゅっと手を握ったら急にじたばた暴れだすお嬢様。 
「いっいいよ、握らなくても!はなして!」 
「そうはいきません。お嬢様をお守りするのが僕の役目ですから…」 
「いいってば、もう、はなしてよ〜」 

…少し意地悪したくなってしまうくらいかわいらしい。 
いけない、執事なのにお嬢様にその様な真似などは。 
…しかしやはりかわいらしくてついつい意地悪したくなってしまうのだ。 

「お嬢様静かになりましたね」 
「……ぅるさぃなぁ…」 

二人きりのあなたは、なんだか大人にも子供にも見えてしまいますよ。 
千聖お嬢様… 

「もういいよ!そんなに握らないで執事さん」 

ぱっ、と僕の手を離してしまう千聖お嬢様。 
「先に戻ってるから〜〜〜!」 

照れ隠しのためなのか、早足でお屋敷へと戻っていく。 
「危ないですよお嬢様。転んだら大変です」 
「平気〜〜〜!!」 

千聖お嬢様、屈託のないあなたが好きですよ。 
舞お嬢様と一緒のときは少々手が付けられませんけどね… 

「執事さんも早く来なよ〜〜〜!おいてっちゃうよ〜!」 


なんだか、走りたくなって 

気が付けば僕も走りだしていた 

きっとこんな気持ちになったのもあなたに触れたおかげかもしれないですね 


ノソ*^ o゚)<執事さんとお風呂…